800系は全部で9編成配置されていますが、0番代と新800系と呼ばれる1000番代、2000番代に分ける事ができます。
0番代は2004年の新八代~鹿児島中央間開業に合わせて製造された5編成と、検査予備用として2005年に製造した1編成の合計6編成が配置されています。

(「つばめ」821-4・博多~新鳥栖・2013年4月27日)
新800系は2009~2010年に登場。U007、U009編成は1000番代でU008編成は2000番代となっています。外観上では赤いラインのデザインが直線状ではないのが0番代との最大の相違点です。

(「さくら」821-1009・博多~新鳥栖・2013年4月27日)
800系と新800系の外観上の違いとしてもうひとつ大きなものが前照灯の形状の違い。0番代は先頭部形状に合わせたデザインです。

これに対して新800系は前照灯部分が先頭部から飛び出す様な形状になっています。

800系と言えば木材を使った、和のテイスト溢れる車内が特徴的ですね。

2+2列のシートはリクライニング角7度。
新800系はこのコンセプトをキープしながら、シート座面を35mm深くし、リクライニング角度を1度拡大して8度として乗り心地を向上させました。またシートモケットの柄や仕切り壁のデザインは号車ごとに違うのも特徴的ですね。
1号車

シート生地は赤の唐松模様の西陣織、仕切り壁はクスと博多織。
2号車

シート生地はワインレッドの革張り、仕切り壁は前後で異なり、金箔と柄入り金箔/ハードメープルです。
3号車

シート生地はカーマインのツイード、仕切り壁は金箔とハードメープル。
4号車

シート生地はアイビーのコブラン織、仕切り壁は金箔と柄入り金箔とハードメープル。
5号車

シート生地はオレンジ系のツイード、仕切り壁は前後で異なりハードメープル/金箔と柄入り金箔。
6号車

シート生地は赤のアイビー柄の西陣織、仕切り壁はクスと博多織。
こういった遊び心があるのも水戸岡鋭治さんのデザインテイストによるものなのでしょう。
新800系は1000番代と2000番代の2区分番代がありますが、その違いは検測機能の違い。
JR九州はドクターイエローのような総合電気試験車を持っていませんが、その代わり1000番代に軌道検測機能を装備。1000番代の台車枠には慣性正矢軌道検測センサーユニットを搭載しています。これは鉄道総合技術研究所が開発したものです。

ユニットはレーザーセンサーとサーボモーターなどで構成され、三角法で線路の上下左右の変位を測定。車内に搭載した演算装置で演算します。
2000番代には架線、電力、信号の検測機器の搭載ができるようになっています。
架線検測装置は明電舎の「カテナリーアイ」を使用。屋根上にパンタグラフ撮影用カメラとサーチライト、車内に検測機器を搭載します。

新800系登場以前は、0番代U001編成に架線検測設備と軌道検測設備を搭載していて、その頃はU001Kと標記されていました。
また新800系では5号車に多目的室が設置されましたが、800系にも順次設置されています。その他の700系7000番代をベースとしたアルミダブルスキン構造の車体やシステム、JR東日本E2系1000番代用低騒音シングルアームパンタグラフなど基本構造は同じで、共通で運用されています。
この800系と新800系、九州新幹線内のみでの運用となっています。システム的には山陽新幹線に乗り入れ可能なので、そのうち実現してくれると面白いと思うのですけどね。