【国鉄形電車の思い出】Part56 20年ぶりに再会した455系グループはすっかりローカル車に凋 | はやこま すていしょん!

はやこま すていしょん!

更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

東北本線系統の急行列車として大活躍していた455、457系は、1985年を最後に上野口からは姿を消してしまいました。そして455系と再会したのは2002年のことでした。急行列車から撤退した仙台運転所所属の455系は3両編成化されて仙台地区のローカル運用に就きました。そしてカラーリングもクリーム10号に緑14号のラインを配した「グリーンライナー色」に塗り替えられました。
$はやこま すていしょん!
(クモハ455-49・仙台・2002年11月3日)
クモハ455-49は新製当時からAU13E分散クーラーを5個搭載して登場。このグループは43~51が該当します。
455系は急行運用がなくなったため、車端部をロングシート化して実質的に近郊形に格下げされました。またクハ455以外のトイレは閉鎖されています。また直流区間に入らなくなったため交直切換スイッチを使用停止として事実上交流電車扱いとなりました。
$はやこま すていしょん!
(クモハ455-31・仙台・2002年11月3日)
またJR東日本の先頭車は踏切事故対策で前面を強化しアンチクライマーを装備。前照灯もシールドビーム化されました。個人的にはシールドビームは好きではないのですけど。

ローカル運用で3両編成化されにあたって、不足するクハ455は他形式からの改造で増やされています。クハ455形300番代はクハ165形、クハ169形900番代を改造したもので、24両が登場しています。
$はやこま すていしょん!
(クハ455-315・仙台・2002年11月3日)
クハ455-315はクハ165-180を改造。外観では検電アンテナが設置され、乗降ドアにステップが設けられました。

仙台車には車体更新された編成も存在しました。更新車はシートも一新され、閉鎖されていた電動車の便洗面所も立ち席スペースに整備されています。
しかし残念なのはライト類も一新されてしまったこと。
$はやこま すていしょん!
(クハ455-324・仙台・2002年11月3日)
前照灯と尾灯が一体化されたこの姿は好きになれませんでした。しかしこの車両は貴重だったりするのですよね。というのもクハ455-321~324は元クハ169形900番代の改造車だったからです。
169系900番代は冷房準備車として登場し、AU12形分散式クーラーを6基搭載していました。

この時まで、自分が見たことがあった455系グループは50Hz仕様の455系のみでしたが、2003年に初めて50/60Hz両対応の457系を見ることができました。
$はやこま すていしょん!
(クモハ457-16・金沢・2003年5月10日)
金沢総合車両所に配置されていた北陸線用の457、475系も3両編成を基本としてローカル運用に就いていました。塗色は1985年に登場した419系に合わせて赤2号にクリーム10号の「北陸色」になりましたが、1988年にはオイスターホワイトにコバルトブルーのラインを配した「新北陸地域色」に塗り替えられました。
なお北陸の457、475系は急行時代からつららによる破損対策で種別表示幕を鉄板で塞いでいます。また抑速ブレーキを使用停止して、抑速ブレーキ回路付のジャンパ連結器を1本外していました。生き残った先頭車は大目玉(白熱灯)車が多いのも特徴です。

457系と出会った1年後の2004年。初めて455系の中間付随車、サハ455を見ました。
$はやこま すていしょん!
(サハ455-2・金沢・2004年8月8日)
金沢の455系にはサハ組み込みの6両編成が存在。サハは非常に貴重な存在でした。この時も電動車は457系で、なぜか475系を見ていなかったようです。

2004年に再び東北旅行をし、この時常磐線原ノ町から仙台まで455系に乗車しました。
$はやこま すていしょん!
(クモハ455-24・原ノ町・2004年12月25日)
455系に乗車したのは1979年の「まつしま」以来でしたが、すっかり様変わりしてしまいました。
原ノ町までは「スーパーひたち」に乗車していったのですが、現在広野~原ノ町と浜吉田~亘理は東日本大震災の影響で乗ることができません。

2005年に磐越西線で運転されたED75牽引の迂回ワムを撮影しに行った際に455系磐越色の更新車を撮影しました。磐越色は1996年に登場し、赤い車体に磐梯山をイメージして山なりに白く配色。「BAN-ETSU LINE 455」のロゴが配されていました。
$はやこま すていしょん!
(クハ455-502・喜久田~安子ヶ島・2005年3月20日)
クハ455形500番代は1983年にサハ165形に運転台を取り付けた上で交直両用化されました。新設された運転台はクハ411形500番代に準じて作られたユニットを結合したため、外観や機器配置が455系と若干異なるようです。

なお磐越西線にもグリーンライナー色は入線していましたので、このような混色編成も見られました。
$はやこま すていしょん!
(クモハ455-6・中山宿~上戸・2005年3月20日)
顔は残念でしたが、6両編成だと堂々として見えますね。

2005年、初めて60Hz仕様の475系に出会いました。金沢の457、475系は富山港線でも使用されていましたが、日中は富山駅ホームを昼寝をしている475系を見ることができました。
$はやこま すていしょん!
(クモハ475-42・富山・2005年3月29日)
富山港線は富岩鉄道を買収した枝線で直流1,500V電化となっていました。かつては買収国電や72系が運転されていましたが、1985年から457、475系が入線しています。

この時富山港線を日中走っていたのは475系冷房準備車。475系ではクモハ475+モハ474-49~51が該当。455系グループとしてはクモハ455+モハ454-37~42、クハ455-62~64と全体的に少数派です。
$はやこま すていしょん!
(クモハ475-49・富山・2005年3月29日)
AU12S分散クーラーを先頭車に6基、中間車に4基搭載する準備工事がなされましたが、中間車はAU72集中クーラー搭載に大改造されています。

8月には再び東北へ赴きました。
$はやこま すていしょん!
(クハ455-311・鏡石~須賀川・2005年月13日)
なぜかクハ455形300番代に出会う確率が高かったですね。

そして初めて九州の457、475系を見ることができたのも2005年8月でした。まずは457系。
$はやこま すていしょん!
(クモハ457-6・大分・2005年8月27日)
JR九州の457、475系はクリーム10号に青23号のラインが入ったカラーリングでした。北陸仕様とちがって抑速ブレーキ回路も活かされています。

九州の457、475系は晩年大分鉄道事業部と鹿児島車両所に配置されていました。
$はやこま すていしょん!
(クハ455-15・大分・2005年8月27日)
1999年に815系の投入が始まると457、475系の活躍の場は徐々に狭まっていきました。

前照灯をシールドビーム化した車両も存在。
$はやこま すていしょん!
(クモハ475-33・大分鉄道事業部・2005年8月27日)
現在は大分駅も高架化され、大分鉄道事業部も移転しています。

サハ165を改造したクハ455-501もいました。
$はやこま すていしょん!
(クハ455-501・大分鉄道事業部・2005年8月27日)
クハ455-501は他の500番代と異なり、AU13分散クーラーが6基搭載されています。
九州の457、475系はこの後一気に縮小して2007年3月18日で定期運用を終了。結局九州車はこの時が最初で最後でした。

年の瀬に再び東北へ出向き、455系冷房準備車に出会いました。
$はやこま すていしょん!
(クモハ455-38・郡山・2005年12月30日)
さらに冷房準備車がいましたが、こちらは車体更新車。
$はやこま すていしょん!
(クモハ455-41・郡山・2005年12月30日)
やっぱりライトが残念なんですよね。
そして走り去るクハ455形300番代磐越色を見送りました。
$はやこま すていしょん!
(クハ455-312・郡山・2005年12月30日)
磐越色編成は、2005年に実施された「あいづディスティネーションキャンペーン」の一環としてマスコットキャラクター「あかべぇ」のイラストを貫通扉と中間車側面に追加していました。
これで2005年を締めくくりましたが、455系グループの大幅縮減の足音は確実に近づいていました。