
(天竜二俣・2015年6月6日)
天竜浜名湖鉄道は1987(昭和62)年に国鉄二股線を第3セクター化して誕生しました。国鉄時代は名称が異なり、遠江二股駅と遠江二股機関区でした。蒸気機関車は1971(昭和46)年まで配置され、晩年はC58形が5両配置されていました。
ターンテーブルは1940(昭和15)年に設置されたもので、直径18.4mの中型サイズ。当初は手動回転式だったものを後年電動回転式に改造しています。

(天竜二俣・2015年6月6日)
扇形庫は全国でもここだけしか残っていないという木造のものです。

(天竜二俣・2015年6月6日)
現在は4線分の庫となっていますが、かつてはこの左右にもう1線ずつの合計6線分の庫だったそうです。

(天竜二俣・2015年6月6日)
現在もこのように気動車が収まっています。右の3両は天竜浜名湖鉄道の主力となるTH2100形。TH2100形は6次にわたり14両が製造されました。左の1両はTH9200形で、団体運用を想定し、転換クロスシートを装備しています。
扇形庫の手前に置いてある青い構造物は、JR九州長崎駅構内にあった転車台の運転台です。

(天竜二俣・2015年6月6日)
長崎のターンテーブルは1936(昭和11)年製で、製造時期も仕様も天竜二俣のものとほぼ同じということで、部品確保用に譲り受け、5月26日に到着したそうです。
運転台の他、集電装置、軸、手動ハンドルを譲渡してもらったとのこと。
扇形庫の中は鉄道歴史館になっていて、貴重な資料がたくさん収蔵されています。

(天竜二俣・2015年6月6日)
車庫はもうひとつあります。こちらにはTH3000形がいました。天浜線では唯一の富士重工業製の車両です。

(TH3501・天竜二俣・2015年6月6日)
TH3000形は1995(平成7)年に2両製造されましたが、現在はTH3501のみが残っています。
天竜二俣駅の駅舎も国鉄二股線開業以来の木造建築です。

(天竜二俣・2015年6月6日)
天竜浜名湖鉄道の中心駅だけに、2面3線のホーム配置となっています。

(天竜二俣・2015年6月6日)
なお、国鉄二股線遠江二股駅から飯田線佐久間駅へ向けて佐久間線が建設されていましたが、未成に終わりました。また西鹿島から遠州鉄道の気動車が乗り入れていたこともありました。
構内の片隅には二股線で使用したキハ20 443が保存されています。

(キハ20 443・天竜二俣・2015年6月6日)
そしてブルートレイン20系ナハネ20 347も保存されています。

(ナハネ20 347・天竜二俣・2015年6月6日)
どちらもボランティアによって修復されているそうです。
今回写真を撮るのを忘れてしまいましたが、駅前の公園にはC58 389が保存されています。

(C58 389・機関車公園・2008年9月24日)
こちらの状態はあまり良くないようですが、きれいに整備して運転区内で保存してもらえるといいのですけどね。