2017(平成29)年5月31日に西武安比奈線南大塚〜安比奈間が廃止されました。ということで安比奈線廃線跡に行って来ました。
(安比奈駅・2017年6月5日)
西武安比奈線は西武新宿線南大塚駅を起点とした貨物線で1925(大正14)年2月15日に開業しました。
目的は入間川の川砂利を輸送するためです。途中駅はなくて、入間川河川敷に安比奈駅(貨物ヤード)が設置されていました。
しかし川砂利採取規制の強化などで、1963(昭和38)年に営業を休止。その後1987(昭和62)年に西武新宿線西武新宿〜上石神井間の複々線化と安比奈に車両基地を設置する構想が持ち上がりましたが、1995(平成7)年に構想は無期延期となりました。
一方川越市では2006(平成18)年に安比奈線の旅客化を盛り込んだ施策を盛り込んでいます。
しかし西武鉄道では2016(平成28)年2月10日に安比奈車両基地の整備計画を廃止。そして安比奈線も正式に廃止されました。
そんな西武安比奈線に訪れたのはかなり久しぶりです。
安比奈線は南大塚駅の構内の途中から西へカーブを描いていました。
(南大塚・2017年6月5日)
構内で線路は寸断され、資材置き場となっています。
踏切の跡から安比奈方を見るとこのようにカーブを描いています。
(南大塚・2017年6月5日)
線路は踏切部分にだけ残っていますが、踏切自体は撤去され、道路とは柵で仕切られています。また架線柱が残っている線路は写真左で寸断され、その先は道路となっています。
安比奈線はそのままカーブを描いて国道16号線と交差していました。
(南大塚〜安比奈・2017年6月5日)
10年前は線路が見えていましたが、今では草に隠れています。
国道16号線の踏切はかなり早いタイミングで撤去されていました。
(南大塚〜安比奈・2017年6月5日)
車道部分の線路は撤去されましたが、歩道部分はまだ線路が残っています。
安比奈線はこの先住宅地を通り抜け、小さな鉄橋を渡って畑の中を進んでいます。
(南大塚〜安比奈・2017年6月5日)
10年前と比べると架線柱の数が減っています。また線路への立ち入りを規制するために柵が設置されています。
長い間放置されていたので、線路は歪み、枕木は朽ちているため線路内を歩けないように柵を設置した模様。
(南大塚〜安比奈・2017年6月5日)
(南大塚〜安比奈・2017年6月5日)
架線柱がないと線路があるとは思えませんね。
この先で林の中を通り抜けますが、当然ながら立ち入り禁止。
(南大塚〜安比奈・2017年6月5日)
もっとも立ち入る気にもなれませんけどね。ここも10年前は普通に歩くことができました。
林を抜けると小さな鉄橋を渡って左にカーブしながら入間川の河川敷に入ります。途中八瀬大橋で分断された部分がありますが、安比奈駅周辺にはオフロードコースや畑があるので容易に立ち入ることができます。
(南大塚〜安比奈・2017年6月5日)
写真右側がオフロードコース。
線路脇の木が成長して線路に覆い被さりそうな勢いです。
そして不可思議なカーブを描く線路。
川砂利を運ぶダンプが通過する道路部分の線路は撤去済み。道路を横切ると再び木におおわれた線路があります。
(南大塚〜安比奈・2017年6月5日)
(安比奈・2017年6月5日)
架線柱の大きさから貨物ヤードがあった名残が想像できますね。
しかも線路の数もかなりあった模様。
(安比奈・2017年6月5日)
さらに進んでいくとレールが3本敷かれている場所がありました。
(安比奈・2017年6月5日)
安比奈駅からは復興社安比奈砂利軌道という600mm軌間の鉄道が入間川川岸まで敷設されていて、安比奈駅で砂利を積み替えていたのですが、ここは600mmと1,067mmの3線軌条なのでしょうか?
架線柱は再び単線用になって、さらに先まで続いているのですが、今にも倒れそうです。
(安比奈・2017年6月5日)
正式に廃止された西武安比奈線ですが、あまりに休止期間が長かったので、廃墟感はトップクラスです。今後これらの廃線跡の処遇が気になることころです。