「はくたか」最後の160km/h疾走中 | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

1997(平成3)年3月22日に北越急行ほくほく線が開業するとともに、越後湯沢で上越新幹線に接続して北陸を目指す特急「はくたか」の運転が始まりました。「はくたか」の運転開始とともに、ほくほく線内では速度向上試験を繰り返しながら段階的にスピードアップを行ない、1998(平成10)年12月8日に最高速度を150km/hに引き上げたのち、2002(平成14)年3月23日のダイヤ改正から在来線最高速度の160km/h運転を開始しました。

(「はくたか」クハ681-2002・くびき~犀潟・2014年10月26日)
北越急行は681系2000番代「スノーラビット」を6両基本編成、3両付属編成各2本の合計18両を製造しました。681系2000番代のベースとなったのはJR西日本が開発した681系0番代です。

(「はくたか」クロ681-8・くびき~犀潟・2014年10月26日)
681系開発当時、北陸新幹線の糸魚川~魚津間と石動~金沢間をスーパー特急方式で着工していました。スーパー特急方式とは新幹線の路盤上に1,067mm軌間の軌道を敷設して在来線から直通した特急を高速運転する構想で、681系は同区間を160km/hで運転することを目標として開発されました。
そのため220kWという高出力の主電動機を搭載し、またブレーキ距離を短縮するために新幹線同様のキャリパブレーキを装備しています。

681系2000番代はJR西日本681系0番代をベースとして、ほくほく線内で速度向上試験を実施。その結果単線トンネル進入時の気圧変動対策で気密性を向上させました。JR西日本も681系0番代の気密性を向上させたW編成を「はくたか」用として準備しました。

(「はくたか」クハ681-4・くびき~犀潟・2014年10月26日)
「ホワイトウイング」のロゴが貼られたW編成は、基本編成、付属編成各2本用意しましたが、2001(平成13)~2002(平成14)年に「サンダーバード」用T編成を各2本転用。2009(平成21)年にはさらに各1本を転用して、合計45両体制となりました。
最高速度160km/hから急制動した場合、681系のブレーキ能力では700mを超えてしまいます。これは在来線で規定されているブレーキ距離600mをクリアできていません。しかしほくほく線は踏切が存在しないため、特例として160km/h運転が認められました。同時に閉塞区間を2区間使うことで制動距離の問題を解消。その結果青信号をふたつ点灯させるGG信号が現示された場合に限り160km/h運転が許容されます。

(「はくたか」クロ681-5・くびき~犀潟・2014年10月26日)
ちなみにこのGG信号は成田スカイアクセス線にもあります。

なお、開業当初はJR西日本とJR東日本の485系も「はくたか」に充当されていましたが、いずれも最高速度は130km/hでした。JR西日本車は2002(平成14)年に681系0番代に置き換えられています。

JR東日本車は2005(平成17)年3月17日のダイヤ改正で撤退しましたが、その代替として北越急行が683系8000番代を9両製造しました。

(「はくたか」クロ683-8001・くびき~犀潟・2014年10月26日)
ベースとなったのはJR西日本683系0番代で、アルミダブルスキン構造の車体や動力性能は0番代同様です。683系0番代はキャリパブレーキを準備工事としていましたが、683系8000番代はキャリパブレーキを装備しているのが特徴です。またこの683系8000番代は新製当初より北陸新幹線開業後はJR西日本に売却されることが決まっていました。

「はくたか」は681系0番代W01~05編成、W11~15編成、681系2000番代N01~02、N11~12編成、そして683系8000番代N03、N13編成の、基本、付属編成各8編成、合計72両で160km/h運転を実施しています。

2015(平成27)年3月14日のダイヤ改正で「はくたか」は廃止され、ほくほく線内での160km/h運転も終了します。余剰となる681系0番代、2000番代の去就が気になるところですが、おそらくはJR西日本で転用されるのではないかと思います。
いずれにしても在来線特急至上のエポックだった681・683系「はくたか」の最後の力走を目に焼き付けておきたいところです。