都電荒川線の車両更新の変遷 | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

東京都交通局荒川線は三ノ輪橋~早稲田間12.2kmを結ぶ路面電車です。とはいうものの併用軌道区間はほんのわずかで、ほとんどは専用軌道を走っています。逆に専用軌道区間が多かったことから廃止が相次いだ都電のなかで存続することができました。荒川線と呼ばれるようになったのは1974(昭和49)年のことです。

(7001・荒川車庫前・2015年10月14日)
荒川線発足時の車両は1947(昭和22)~1952(昭和27)年製造の6000形13両。

(6082・荒川車庫・2015年10月14日)
290両と大量製造され、都電の顔的存在でしたが、ワンマン化はされませんでした。
7000形31両。

(7082・早稲田・1979年1月)
1955(昭和30)~1956(昭和31)年に製造された第3次車が荒川線に集められました。
そして1962(昭和37)年に製造された7500形18両。

(7514・上江戸東京たてもの園・2006年2月5日)
ちなみに6000形と7500形の間に8000形が131両製造されましたが、耐用年数を10~12年程度として簡略設計されたため、1972(昭和47)年に廃車され、荒川線にはやってきませんでした。
ともあれ6000形、7000形、7500形合計62両が荒川線での活躍を始めました。この当時の1日あたりの乗降客は約9万3,000人でした。

1978(昭和53)年からは合理化のためワンマン運転を実施することとして、1977(昭和52)年から7000形31両全車の車体をワンマン仕様に更新しました。

(7022・荒川車庫前・2015年10月14日)
外観が一新されたワンマン仕様は、帯色を青色に変更しています。また7000形の更新車体はステップを廃止。同時にホームをかさ上げしてバリアフリー化されたのは、当時の路面電車としては画期的なことでした。

一方7500形は既存の車体をベースに16両がワンマン化。

(7504・都電おもいで広場・2012年4月30日)
ワンマン化から漏れた7509と7514は1978(昭和53)年に廃車となりました。

また6000形は6152を除いて廃車。6152は応急車として残されました。その後1986(昭和61)年にイベントなどで使用する営業車として復活しました。

(6152・あらかわ遊園・2014年12月26日)
しかしブレーキ系統がひとつしかないため、安全面で問題があり、改修する予算も不足していたため2001年に廃車され、現在はあらかわ遊園で保存されています。

1984(昭和59)~1987(昭和62)年にかけて7500形13両の車体更新を実施しました。同時に冷房化されました。

(7518・荒川遊園地前・2007年9月21日)
更新改造から漏れた7502、7504、7508のうち、7502と7508は廃車。7504は朝ラッシュ時のみ使用されました。6152を例外とすると、この時点で営業に就いていたのは45両ということになります。
なお7000形の冷房化も1986(昭和61)年からはじまり、29両が冷房化されました。

車体更新された7000形と7500形ですが、老朽化が進んでいたため、両形式を置き換えるための新型車両の製造が計画されました。それが8500形です。

(8505・荒川車庫前・2015年10月14日)
8500形は1990(平成2)~1993(平成5)年までに5両が製造され、7000形6両を置き換えました。しかし東京都交通局は財政難なため、8500形の新造は終了。この時点で6152を除く営業車は44両となりました。
なお7504は1998(平成10)年に引退し、その後は倉庫代用とされていました。
7000形は2000(平成12)年に2両が廃車され、豊橋鉄道に譲渡されました。これで7000形は23両となっています。

2001(平成13)年に6152が廃車されたため、代わりのイベント対応の営業車両として9000形9001を2007(平成19)年に製造しました。内外装をレトロ調としてイベント列車に対応させましたが、通常は普通の営業運転にも使用されています。9001の投入で、7500形2両が廃車されています。

(9002・荒川車庫前・2015年10月14日)
2009(平成21)年1月には9002を増備しました。
この時点で7000形25両、7500形11両が残っていましたが、7500形の老朽化がさらに進んだため、2009(平成21)年4月からは8800形が導入されました。

(8808・荒川車庫前・2015年10月14日)
8800形は2010(平成22)年までに10両製造されました。そして7500形は2011(平成23)年3月までに全車廃車されました。ただし7510は花電車、花100形に改造されて現存しています。

7000形は2006(平成18)年~2015(平成27)年の間に6両が引退し、現在は17両となっています。
そして今年9月から8900形の投入が始まりました。

(8901・荒川車庫前・2015年10月14日)
この最新形車両は当然7000形を置き換えるために製造されていて、2016(平成28)年度までに8両を製造し、7000形8両を置き換える予定です。
8900形の投入が完了すると都電の営業車は以下のような陣容になります。
8900形8両
8800形10両
9000形2両
8500形5両
7000形9両
荒川線発足当初は62両だった陣容が今では34両にまで減っているのですね。
また、このままの計算で行けば7000形はまだ存置されると言うことになりますが、おそらく朝夕のラッシュ時用として残される最低限の数だと思われます。

(7018・荒川車庫前・2015年10月14日)
となると来年以降7000形を見ることができる機会は一気に減るかも知れませんね。