
最初は利根川を使って煉瓦を東京まで輸送していましたが、1884年に日本鉄道高崎線が開通したため、1895年に専用線を敷設しました。これが日本最初の民間専用線なのだそうです。専用線は1975年に廃止されてトラック輸送に切り替え、日本煉瓦自体も2006年に消滅しました。
専用線の廃線跡のほとんどは遊歩道として整備されたので、廃線跡をたどることは容易ですが、その分廃線跡らしい雰囲気は薄れています。
そんな専用線の起点は深谷駅。関東の駅百選のひとつである深谷駅は1996年に改築され、荘厳な煉瓦造りの駅舎となりました。

深谷の煉瓦が東京駅の駅舎に使用されているのも、煉瓦造りとなった一因のようです。
専用線を転用した遊歩道は駅の脇から始まり、しばらくは高崎線と並行しています。分岐直前に小川を渡りますが、遊歩道の橋は専用線のガーダー橋をそのまま転用し、上に煉瓦造りの橋を設置しました。

ここから専用線は左へカーブしていきます。

中山道とクロスするあたりからはほぼ直線に。

傍らには中山道の常夜灯がありました。
福川を渡る橋梁は掛け替えられました。

専用線時代の橋梁は廃線跡脇にある公園で保存されています。ポーナル形プレート・ガーダー橋は国内最古のものだそうです。

続くのは5連ボックス・ガーダー橋。

これをみるだけでもここに来る価値はあるかも。
このほか終点直前の備前渠鉄橋や、隣接する煉瓦アーチも国指定重要文化財となっています。
終点の煉瓦工場は煙突に面影を残すのみ。これが現存するホフマン輪窟なのだそうです。

敷地内にはソーラーパネルが並んでいました。
敷地内には日本煉瓦資料館もありますが、毎週金曜日しか開館しないそうです。

今度は金曜日に訪れてみよう。