憧れだった国鉄型2扉転換クロスシート車 | はやこま すていしょん!

はやこま すていしょん!

更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

岡谷駅でJR東海213系5000番代に遭遇して、改めて国鉄型2扉転換クロスシート車っていいなって思いました。

(クハ212-5002・岡谷・2017年6月7日)

まぁ211系5000番代はJR東海車ですけど。

国鉄時代末期には、一部の例外を除いて車体の扉数、座席とその配列が標準化されていました。そのなかで異彩を放っていたのが2扉転換クロスシート車です。

今でこそ転換クロスシート車は珍しくありませんが、国鉄時代の急行形はボックスシートを配置したクロスシート車、近郊形はボックスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートが標準となっていました。

そんななか1974(昭和49)年に登場したのがキハ66系です。

(キハ67 7・早岐・2009年8月24日)

車体は近郊形気動車と同様の両開き2扉配置ですが、転換クロスシートと空気ばね台車を装着していました。少なくとも座席の快適性や乗り心地では急行形のキハ58系よりも高い水準となっていて、実際に急行「由布」「日田」にも使用されていました。

しかしデッキや洗面台はなく、扉周辺はロングシートで、やはり近郊形気動車的であり、主たる用途は筑豊地区の普通列車でした。

もっとも普通列車としては格段に高い水準の車両であることは疑いようもありませんでした。

 

キハ66系のコンセプトは1979(昭和54)年には関西地区の新快速用近郊形電車として登場した117系で昇華したといえます。


(クハ117・新大阪・1981年8月)
117系は新快速に使用されていた153系急行形電車を置き換えるために開発されました。
近郊形電車ながらロングシートを配置せずオール転換クロスシートとしたのが大きな特徴。これはライバルの阪急6300系や京阪3000系に対抗したともいえますが、この点はキハ66系よりもさらに突っ込んでいました。空気ばね台車も採用されました。
117系は中京地区にも投入されています。こちらは名鉄に対抗したものでした。
なお、同時期に関東投入された185系特急形電車は転換クロスシート車で、関西との扱いの落差にがっかりしたものです。

1982(昭和57)年には広島地区で運用していた153系快速を置き換えるために115系3000番代が投入されました。

 

(クハ115-3100・横川・1984年8月)

115系3000番代はコイルばね台車で、また広島地区のラッシュ対策で扉付近はロングシートとなりました。でもJR西日本の近郊形電車の転換クロスシート化にも少なからず影響を与えているのではと思います。

 

国鉄時代末期には213系が登場しました。

(クモハ213-10・児島〜坂出・1988年8月)

国鉄分割民営化と、瀬戸大橋開業後の本四アクセスに備えて、211系をベースとして2扉転換クロスシートとしました。

 

国鉄分割民営化後の1989(平成元)年に、JR東海が関西本線用に213系5000番代を投入しました。

(クモハ213-5002・岡谷・2017年6月7日)

213系5000番代は名古屋地区の通勤需要を考慮して、扉付近はロングシートとなり、当初はトイレも設置されませんでした。

現在はトイレの設置改造等を実施して飯田線に転用されています。長距離移動が多い飯田線では213系5000番代は便利でしょうね。

 

ともあれ、国鉄・JRではこのような転換クロスシート車が関東にはなかなか出現しなかったので、今でも羨ましく思います。