【国鉄形電車の思い出】Part63 583系最後の牙城は秋田となりました | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

2002年12月の東北新幹線八戸開業後、青森運転所から撤退した583系のうち6両は仙台運転所に貸し出され、2003年2月24日付けで正式に転属。仙台N1、N2編成となりました。転属に際して郡山工場で大規模なリニューアル工事を実施。外板はすっかりきれいになり、すきま風対策で塞がれた貫通扉にはご丁寧に溝まで作って黄金時代を再現しています。
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(「光のページェント号」クハネ583-8・福島・2005年12月30日)
ここまできれいに復元したのは、青森の583系がATS-Pを搭載していて首都圏への乗り入れが可能だったこと。
そして座席にも寝台にも使用できる万能性をアピールして様々な需要に対応しようと考えたからです。
また、この「光のページェント号」のように臨時列車にもよく使用されていました。ちなみにこの時久しぶりに583系に乗車して仙台まで行き、東北本線の峠区間の力走を堪能しました。

583系の活躍はそれだけではなく、磐越西線の快速「あいづライナー」にも時折使用されました。
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(「あいづライナー」クハネ583-17・広田~会津若松・2007年8月26日)
この頃には床下機器がグレーに塗装されています。ちょっと国鉄のオリジナル感が損なわれてしまいましたが、個人的には嫌いではありませんでした。

これは「あいづライナー」用の485系が1編成しかないためで、485系を検査している時や、他の運用に充当しているとかは、代走として583系を使用したわけです。そのためにヘッドマークもちゃんと用意されていました。
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(「あいづライナー」クハネ583-8・磐梯町~東長原・2007年8月26日)
磐越西線は短い路線ながら撮影しがいのある路線。意外にも583系が馴染んでいるように見えました。

リバイバル列車にも度々使用されていました。583系「ひばり」は5年ぶりの走行。
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(「ひばり」クハネ583-8・越河~白石・2007年12月15日)
編成は6両とすっかり短くなってしまいましたが、やはり東北本線を走る姿が一番似合います。このときは上野方をイラスト入りマークとしていました。

下り列車は文字マークが先頭。
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(「ひばり」クハネ583-17・豊原~白坂・2007年12月16日)
ここは有名な撮影ポイントで、上下線の間にあるコンクリートスペースから撮影できたのですが、現在は立ち入り禁止になっています。

一方JR西日本京都総合車両所の583系は10両編成6本が「きたぐに」や波動用で活躍していましたが、2007年にB01編成、2010年にB02、B03編成が廃車されて半減。残ったB04~06編成も車両の組み替えを行なった結果2両のみ存在したクハネ583が消滅。JR西日本の先頭車はクハネ581のみとなしました。
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(「きたぐに」クハネ581-37・長岡・2008年3月30日)
そして2012年3月のダイヤ改正で「きたぐに」は臨時列車に格下げ。583系もサロネ581を含む3両が減車されて7両編成に短縮されてしまい、運転区間も湖西線経由に変更するなどの大きな変化を迎えました。

そんな京都の583系と裏腹に、定期運用を持たないものの多彩な活躍を見せたのはやはり仙台の583系。
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(「ふくしま花見山号」クハネ583-8・槻木~岩沼・2008年4月5日)
毎年春には「ふくしま花見山号」を福島~仙台間に運転していました。
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(「ふくしま花見山号」クハネ583-17・福島~東福島・2008年4月6日)
引き続き「あいづライナー」の代走にも使用されていましたが、2009年にはリバイバル列車「はつかり」として上野~青森間を運転しています。
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(「はつかり」クハネ583-17・尾久~赤羽・2009年3月20日)
しかしヘッドマークがステッカーだったのが残念でしたが、盛岡~八戸間が第3セクター化されて以来のリバイバル運転となったのは注目に値します。

南秋田運転所(現・秋田総合車両センター)に転属した583系は、青森時代のままの9両編成で使用されていましたが、車体の痛みが激しくなったため、2006~2007年にかけて6両編成化と共にリニューアル工事を実施しました。
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(「ワクワクドリーム号」クハネ583-5・東川口~南越谷)
きれいになった秋田車ですが、貫通扉も埋められたままの姿でした。

2009年12月にはリバイバル列車「なつかしのはつかり」が八戸~青森間で運転されましたが、こちらには秋田車が使用されています。
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(「なつかしのはつかり」(回送)クハネ583-20・野辺地・2009年12月5日)
こちらもヘッドマークはステッカーでした。今の583系は昔の特急のマークが用意されていないのかもしれませんね。

秋田の583系と言えば年に1度、正月にだけ運転されていた「かもしか」代走が有名でした。これは正月の「かもしか」を6両編成に増結する際、1運用は485系3両編成を2本併結して6両編成化し、もう1運用に583系を代走させるというものです。
2009年に撮影しに行った時は485系新潟車が代走の代走に入って空振り。リベンジを期した2010年正月でしたが、この時が豪雪に見舞われました。
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(「かもしか」クハネ583-5・秋田~土崎・2010年1月1日)
かろうじてヘッドマークが確認できたのは幸い。しかし、この年の12月の東北新幹線新青森開業で「かもしか」は「つがる」に統合されてしまったため、この姿を見ることはもうできません。

そればかりかこの583系秋田車の姿も今は見ることができません。
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(クハネ583-20・青森・2010年3月19日)
秋田車は老朽化が著しく、2011年9月に廃車解体されてしまいました。

その秋田車が廃車となる1ヵ月前の2011年8月に583系仙台車が秋田に転属しています。これは「日光」「きぬがわ」に使用していた485系小山車が253系1000番代に置き換えられて仙台に転属したことによって「あいづライナー」用485系が2編成となり、583系による代走の必要性がなくなったこと。そして秋田では583系の需要があったためです。
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(「あいづライナー」クハネ583-17・喜久田~安子ヶ島・2011年8月6日)
583系「あいづライナー」もこの時が最後だったので、乗って撮って楽しませてもらいました。

「きたぐに」の臨時化で見る機会が激減したJR西日本の583系ですが、2012年の吹田総合車両所一般公開では元気そうな姿を見せていました。
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(クハネ581-33・吹田総合車両所・2012年10月27日)
しかし噂では臨時「きたぐに」の設定はこの年末年始が最後なのだとか? 真相は不明ですがJR西日本583系の今後の動向が気になります。
なおJR西日本が発表した鉄道博物館にはクハネ581が入りそうですので、こちらには期待したいところです。

結局最後まで残るのは2代目秋田車N1、N2編成ということになりそうですね。
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(「津軽」クハネ583-17・新青森・2012年11月24日)
2代目秋田車は「ワクワクドリーム号」の他、リバイバル列車「津軽」や臨時「あけぼの81、82号」に使用されています。今しばらくは東京にも元気な姿を見せてくれそうですね。
583系の寿命を縮めた昼夜兼用構造が、結果的に延命の要因となっているのは皮肉とも言えます。