海の新幹線と宇高航路と讃岐うどん | はやこま すていしょん!

はやこま すていしょん!

更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

アルバムを見ていたら国鉄宇高連絡船ホーバークラフトの写真が出てきました。
$はやこま すていしょん!
(高松・1981年8月)
ホーバークラフトは宇高航路の急行「とびうお」号として1972年11月8日から運行を開始しました。つまり山陽新幹線岡山開業と同じ年に運行を開始。「かもめ」「はくちょう」「とびうお」の3隻が就航。連絡船が1時間かけて運航していた宇野~高松をわずか23分で結んでいました。
キャッチフレーズは「海の新幹線」。そのキャッチフレーズ通り、白に青いラインを纏っていました。
このホーバークラフトですが、当時の時刻表を見る限りだと、宇野線快速と四国の優等列車どちらの接続もいいとは言えなかった記憶があります。しかし連絡船に乗り遅れた際のリカバリー手段として重宝されていたそうです。
でも急行料金が1,100円もかかるため、貧乏学生にはハードルが高く、また列車との接続は連絡船の方がスムーズだったことため、乗船する機会はほとんどありませんでした。でもかっこいいと思っていたので1981年8月に一度だけ乗船しました。

このホーバークラフトですが、下部の風船状の部分に空気を送り込んで船体を浮かせる構造になっています。そのため実は地上を走行することも可能で、当初は地上での乗降を計画したそうですが、実際には浮き桟橋から乗降していました。
そして前進するためのプロペラを2基装備。また方向転換のための舵とサイドスラスターを装備していたそうです。

乗船すると飛行機のように進行方向へ向けてシートが並んでいました。そして着席するとシートベルトを着けて出発です。
正直眺望はあまり良くありませんでしたが、操縦席が丸見えなのでちょっと興奮。
一見穏やかな瀬戸内海ですが、潮流が速いため実はかなりの難所だったりするのです。そのため操縦席のレーダーみたいなものを見ながら一番穏やかなルートを選んで走行していたようです。それでも避けられない大きな潮の流れを横断する時は事前にアナウンスされ、そして潮流を文字通り乗り越えて船体がジャンプしたのを覚えています。これにはびっくりしました。
そんなホーバークラフトも1988年の瀬戸大橋開業で廃止。日本に唯一残っていた大分ホーバーフェリーも2009年に運行終了しているので、日本でホバークラフトに乗ることはできなくなってしまいました。

そんなわけで一度しか乗船しなかった宇高ホーバークラフトでしたが、母親の実家が愛媛県にあった関係で、宇高連絡船には何度も乗船しました。
ブルートレイン「瀬戸」や新幹線0系「ひかり」~宇野線快速などを利用して宇野から宇高連絡船に乗り継ぎ、高松からはキハ181系特急「しおかぜ」やキハ58系急行「いよ」「うわじま」に乗り継ぐというのが基本でした。
家族や親戚と一緒に移動した際は客室の場所取り組みと後部デッキへのダッシュ組に分かれていたのを覚えています。
実は後部デッキには讃岐うどんのスタンドがあるのですが、あっという間に行列ができてしまうのでした。
今調べてみると、実は茹で上げ済みの麺を使用していたらしく、コシがやや失われていたらしいですが、四国に渡るという雰囲気が満点だったので、美味しいと感じていました。
讃岐うどんを食べながら、機回しするEF65PFを見たのもいい思い出ですね。
$はやこま すていしょん!
(EF65 1115・宇野・1984年8月)
ちなみにホーバークラフトも讃岐うどん食べながら撮影しました。
ホーバークラフトに一度しか乗らなかった本当の理由は料金でも接続でもなく、この讃岐うどんが食べられるかどうかだったのだと思います(笑)。
で、この讃岐うどんが始まったのは1969年からだったとのこと。1968年生まれの自分は物心ついた頃から慣れ親しんでいましたが、年配の方には新しいサービスだったということですね。

後部デッキでの讃岐うどんも宇高連絡船廃止と共に過去帳入り。宇高連絡船に代わって瀬戸大橋線で運行を始めた快速「マリンライナー」に讃岐うどんスタンドを設置して欲しかったな~って思ったのは事実(笑)。
$はやこま すていしょん!
(「マリンライナー」クロ212-2・児島・1988年8月)
$はやこま すていしょん!
(「マリンライナー」5106・坂出・2012年6月11日)
そばスタンドならサハシ165で営業した実績もありましたしね

そんな宇高連絡船の讃岐うどん。
JR四国高松駅構内には連絡船うどんというお店があるのですが、製麺所は宇高連絡船の時とは異なり、JR四国グループの製麺所「めりけんや」製なのだそうです。
$はやこま すていしょん!
で、調べてみたところ、宇高連絡船に麺を卸していたのは「中浦製麺所」というところのようです。
この「中浦製麺所」は後払いセルフのうどん屋で入り口が2箇所あるなどかなり独特な営業形態をとっているようです。高松駅に程近いようなので、今度四国に行ったら立ち寄ってみようと思います。