四国鉄道文化館に行ってきた(後編) | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

だいぶ間が経ってしまいましたが四国鉄道文化館訪問 の後編です。今回は2014(平成26)年7月20日に、伊予西条駅を挟んで反対側にオープンした南館の模様をお伝えします。
南館のシンボルはフリーゲージトレイン第2次試作車です。

(FGT01-201・四国鉄道文化館・2014年11月16日)
ちなみにここはオープンスペースなので、いつでもこの車両を見ることができます。
フリーゲージトレインは新幹線の1,435mm軌間と在来線の1,067mm軌間を行き来できる車両で、第1次試作車の試験結果を反映させて製造されたのが第2次試作車です。

台車は途中で改良されたものに交換されています。

(四国鉄道文化館・2014年11月16日)
軸はり式軸箱支持装置を備えていますが、結構ごついですよね。

主電動機は永久磁石同期電動機。

(四国鉄道文化館・2014年11月16日)
永久磁石同期電動機の実用化の例は少ないのですが、第3次試作車でも踏襲。
基礎ブレーキは、ばね間ブレーキを採用しています。

(四国鉄道文化館・2014年11月16日)
新製当初は3号車のみばね間ブレーキを搭載していましたが、改良台車の投入時に全車ばね間ブレーキを装備したようです。
しかし第3次試作車ではばね間ブレーキは不採用になりました。
バネ間ブレーキを備える関係か、歯車箱は車軸中央部にあります。

(四国鉄道文化館・2014年11月16日)
また車軸が二重構造になっているので、結構太くなっていますね。
フリーゲージ第3次試作車は九州新幹線長崎ルート向けに試験走行を続けています。さらに北陸新幹線用の試作車の開発も表明されました。
しかし四国へフリーゲージトレインが乗り入れる構想はありません。
新幹線の父である十河氏は四国出身で、フリーゲージトレインの耐久テストは四国で行なわれるなど、四国は新幹線に縁があるのですが、新幹線が四国へくる可能性は限りなく0のままです。
ちょっと切ないですね。

さて、気を取り直して南館に入りましょう。
南館には3両の車両が保存されています。
C57 44は保存されていた市民公園から移転してきました。

(C57 44・四国鉄道文化館・2014年11月16日)
戦前から戦後にかけて201両が製造された旅客用蒸気機関車で、全国で活躍しました。

キハ65 34は四国の急行列車のサービス向上に貢献しました。

(キハ65 34・四国鉄道文化館・2014年11月16日)
四国は意外にも勾配区間が多い路線です。そして夏は猛暑に見舞われるため、早期に急行形車両の冷房化が実施されました。しかし標準的な急行形気動車キハ58系の場合、冷房用の電源装置を搭載できるのは床下スペースの関係で1エンジン搭載車のキハ28形かキロ28形に限定されていました。しかも当時キハ58系が搭載していたDMH17H形エンジンは180psと非力だったことも問題となりました。
そこで駆動用に強力なエンジンを搭載したうえで冷房用発電セットも搭載したのがキハ65形です。
搭載されるエンジンは500ps出力のDML30HS形。

(キハ65 34・四国鉄道文化館・2014年11月16日)
排気量30ℓ、水平対向12気筒のディーゼルターボエンジンは特急形のキハ181系にも搭載されています。
さらに冷房用の発電セットを搭載しています。

(キハ65 34・四国鉄道文化館・2014年11月16日)
これによって、編成出力を落とすことなく、冷房化を達成することができました。
しかしよくよく考えてみるとキハ65形の保存車はかなり貴重かも。

そしてDE10 1も保存されています。

(DE10 1・四国鉄道文化館・2014年11月16日)
入れ換えから亜幹線の客貨両用機として幅広く活躍したDE10形のトップナンバーがここにいるわけです。
伊予西条は決して行きやすい場所ではないのですが、保存されている車両が結構レア車が多いので、今後も気になっちゃいますね。