日高本線で使用されていたキハ130を見ようと訪れた室蘭本線の苫小牧。ちょっと時間が空いたので、苫小牧~糸井を小運転する711系に乗ってみようと思ったのですが、なんと窓ガラス破損で急遽キハ40の代走となりました。
結局この日は乗れなかった711系。破損車は苫小牧駅構内に留置されていたので見に行くと、3扉化改造車のS-117編成でした。

(クハ711-217・苫小牧・2004年5月10日)
1987年9月、増加する通勤客対策としてクハ711-1、-2の車体中央にデッキ付き片開き扉を増設。同年12月から100番代5編成(S-106、111、115~117編成)のクハ711を3扉化しました。
3扉化されたクハ711は台枠を補強。また3扉を示すために扉部分の帯上下に細い帯を追加しています。
またモハ711は重量の問題で台枠補強が難しく、2扉のままとなっています。

(モハ711-117・苫小牧・2004年5月10日)
この頃の711系の活躍の場所は、室蘭~苫小牧間と岩見沢~旭川間が中心になっていました。既に千歳線は札幌運転所からの出入区を兼ねた1往復が存在するのみ。
711系は731系が登場した後、1999年に900番代が廃車されました。このうちクモハ711-901+クハ711-901は苗穂工場で保管されています。

(クモハ711-901・苗穂工場・2004年9月25日)
引退前に原色に塗り戻されました。独特な2段窓がやはり印象に残りますね。
この次に711系を見たのは2007年5月のこと。すっかり721系と731系が主力となった函館本線札幌~岩見沢間ですが、ラッシュ時を避けた時間帯にわずかながらも711系列車が運転されていました。

(クハ711-117・白石~厚別・2007年5月28日)
苫小牧で出会ったS-117編成3扉車が元気に走ってきましたが、パンタグラフはシングルアームに交換されていました。
5月29日は旭川へ遠征。岩見沢~旭川間は711系の独壇場です。

(クハ711-115・納内~伊納・2007年5月29日)
やってきたのはまたしても3扉のS-115編成。しかし旭川駅で冷房改造車のS-113系に出会いました。

(クハ711-113・旭川・2007年5月29日)
711系で3扉化されなかった編成のうち、S-101~105、107~109、113編成の9本が2001年に冷房改造されました。夏期は旭川エリアを重点的に運用しているようです。
2007年7月に再び渡道。その時711系2扉非冷房車と再会しました。

(クハ711-214・札幌・2007年7月15日)
S-110、114編成だけが3扉化、冷房化改造されずにそのままの姿で走っていました。
2009年8月に渡道した際、5年ぶりにS-901編成をチェック。

(クモハ711-901・苗穂工場・2009年8月9日)
ちょっと痛々しくなってきました。
2010年も何度か渡道しました。5月には非冷房のS-110編成と遭遇。

(クハ711-110・札幌・2010年5月4日)
S-110編成は2011年6月に国鉄色に塗り戻されたようです。
6月には石狩川鉄橋で711系S-114編成を撮影しました。

(クハ711-114・江別~豊幌・2010年6月1日)
S-114編成も2012年5月に国鉄色に塗り戻されました。これで711系非冷房2扉車は2本とも国鉄色になったことになります。
一方苗穂のS-901編成はさらに痛々しくなっていました。

(クモハ711-901・苗穂工場・2010年6月2日)
早いところ保存してもらいたいものですね。
夕方は函館本線で頑張るS-109編成他の6両編成を撮影。

(クハ711-109・苗穂~白石・2010年6月2日)
711系6両編成はかつての急行「かむい」を連想させてくれますね。
そんな711系ですが、室蘭~苫小牧間の運用は2012年にワンマン仕様のキハ143形に置き換えられて、室蘭本線、千歳線からは撤退。その代わり札沼線の運用が生まれましたが、朝の1.5往復のみ。しかも2014年には711系が引退すると報道されました。
北海道電化のパイオニア711系の活躍もあと1年あまり。
今年の夏は撮影に行きたいところです。