南武線尻手駅と東海道貨物線(品鶴線)新鶴見操車場の間には両線を結ぶ貨物線用の短絡線があります。
(EF65 2095・尻手~新鶴見(信)・2016年6月29日)
単線のひなびた路線ですが、東京貨物ターミナル駅や川崎貨物駅を発着して武蔵野貨物線などを経由し、隅田川貨物駅や北関東、東北方面に向かう貨物列車が窮屈そうに通過していきます。
また新鶴見機関区から東京貨物ターミナル駅や川崎貨物ターミナル駅に向かう単機回送も通過するので、意外と列車本数が多かったりします。
(EH500-2・尻手~新鶴見(信)・2016年6月29日)
この短絡線ですが歴史はかなり古く、1951(昭和26)年5月1日には開通しているそうです。当時の南武線は貨物営業が盛んで、貨物支線も多数持っていました。また当時は新鶴見操車場があり、貨物輸送の一大拠点となっていました。そのため、尻手連絡線の他に向河原~市ノ坪~新鶴見操車場を連絡する貨物線を1945(昭和20)年には開通させていて、新鶴見操車場へのアクセスを便利にしていました。
その後、武蔵野貨物線の開業で、向河原~市ノ坪~新鶴見操車場間の短絡線は1973(昭和48)年に廃止されました。
一方1964(昭和39)年に川崎貨物駅、1973(昭和48)年に東京貨物ターミナル駅が開業したことで、新鶴見操車場と新鶴見機関区からアクセスが便利な尻手連絡線の存在価値は高まったと言えるでしょう。
そのような背景もあって、住達の間をすり抜ける単線路線にもかかわらず20両編成のコンテナ特急が通過したりします。
(コキ107-101・尻手~新鶴見(信)・2016年6月29日)
電気機関車もEF65、EF210はもとより、EF66やEH500なども通過します。
(EH500-41・尻手~新鶴見(信)・2016年6月29日)
意外と楽しい貨物線です。
(EF210-134・尻手~新鶴見(信)・2016年6月29日)