都電荒川線7700形がデビューしました | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

5月30日から東京都交通局荒川線7700形の営業運転が始まりました。

(7701・荒川車庫前・2016年5月30日)
デビューしたての7700形ですが、完全な新造車ではなく、7000形の車体と冷暖房装置、放送装置を再利用した車両です。
では具体的に何が変わったのかというと。
7000形

(7001・荒川車庫前・2015年10月14日)
7700形

(7701・荒川車庫前・2016年5月30日)
まず前面では運転台窓下の通風口が廃止され、排障器も交換されました。
屋根上では空調装置と集電装置が移設され、さらにシングルアームパンタグラフを搭載しています。
実は7000形でも過去にシングルアームパンタグラフを搭載したことがありましたが、2011(平成23)年度に8500形に供出し、菱形パンタグラフに戻っています。
車内ではシートを更新したほか、降車ボタン、縦手すりを増設。ロングシート脇に大型仕切りを設置し、LED照明を採用しました。車内表示器も液晶2画面のものに交換されました。

別の角度から見てみましょう。
7000形

(7033・東池袋四丁目・2016年5月30日)
7700形

(7701・東池袋四丁目・2016年5月30日)
側面表示器の位置が違うのは、車両の向きが逆なだけなので、今回の改造とは関係ありません。
乗降扉の幅を7000形の900mmから100mm拡大して、1,000mmとしています。また進行方向左側に運転台側窓の下に側窓を追加しています。
走行システムと台車は8900形と同様のVVVFインバータ制御と電気指令式ブレーキとなり、台車も8900形と同じFS91-C形に振り返られたので、床下の様子は一変しました。
また走行サウンドはもちろんのこと、乗り心地もかなり向上したようです。

ところで7700形のベースとなった7000形は1954(昭和29)~1956(昭和31)年にかけて93両製造されました。短期間ながら製造年次は3次に渡り、新造車以外にも旧型車の足まわりを流用した車両も存在しましたが、荒川線(当時は27・31系統)に集まってきたのは最終グループ3次車のうちの31両でした。

(7082・早稲田・1979年1月)
この31両は1978(昭和53)年からのワンマン化に備え、1977(昭和52)年からアルナ工機(現・アルナ車体)が新造した車体に載せ替えられました。この7000形車体更新車は当時としてはとても画期的でした。

(7029・荒川車庫前・2016年5月30日)
それはホームをかさ上げすると同時に、車体のステップを廃止。車いすスペースも確保していたのです。つまり現在では常識となっているバリアフリー化を39年も前から実現していたのが7000形。これを評価され、1978(昭和53)年の鉄道友の会ローレル賞を受賞しています。
その後冷房化などの改良が
しかし走行機器は60年以上前のもので、老朽化が進行していました。
そこで8900形を2015(平成27)~2016(平成28)年にかけて8両導入して7000形を置き換えてきましたが、7000形の内8両を7700形に再改造することになりました。

その理由としては現代にも通用する車体を持っていたということも考えられますが、なんといっても改造費が1両あたり1億3000万円で、8900形を新造するより5000万円も安く済むのだそうです。
東京都交通局の財政事情が7700形を生み出したような感じではありますが、ともあれ7000形の車体が今後も活躍するのは嬉しいと思います。

(7701・東池袋四丁目・2016年5月30日)