総合車両製作所新津事業所の一般公開の続きです。後編は台車の組立見学です。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
ちなみにこの台車はE721系用動力台車、DT72A形です。
これは組み上がったE721系用付随台車、TR256B形の台車枠です。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
軽量ボルスタレス台車の台車枠はレール方向の側ばりを横ばりでつないだH形の形状をしています。横ばりについているアームのようなものはディスクブレーキを取り付ける台座です。
完成した台車枠は水圧をかけるテストをします。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
空気ばねに供給される空気は台車枠の内部を通るので、密閉度を確認しているわけです。
塗装されたTR256B形の台車枠です。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
DT72A形の台車枠はこちら。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
横ばりに主電動機を取り付けるブラケットと、歯車箱を固定するブラケットがついています。
台車枠に空気管や主電動機、ブレーキや砂箱といった部品をとりつけた状態です。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
E721系の主電動機はMT76形です。
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主電動機についている緑色の部品がTD継手です。緑色の部品の間にはCFRP製のプレートがあります。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
このCFRPのプレートがたわむことで、主電動機と歯車の変位を許容します。
主電動機は横ばりのブラケットに固定されます。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
ブレーキ装置も横ばりに取り付けられます。
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これはTR256B形で、ディスクブレーキと踏面ユニットブレーキが取り付けられています。DT72A形にもユニットブレーキが取り付けられます。
TR256B形用の車輪、軸受、軸はり式軸箱支持装置、ブレーキディスク一式です。
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ちなみに軸はり式軸箱支持装置はこんな形。
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軸箱の上には軸ばねが乗り、台車枠を支えます。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
こちらはDT72A形用の車輪。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
ブレーキディスクの代わりに歯車箱がついていますね。
これらを組み合わせると台車ができあがります。
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E721系用の台車の製造は終わっているようで、現在は別の車両(E129系?)の台車の製造していました。
E721系は床を下げるために独特な台車枠の形状をしていますが、こちらはJR東日本のスタンダードな台車です。
横ばりは丸パイプを使います。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
このパイプを2本並行配置して、ブラケット、ストッパなどを溶接して横ばりを構成します。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
この台車はディスクブレーキのブラケットが4つついていますね。
台車枠には穴がふたつ空いています。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
この穴に横ばりを通して台車枠とするわけです。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
溶接にはロボット溶接も用いています。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
ロボット溶接を済ませた台車枠がこれです。
(総合車両所新津事業所・2016年10月8日)
E721系用の台車枠とはかなり形が違いますが、こちらの方が馴染みがありますね。
この組立が進行すると、E721系用台車と同じような工程を経て台車が完成することになります。
今回はいろいろと勉強になりました。