「北斗星」の定期運用廃止が正式に発表 | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

2014(平成26)年12月19日、2015(平成27)年3月14日ダイヤ改正の概要が発表されました。今回の目玉は北陸新幹線の開業関連ですが、やはり一番注目を集めているのは「北斗星」の定期運行の取りやめでしょう。

(「北斗星」オハネフ25 15・尾久~赤羽・2010年7月3日)
「北斗星」が登場したのは1988(昭和63)年3月13日のことです。この日青函トンネルが開通し、本州と北海道が鉄路で結ばれました。そして、上野~札幌間を結ぶ寝台特急として「北斗星」が設定されました。
当初はJR北海道受け持ちの1・2号、JR東日本受け持ちの5・6号と、JR東日本とJR北海道が交互に運用を受け持つ季節列車の3・4号が設定されていました。当時の運行距離1214.7kmは日本最長距離でもありました。


JR北海道受け持ち編成は
上野←電・B・B・SA1/B2・A2・B1/L・D・B・B・B・B
JR東日本受け持ち編成は
上野←電・B・B・A2・SA1/B1・L・D・B・B・B・B
B=開放式B寝台、SA1=ロイヤル、A2=ツインDX、B1=ソロ、B2=デュエット、L=ロビー、D=食堂車(グランシャリオ)
そして季節列車はオール開放式B寝台でした。
開放式B寝台とツインDXは国鉄時代の車両でしたが、そのほかはJR東日本とJR北海道で独自性を出していて、特にロイヤルに関してはJR東日本は1人専用でしたが、JR北海道はエキストラベッド付きで2人利用も可能でした。なおJR東日本車ものちにエキストラベッド付きに改造されています。
またソロもJR東日本とJR北海道で仕様が異なり、JR北海道仕様の天井は高くて、立つことができます。

牽引する機関車も魅力的でした。
上野~青森間はJR東日本のEF81形が牽引。

(「北斗星」EF81 80・東大宮~蓮田・2006年11月12日)
従来、東北本線では直流区間をEF65形、交流区間をED75形が牽引するのが基本でしたが「北斗星」はEF81形のスルー運転を実施しました。交直デッドセクションがある黒磯駅を通過するため、田端所属のEF81形は列車選別装置を搭載しました。
「北斗星」牽引機は側面に流れ星のデザインを施して「星釜」と呼ばれていました。

青森~函館間はJR北海道のED79形が担当。

(「北斗星」ED79 17・函館・1989年8月)
青函トンネル専用機としてED75形700番代を改造したED79形ですが、今や旅客列車を牽引する最後の交流電気機関車となりました。このほかED76形550番代も存在していました。

そして函館~札幌間はDD51形500番代重連が牽引していました。

(「北斗星」DD51 1147・苗穂~白石・2007年5月27日)
DD51形も青基調の専用カラーとなり、全速力で疾走しています。

「北斗星」は運行開始当初から、満席状態が続き、1989(平成元)年3月13日のダイヤ改正で「北斗星3・4号」を定期化すると共に個室とロビーカー、食堂車を連結しました。そしてものクラスの臨時列車として「エルム」が設定されました。自分も1989(平成元)年に利用しています。

(「エルム」EF81 92・白河~久田野・2005年8月13日)
「エルム」は2007(平成19)年で廃止されました。

1991(平成3)年からは「夢空間」車両を連結した「夢空間北斗星」の臨時運行が始まりました。

(オシ25 901・尾久車両センター・2006年11月11日)
「夢空間」車両は2008(平成20)年で営業運転を終了しました。

1999(平成11)年7月16日にはE26系「カシオペア」の運行が始まりました。

(スロネフE26-1・東鷲宮~栗橋・2006年9月24日)
「北斗星」より上級な豪華夜行寝台列車の登場で、「北斗星3・4号」は臨時化。

2008(平成20)年3月15日のダイヤ改正で「北斗星」は1往復に減便され、編成もJR東日本とJR北海道が分担することになりました。
そして2010(平成22)7月14日からEF510形500番代が「北斗星」の牽引を開始しました。

(「北斗星」EF510-515・東大宮~蓮田・2013年10月27日)
そして「北斗星」にも終焉の時が近づいてきました。北海道新幹線の開業に備え、2015(平成27)年3月14日のダイヤ改正で定期運行の取りやめが発表されました。
JR北海道のリリースでは8月下旬までの臨時運行は検討されているそうですが、いずれにしても2015(平成27)年夏で運行終了する可能性が濃厚です。
「北斗星」には何度も乗車する機会があったので、廃止は残念に思いますが、東京から北海道へのフラッグシップが新幹線に変わることでその役目を終了するというのは、なんとなく納得せざるを得ないのかなと思いますね。
いずれにしてもこれからしばらくは「北斗星」を追いかけることになるかもです。