東急電鉄の主力車両である5000系、5050系、5080系のいわゆる5000系グループですが、調べれば調べるほど興味深いことがわかりました。
(5113・二子玉川・2015年8月27日)
さて、5000系グループは8000系や8500系などを置き換えることを目的に開発されました。製造コストを抑制するためにJR東日本E231系と鋼体設計を共通化しています。その一方で主要機器は3000系をベースとしていて独自性も持たせてあります。
2001(平成13)年度に製造された5101Fは先行試作車的要素が強い編成です。
(5001・市が尾~藤が丘・2016年7月4日)
車体はE231系をベースとしながら、地下鉄乗り入れを考慮して全幅を2,770mmとしています。また扉間隔も独自の3,500mmとしました。
(5005・市が尾~藤が丘・2016年7月4日)
この量産車では国土交通省が定めた通勤・近郊電車の標準仕様ガイドラインに準拠した設計に変更され、扉間隔は3,520mmに改められました。さらに全幅も2,778mmに拡大されています。
(5181・武蔵小杉・2013年3月7日)
乗り入れ先の地下鉄南北線に対応した6両編成で、ワンマン対応設備やATOなどを備えています。それ以外に運転室の奥行きが100mm拡大された1,605mmとなり、先頭車の全長も100mm長い20,200mmとなっています。
またVVVFインバータ制御装置を東芝製としてIEGT素子を採用しました。
ちなみに5000系と後述の5050系は日立製でIGBT素子を採用しています。
2004(平成16)年には東横線用の5050系が登場しました。
(5154・武蔵小杉・2013年3月7日)
この5050系は縮小限界を採用することで全幅を2,798mmと拡大しました。運転台の寸法は5,080系と同じ1,605mm。
つまり5000系グループは先行車、5000系、5050系、5080系でみんな寸法が違うことになります。
2005(平成17)年からは5000系に6扉車の組み込みが始まりました。
(5014・市が尾~藤が丘・2016年7月4日)
6扉車の連結両数はJRを凌駕する最大3両。このため編成替えや転配もあり、5000系の一部は8両編成化の上東横線に転属しています。
(5122・武蔵小杉・2013年3月7日)
5050系よりも車体寸法は小さいですが、ちいさい分にはなんの問題もないですね(笑
そして5050系の10両編成バージョンが5050系4000番台。
(4004・保谷~ひばりヶ丘・2016年1月17日)
10両編成を区別するために4000番台としたということですが、そもそも番号は5076まで来ていて5080系と重なることが必至だったので、あえて避けたのでしょう。
ちなみに東急で飛び版が若返ることは過去にもあって、8090系が8080番台になった事例があります。
このほか製造年次の仕様変更があるのはお約束ですが、5000系グループって意外と面白いかもって思いました。