
(「ありがとう信越線」クハ183-1528・高田~春日山・2015年3月7日)
N101編成の先頭車はクハ183-1525とクハ183-1528を使用していますが、実はこの2両が最後の183系となりました。残りはすべて189系です。
クハ183形1500番代は、クハ183形1000番代をベースとして総武地下線乗り入れ用にATC5形を搭載した車両です。クハ183形1500番代には新製された1501~1506と、1000番代にATC5形搭載改造を施した1525~1532が存在しました。N101編成のクハ183-1525は改造車のトップナンバーにあたりますが、もともとは上越線の特急「とき」用として新製されたクハ183-1025です。

(「とき」クハ183-1025・小出・1982年5月)
ATC5形搭載に当たって、運転台側の座席2名分を撤去してATC機器室を設置しています。その結果、運転席側の窓がひとつ小窓化されているのが外観上の特徴です。

(「妙高号」クハ183-1525・直江津・2014年12月27日)
ATC機器室の部分はこのように客室内に張り出しています。

(クハ183-1528・長野・2014年12月27日)
クハ183-1525、クハ183-1528は1986(昭和61)年に松本運転所に転属。その際に塗色を「あずさ」色に変更するとともにATC5形を撤去しましたが、横浜線経由の特急「はまかいじ」用としてATC6形搭載改造を1996(平成8)年に実施しました。その後1998(平成10)年に長野運転所に転属し、「あさま」色に塗り替えられています。

(「あずさ」クハ183-1525・豊田~八王子・2007年5月3日)
なお、ATC6形は2010(平成22)年に撤去されました。
クハ183-1528は1527とともに飾り帯の高さが低い変形車として知られています。

(「あずさ」クハ183-1528・豊田~八王子・2007年5月3日)
1528の飾り帯は緑色部分にあるのがわかりますね。
N101編成は2012(平成24)年に国鉄色に塗り戻されました。
3月14日のダイヤ改正でN104編成が廃車となったため、183系の中間車は消滅してしまいましたが、N101編成が引退するとクハ183形も消滅してしまい、183系自体が完全消滅することになってしまいます。

(「妙高号」クハ183-1528・直江津・2014年12月27日)
引退列車は5月15日に運行。
塩尻を10時35分頃、松本を10時50分頃発車し、長野に12時45分到着予定。途中姥捨のスイッチバック体験ができるようです。
N101の引退で残るのは183系の姉妹車である189系だけとなりますが、485系ともども国鉄特急形電車はまさに風前の灯火という感じですね。