
(キハ285-901・苗穂工場・2015年4月14日)
キハ285系は特急列車のさらなるスピードアップを狙った次世代特急形気動車でした。
まず曲線通過性能を向上させるために車体を最大8度傾斜させるハイブリッド振子装置を搭載。
これはキハ283系に搭載されているベアリングガイド式制御付自然振子装置による車体6度傾斜と、キハ261系に搭載されている空気ばねストローク式車体傾斜装置による車体2度傾斜を複合させたものでした。
さらに動力性能の向上と省エネ性能向上を狙ってモーターアシス(MA)トハイブリッド装置を搭載していました。
しかし2011(平成23)年から度重なる車両トラブルなどによって、JR北海道は安全性重視にシフト。現在は最高速度130km/h運転をやめています。またキハ261系は車体傾斜装置の使用を停止し、さらに現在増備されているキハ261系1000番代には車体傾斜装置を非搭載としているそうです。
それゆえにオーバークォリティーなキハ285系を開発する意味はなくなったわけですが、それでも開発費に25億円もかかっているそうで、おいそれと廃車にすることはできないと思います。JRは民間の株式会社ですから無駄遣いをすれば株主総会で荒れるのは必至だと思われます。だから最低でも全検周期の8年は廃車させない方が無難だと思います。
ちなみにJR東日本E331系は2006(平成18)年に製造8年後の2014(平成26)年に廃車していますが、これも株主総会対策だという噂です。
ただ、キハ285系を営業車ではなく純粋な試作車だと言い切ってしまえば、もっと早期に廃車できるのかも知れませんが……。
で、総合検測車への転用を断念した理由は、構造が複雑なので転用にも多大の費用がかかると判断された模様。
北海道新聞によれば、JR北海道は総合検測車への転用は断念したが今後の活用方法について検討していると回答したようです。
キハ285系の車齢はまだ2年ですので、先ほどの事情から全検切れまでのあと6年をどうするのかが気になるところ。
これは私見ですが、ハイブリッド振子は不要だとしてMAハイブリッドは省エネ的にも有効な気がするのですけどどうなんでしょうか?
JR北海道ならモノクラス3両編成で特急を運行しても問題ないし、最高速度120km/h程度で運行するならハイブリッド振子を使用停止して営業運行ができるような気がするんですけどね。
ともあれ、キハ285系が不憫すぎるのでなんとか日の目を見させて欲しいものです。

(キハ285-901・苗穂工場・2015年4月14日)