【国鉄形電車の思い出】Part114 幻だった413系が現実のものに! | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

1986年3月から北陸地区向けの交直両用近郊形電車として登場したのが413系です。
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(クモハ413-1・津幡~倶利伽羅・2011年2月8日)
交直両用近郊形電車としては415系、417系、419系の次に登場した413系。国鉄では珍しく系列命名順の逆転現象が発生していますが、そのお話しは後半にて。

車体は地方線区向け近郊形電車417系のステップ付き両開き2扉セミクロスシートという設計思想を踏襲して新造。寒地仕様のため半自動扉機構や雪切り室も設置されていますが、雪切り室は417系の様な送風機を内蔵するタイプではなく、115系1000番代と同様な簡易構造となっています。
主制御器、主抵抗器、主電動機や台車、そしてAU13分散式クーラーとAU72集中式クーラーなどは急行形電車471系、473系から流用し、製造コスト低減を図っています。

クモハ413+モハ412ユニットの0番代は471系を改造したもの。当初は13両全車を改造する予定でしたが、10両を改造した時点で中止されました。
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(クモハ413-2・富山・2005年3月29日)
改造時に主電動機をMT54に換装する計画となっていましたが、一部編成はMT46のまま出場。後にMT54に換装されました。

100番代はMT54を搭載する473系を改造したものです。473系はわずか1ユニットの存在だったため、この改造で形式消滅となっています。
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(クモハ413-101・富山・2011年3月29日)
413系同士の併結にはKE96形ジャンパ連結器1本を使用しますが、KE76形ジャンパ連結器2本を使用すれば415系800番代や471、475、457系と併結することが可能。
また改造時に主変圧器をTM20形に交換したため50/60Hz両対応となりました。

このほかに475系の一部も改造対象となったそうですが、こちらは登場せず。もし登場していたらクモハ413形200番代となったのでしょうか?

制御車はクハ412形には417系のクハ416形と同じ電動発電機(MG)を搭載しています。
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(クハ412・倶利伽羅~石動・2005年7月29日)
1、2、5~7、9、10の8両はクハ451形が種車ですが、3、8の種車はサハ451-101と2となっています。
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(クハ412-8・津幡~倶利伽羅・2011年2月8日)
また5と11は欠番となっていて、サハ455-1、6を先頭車化改造したクハ455-701、702が組み込まれています。
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(クハ455-702・富山・2011年3月29日)
形式的には455系ですが、電動車ユニットと連結するジャンパ連結は413系用のKE96を使用。また運転台の機器配置も413系という珍車です。

ところで、413系という系列名ですが、最初は403系を改番した際に与えられる予定でした。
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(モハ403-9・高萩・2005年9月4日)
本来ならこの車両がモハ413-9となるはずだったわけですね。
同時に401系も411系に改番し、415系、421系、423系の制御車の形式もクハ411形に統一。クハ401形をクハ411形0番代、クハ421形をクハ411形100番代(101~206)とする計画となっていて、その結果415系の制御車はクハ411形300番代として落成しています。
結局411系、413系への改番は立ち消えとなりましたが、415系に続く交直両用近郊形は417系、419系として登場。また415系のアコモデーション改善車は100番代とされたため、クハ411形100番代、200番代も登場しましたが、413系は空番のままでした。

この車両が413系と命名された理由は知りません。しかしこの時期の交直両用近郊形は50Hz用=400番代、50/60Hz用=410番代、60Hz用=420番代と分かれていたため425系とはならず、410番代で空いていた413系とされたかと思います。いずれにしても幻の系列となるはずだった413系は現実のものとなったわけです。
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(クモハ413-6・津幡~倶利伽羅・2011年2月8日)
結局、新413系は当初の計画から下方修正されたものの、11編成が登場。
現在は一部が地域塗色の青一色となり、運用範囲も富山エリアが基本となりましたが、2年後の北陸新幹線開業まで最後の活躍をしてくれることでしょう。