引退する久留里線の国鉄形気動車を乗り納め | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

JR東日本久留里線は内房線木更津から上総亀山まで32.2の非電化路線。この久留里線に12月1日から新型気動車キハE130形100番代10両が投入されることになり、国鉄形気動車が淘汰されることになりました。そこで11月10日に乗り納めの旅をしてきました。

「新宿さざなみ3号」に乗車して木更津には1時26分に到着。11時7分発の929Dにはちょっと時間があったので木更津の留置線にたむろしている気動車をチェックしつつ、ホームに戻るとキハ30 62を先頭に930Dが入線してきました。
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いきなり本命に当たってラッキーです(笑

キハ30は1961(昭和36)年から製造された通勤形気動車キハ35系の両運転台仕様車です。キハ35系は片運転台トイレ付きのキハ35が258両、片運転台トイレなしのキハ36が49両。そしてキハ30が106両製造されました。
JRに承継されたキハ35系のうち、JRで現役なのはわずか3両でいずれも久留里線用。

キハ30 62
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キハ30 98
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キハ30 100
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この3両は2009(平成21)年以降国鉄一般色に塗り戻されました。

新製時のキハ30はDMH17Hを搭載していましたが、カミンズ製のDMF14HZに換装されたため、かつてのディーゼルサウンドを聞くことができないのが残念。
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液体変速機などへの負担を考慮して250psに抑えてありますが、それでもDMH17Hの180psよりは強力です。

動力台車はDT22Cです。
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国鉄形気動車の定番とも言える、スイングハンガー式ボルスタ台車。2軸ありますが、そのうちの1軸に最終減速機が備わっていて、エンジンの駆動力が伝達されます。

付随台車はTR51B。
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1軸駆動の動力台車と付随台車で構成され、キハ30は4軸中1軸だけが駆動輪ということになります。

車内は初の通勤形気動車として、両開き3扉ロングシート構造となっています。
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連結時には運転台以外の乗務員室を折りたたんで乗車スペースを確保することができます。
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ホーム高さが低い地方線区でも運用する気動車なので、ステップを設ける必要があったのですが、台枠の切除部分を最低限にするために、戸袋不要な外吊り扉を採用したのもキハ35系の特徴です。
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多分キハ35系に乗車したのは八高線以来だと思います。エンジンが違うので加速フィーリングも違うというか、ターボサウンドが聞こえるので昔懐かしとは行きませんが、それでも雰囲気は充分楽しめかも。
でもびびり音が凄かったので車体はかなりくたびれているんだと思います。

上総亀山まで乗車して、折り返しの934Dはキハ30 62と連結されているキハ38 1001に乗車することにします。
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キハ38形は1986(昭和61)~1987(昭和62)年に7両がキハ35系の改造名義で登場し八高線に投入されました。そして1996(平成8)年に久留里線に全車転属しました。キハ38はトイレ付きの0番代とトイレなしの1000番代があります。

キハ38 1(←キハ35 152)
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キハ38 2(←キハ35 161)
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キハ38 3(←キハ35 513)
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キハ38 4(←キハ35 515)
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キハ38 1001(←キハ35 153)
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キハ38 1002(←キハ35 201)
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キハ38 1003(←キハ35 516)
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キハ35の改造名義ではありますが、流用されたのは台車や液体変速機などで、戸袋付の3扉ロングシート車体を新製し、バケットタイプのロングシートを配置しています。
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窓はバスと同じ構造となりコストダウンを図っています。

エンジンは250ps出力のDMF13HSを搭載。
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また2階建てバス用のサブエンジン式冷房装置AU34を搭載。
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冷房能力は26,000kcal/hで扇風機を併用していました。
そんなキハ38ですが、座席のコシがしっかりしていて意外と乗り心地は良かったような気がします。

久留里で途中下車して、後続の936Dのキハ37 2に乗車することにしました。
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キハ37形はキハ40系に変わる一般形気動車としてコストダウンなど各部を見直して1983(昭和58)年に先行車が5両製造されました。そのうちJR西日本に承継された2両は既に廃車となり、JR東日本承継車の3両が久留里線で活躍していました。

キハ37 2
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キハ37 1002
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キハ37 1003
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車体は製造コストダウンを図り、サイズを縮小し、片開き2扉構造となりました。

エンジンは新潟鐵工所が新開発したDMF13Sを搭載していましたが、後にカミンズDMFD14HZに換装されています。
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液体変速機などは廃車発生品を使用。台車も廃車発生品のDT22D、TR51Eを装着しています。

1996(平成8)年に機関直結形の冷房装置、AU26を搭載。
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車内はロングシートが基本です。
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ただしトイレの向かい側はクロスシートになっていました。
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もっとも現在はトイレを使用停止にしています。
様々な部分がコストダウンされた車両ですが、乗っている分にはそれほど悪いイメージはなかったです。

キハ30、キハ37、キハ38は今回の置き換えでいずれも形式消滅となり、12月からはキハE130形に統一される久留里線。
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なんだか味気なくなりそうで残念ですが、これも仕方がないのかな。