京都鉄道博物館に行って来た「本館の保存車両」 | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

いよいよ京都鉄道博物館の本館に入ります。

(521-1/クハネ581-35/クハ489-1・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
さて、本館には鉄道のこと、鉄道技術、時代などをいろいろと学ぶことができる展示や、シミュレータ、鉄道模型ジオラマなどたくさんの施設がありますが、それを全部紹介するのは大変なので、車両中心で紹介させていただきます。
本館に入って最初に目に入るのはこの3両ですが、その手前にも230形蒸気機関車233号機が展示されています。

(233・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
230形は日本で初めて量産された蒸気機関車です。233号機は交通科学博物館に保存され、そして京都に移設されました。ちなみに230形はもう1両268号機が鳥栖駅の裏手に保存されています。

本館中央にはJR西日本を代表する花形車両が並べられました。その中でもシンボル的存在が500系です。

(521-1・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
1996(平成8)年に製造された500系の先行車W1編成で、試験の結果を反映させて量産車が製造され、1997(平成9)年から山陽新幹線での300km/h運転を始めました。
N700系に置き換えられた500系は、順次8両編成に短縮して「こだま」用V編成となりましたが、W1編成は短縮されることなく、長期間の留置の後廃車となりました。
そして521-1が京都鉄道博物館で保存されることになりましたが、やはり500系はインパクトがありますね。

クハネ581形は世界初の昼夜兼行電車581・583系の先頭車です。

(クハネ581-35・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
運転台と客室の間にある機器室が特徴的です。ここにはMG(電動発電機)とCP(電動空気圧縮機)が搭載されていました。
581系は交流60Hz仕様、583系は交流50/60Hz両対応という点が異なりますが、混結可能な兄弟形式です。583系が登場した当初、先頭車はクハネ581形が製造されましたが、東北本線では定員が不足したため、15両編成化を想定してMGとCPを容量アップの上、MGを床下、CPを助手席下に移設したクハネ583形を製造し、青森運転所のクハネ581形は南福岡電車区に転属しました。クハネ581-35もその1両で、タイフォンにシャッターが付いています。
ともあれ、完全な原型で残る唯一のクハネ581形です。

そしてクハ489形0番代。

(クハ489-1・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
489系は485系をベースに碓氷峠でのEF63形電気機関車と協調運転ができる構造としたものです。
481・485系は581・583系同様山陽本線や北陸本線の特急として大活躍した形式なのですが、京都鉄道博物館の建設時点ではすでに485系が全廃されていたので、489系の先頭車のうちクハ481形100番代に近い形態のクハ489形0番代が選ばれたのかと思います。ちなみに「雷鳥」での運用実績はあります。
残念なのは雨どいがクリーム色のままだということでしょうか。

交通科学博物館から移設されたEF52形。

(EF52 1・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
国産F級電気機関車第1号で、この成果をもとにEF53形へ発展しています。
晩年は阪和線で活躍していました。ちなみにEF52 7が川崎重工業で保存されています(非公開)。

1800形蒸気機関車も交通科学博物館から移設されました。

(1801・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
現在の東海道本線・北陸本線の急勾配区間用(共に線路切換済み)としてイギリスから輸入されました。
1801号機は高知鉄道、東洋レーヨン滋賀工場を経て、交通科学博物館で保存されていました。

100系の先頭車122-5003も保存されています。

(122-5003・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
元々はJR西日本が開発した100系3000番代の先頭車です。100系3000番代は国鉄・JR東海100系0番代と異なり、2階建て車を中間に4両連結しているため、先頭車も制御電動車となっています。そして主電動機の冷却のためにノーズ下部に空気取り入れ口が付いています。
100系3000番代は275km/h運転を目指して開発されましたが、騒音を打ち消すことができず断念。それでも100系0番代よりも10km/h速い230km/h運転を実施しました。
700系登場後は編成を短縮され「こだま」用となりました。その際に先頭車の仕様変更が行なわれ、5000番代となっています。
122-5003は最後まで「こだま」に使用した車両です。個人的には3000番代に復元して欲しかったなって思いますが、細部まで見なければ問題ないかも。

キハ81形も交通科学博物館から移設されました。

(キハ81 3・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
特急形気動車第1号として登場したキハ80系のうち「はつかり」に投入された編成の先頭車がキハ81形です。151系電車を模したボンネットスタイルなのに、似ても似つかなくて垢抜けないのは、信号機の高さやタブレット授受の関係とかいろいろ言われていますが、そもそもヘッドライトの取り付け位置なんじゃないかな。
晩年は紀勢本線「くろしお」に使用されていたこともあり、引退後交通科学博物館で保存されていました。

国鉄を代表するディーゼル機関車DD51形もあります。

(DD51 756・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
DD51形の中でも完成形と言える500番代の全重連形。DD51形の保存車は意外と多いのですが、都市部の博物館で保存されるのはこれが最初だと思います。
なお、このDD51 756は床下を見学することができます。

同じく床下を見学することができるのがEF66 35です。

(EF66 35・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
JR西日本のEF66形といえば、ブルートレインを牽引していたことで有名ですが、このEF66 35はJR貨物から譲渡されたものです。
譲渡に際して冷房装置の撤去と国鉄色への復元を実施しています。

初めての特急貨物列車「たから号」の最後尾に連結されていたヨ5000形5008号。

(ヨ5008・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
JR貨物宇都宮貨物ターミナルで保管されていましたが、「たから号」時代のライトグリーンに塗装されて保存されています。

有蓋車のワム3500形7055号車。

(ワム7055・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
JR西日本社員研修センターで保存されていたものを譲渡されたそうです。
ちなみにこの車両の下はカーリターダーになっています。

そして912-64のカットボディ。

(911-64・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
912形はDD13形を改造した新幹線用ディーゼル機関車です。それにしてもものすごくシュールなカットボディです。

このほかにモックアップもあります。いずれも交通科学博物館から移設されたものです。
まずはクハ151形。

(京都鉄道博物館・2016年5月14日)
余談ですがこのモックアップが履いている台車はDT23Z形という電動台車だったりします。
101系のモックアップ。

(京都鉄道博物館・2016年5月14日)
屋根にはパンタグラフが乗っていたり、台車が見えるように床が透明だったり、主制御器の動きが見えたりとなかなか勉強になるモックアップです。

本館の奥は展示引き込み線。ここは本線とつながっているので、展示車両を入れ替えることができます。
普段は3両の客車が展示されています。
まずはオハ46形。

(オハ46 13・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
スハ43形の各部を軽量化した車両です。長いあいだ梅小路に留置されていましたがキレイになりましたね。

「トワイライトエクスプレス」の電源車カニ24形。

(カニ24 12・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
ブルートレイン車両の保存車は多いですが。電源車の保存は京都鉄道博物館と小坂鉄道レールパークぐらいでしょうか。でもカニ24 12は動態保存なのかわかりません。

「トワイライトエクスプレス」の「サロン・ド・ノワール」もあります。

(オハ25 551・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
中央には屋根上を見学できる通路があります。

(カニ24 12・京都鉄道博物館・2016年5月14日)
展示車両が変わればさらに面白くなるかもです。