http://www.fujikyu.co.jp/data/news_pdf/pdf_file2_1418633965.pdf
371系は小田急電鉄と相互乗り入れする特急「あさぎり」用としてJR東海が製造した車両です。

(「あさぎり」クモハ371-101・向ヶ丘遊園~生田・2009年7月7日)
従来新宿~御殿場間を小田急キハ5000形、キハ5100形の特別準急が片乗り入れするし、御殿場線の電化後は3000形の連絡急行「あさぎり」が運行されていましたが、1991(平成3年)に運行区間を新宿~沼津間に延長した際にJR東海が371系を製造しました。
小田急との乗り入れ協定に基づいた7両編成とし、2階席をグリーン車とした2階建て車両を2両組み込んでいます。
動力システム的には211系と213系のシステムを利用。車体は普通鋼製で、新幹線100系を連想させるカラーリングでまとめて、新宿へ向かうJR東海のフラッグシップとして位置づけました。編成記号もX1編成と100系と同じです。
小田急も20000形を2編成製造しました。

(「あさぎり」デハ20001・裾野・2012年3月3日)
その後2012年3月のダイヤ改正で「あさぎり」の運転区間を新宿~御殿場間に短縮し、同時に小田急60000形MSE車の片乗り入れとなったため、371系と20000形は余剰となりましたが、371系は波動輸送用として存続。一方小田急20000形は引退しました。
このとき富士急行から譲渡の打診がありましたが、2編成全てではなく、1編成のみの譲渡が決まり、20003×7両編成を日本車輌製造に輸送して改造後、富士急行に入線。現在は富士急行8000系二代目フジサン特急として活躍しています。

(フジサン特急」クモロ8001・三つ峠~寿・2014年7月12日)
2階建て車両は放棄され、中間車にはバリアフリー設備を追加しています。おそらく371系も同じような改造内容、カラーリングになるとおもまれます。
再び、コンビを組む小田急20000形とJR東海371系。しかしその陰には初代「フジサン特急」である2000系の廃車もあります。元国鉄165系の流れをくむ車両はこの2000系が最後ですので、これはこれで寂しい感じがしますね。