
(「北近畿」クロハ183-803・塚本・2009年3月16日)
ご覧のように485系そっくりの外観ですが、実は485系を直流化改造したのがJR西日本183系なのです。
1986年11月1日のダイヤ改正で福知山線宝塚~福知山間と山陰本線福知山~城崎間が電化されました。そして同区間にL特急「北近畿」を運転することになり、「くろしお」に使用されていた485系が転用されました。
JR西日本発足後の1991年に七尾線が直流電化され、金沢から直通するための交直両用近郊形電車が必要となりました。一方「北近畿」用485系は交流区間を運転しないため、485系の交流機器を113系に移植して415系800番代を用意することとし、交流機器を撤去された485系を183系に編入したものです。
そのため、183系でありながら屋上前照灯を備え、乗降扉は1箇所のみでステップ付き。制御システム的には485系との混結は可能ですが、オリジナルの183系とは混結できません。
関東人としてはこの異質な183系にはあまり馴染めなかったのですが、それでも撮影や乗車する機会が何回かありました。
JR西日本183系は種車によって区分番代が細かく分かれていました。
モハ183形はモハ485形を種車としていましたが、AU13クーラー搭載車は800番代に区分されていました。

(モハ183-814・城崎温泉・2009年5月21日)
このモハ183形800番代とペアを組むAU71集中クーラー搭載のモハ484形200番代はモハ182形700番代に、モハ484形600番代はモハ182形800番代に区分されていました。

(モハ182-714・城崎温泉・2009年5月21日)
このほかAU12クーラー搭載のモハ183、182形850番代もありました。
また485系1000番代を種車とした1800番代も存在。

(モハ183-1804・城崎温泉・2009年5月21日)
2003年以降、交流機器を使用停止としただけの改造車も登場。モハ484形200、600、1000番代がモハ182形200、300、1300番代に改造されています。

(モハ182-201・綾部・2009年5月21日)
先頭車も多彩。クハ183形も種車によって区分番代が細かく分かれていました。クハ481形200番代を種車としたクハ183形200番代。

(クハ183-202・山崎・2009年3月16日)
元「しらさぎ」編成で電気連結器を備えていましたが、183系化されてからも活かされていました
。
クハ489形600番代を種車としたクハ183形600番代も1両存在。そして多数派を占めたのがクハ481形300番代を種車としたクハ183形700番代です。

(クハ183-710・高槻~山崎・2005年9月17日)
クハ481形750番代を種車としたクハ183形750番代。

(クハ183-752・高槻~山崎・2009年3月16日)
キノコ形のAU12クーラーを積んでいるのが特徴的ですね。
クハ481形800番代を種車とするクハ183形800番代。

(「まいづる」クハ183-801・京都・2010年10月18日)
そしてクハ481形850番代と種車としたクハ183形850番代。

(クハ183-851・高槻~山崎2005年9月17日)
両車とも簡易型貫通構造となっています。
「しらさぎ」の付属編成に使用されていたクモハ485形200番代も6両が改造され、分割併合に活躍しました。

(クモハ485-201・綾部・2009年5月21日)
「スーパー雷鳥」「しらさぎ」と渡り歩いたクモハ485形200番代最後の姿でした。
グリーン車はオリジナルのようなサロではなくクロ183形またはクロハ183形で構成。クロハ183形は、クハ481形300番代が種車の700番代が1両存在しました。

(「北近畿」クロハ183-701・城崎温泉・1998年)
その他はクハ481形200番代を種車としたクロハ183形800番代で6両在籍。

(「北近畿」クロハ183-802・大阪・2010年11月6日)
貫通形のイメージはクロハ183形の方が強かった感じです。
クロ183形は全車非貫通形。クハ481形300番代と、クロ481形2300番代を種車としたクロ183形2700番代が主力でした。

(「はしだて」クロ183-2704・綾部・2009年5月21日)
1両のみの存在だったクハ183形2750番代はクハ489形700番代を改造しました。

(「たんば」クロ183-2751・綾部・2009年5月21日)
1996年3月16日のダイヤ改正で山陰本線園部~福知山間、北近畿タンゴ鉄道福知山~天橋立間が電化され、北近畿ビッグXネットワークとして特急網が形成されましたが2011年3月12日のダイヤ改正で特急網再整備とともに287系の投入で183系の運用は縮小されています。
主力となる「北近畿」。

(「北近畿」クハ183-204・城崎温泉・2009年5月21日)
「北近畿」は「こうのとり」に列車名を変更しました。

(「こうのとり」クロハ183-802・塚本・2011年3月13日)
この改正から287系と381系が投入されました。381系は暫定投入で6月には287系に置き換えられましたが、2013年3月16日のダイヤ改正から381系アコモ車が投入されて183系は撤退することになりました。
「文殊」は廃止されました。

(「文殊」クロハ183-806・新大阪・2011年2月15日)
また「タンゴディスカバリー」も廃止されています。
京都口では「きのさき」が「たんば」を統合。一部は287系化されました。

(「きのさき」クロハ183-806・綾部・2009年5月21日)

(「たんば」クハ183-201・綾部・2009年5月21日)
また「タンゴエクスプローラ」も廃止となっています。
「まいづる」が287系に置き換えられました。
。

(「まいづる」クハ183-201・綾部・2009年5月21日)
これによってクモハ485形200番代を始祖とするクモハ183形200番代は消滅しました。
そして「はしだて」の一部が287系に置き換え。

(「はしだて」クハ183-202・綾部・2009年5月21日)
183系で残存した「はしだて」も3月16日のダイヤ改正で381系に置き換えられることになっていて、これでJR西日本の183系は引退することになります。
183系というよりはやっぱり485系という感じでしたが、国鉄形には変わりないですよね。そんな183系JR西日本車も終焉を迎えるとなると寂しく感じるものですね。