
(「マリンライナー」クモハ213-1・児島・1988年8月)
211系の軽量ステンレス車体をベースとして、117系100番代の様な2扉転換クロスシート構造となっています。制御方式も211系と同じ界磁添加励磁制御ですが、211系の横須賀線投入を想定して開発していた1M方式のCS59形主制御器とMT64形主電動機を装備。クモハ213+サハ213+クハ212の3両編成8本が投入されました。
213系はまず宇野線の快速「備讃ライナー」に投入。そして1988年3月の瀬戸大橋線開業に併せて、JR西日本はパノラマグリーン車クロ212形を製造し、9両編成で快速「マリンライナー」として活躍を開始しました。

(「マリンライナー」クロ212-2・児島・1988年8月)
クロ212形は普通鋼製車体のハイデッキ構造で異彩を放っていました。そしてリクライニングシートは前後方向以外に横方向にも固定することができました。
213系一般車も増備されて編成が組み替えられました。その際にクハ212を封じ込めた編成も登場。

(「マリンライナー」クモハ213-10・児島~坂出・1988年8月)
封じ込められたのはクハ212-7で、以後営業運転で顔を出していないようです。
また213系パノラマグリーン車を含めたジョイフルトレイン「スーパーサルーンゆめじ」も登場。

(クハ212-1001・岡山電車区・2007年8月19日)
クモロ211-1+モロ210-1+クロ212-1001で組成され、一時は「マリンライナー」に増結されたこともありましたが、2010年に廃車されています。
瀬戸大橋開業時は大盛況だった「マリンライナー」でしたが、年々乗客が減少。やがて編成も6両編成に短縮されてしまいました。

(「マリンライナー」クモハ213-4・岡山・2003年9月20日)
ヘッドマークもなくなって寂しい感じがしたものです。213系は瀬戸内海の塩害の影響も大きく受けていて機器の故障も増えていたらしいです。
クロ212形のうち3と5は桃太郎のラッピングが施されていました。

(「マリンライナー」クロ212-3・岡山・2003年9月20日)
この直後JR西日本223系5000番代とJR四国5000系に置き換えられて213系は「マリンライナー」運用から撤退しました。クロ212形0番代は全車廃車となりましたが、1はサハ213-1とともに試験電車「U@tech」のクヤ212-1として復活しています。

(「マリンライナー」クロ212-1・児島・1988年8月)
「マリンライナー」から撤退した213系は編成を組み替え。ワンマン仕様の2両編成が8本登場しています。

(クハ212-1・岡山電車区・2007年8月19日)
2両編成のうち5本はサハ213形に運転台を取り付け改造したクハ212形100番代。

(クハ212-102・岡山電車区2007年8月19日)
普通鋼製の切り妻形運転台ユニットを結合し、バリアフリー対応トイレを設置。特異な外観となりました。
3両編成は4本残りました。

(クモハ213-4・瀬戸~上道・2007年8月19日)
こちらは非ワンマン仕様。
ただしクハ212-7を挟んだC12編成はワンマン対応です。

(クハ212-8・瀬戸~上道・2007年8月19日)
ワンマン運転する場合はクハ212-7を抜きます。相変わらずクハ212-7は先頭に立たないようです。
213系は岡山地区でしばらく活躍する姿を見ることができそうです。
1989年にはJR東海も213系5000番代を投入。関西本線で使用されました。2扉でトイレがないことが災いして、活躍の場を失いつつありましたが、トイレの設置改造を受け、2011年後半より飯田線に投入されています。

(クハ212-5008・田切~伊那福岡・2012年3月11日)
こちらも当分活躍が続きそうですね。