
国鉄世代の自分としてはやっぱり国鉄吹田工場の方が馴染みがあるのですけどね。
さて、工場の施設で人気が高い設備がトラバーサーです。車両を横スライドさせて転線させるトラバーサーですが、吹田では実際に車両を搭載させての移動実演をしていました。

載せられているのはクハ381-114。特急色に塗り戻され、福知山に転属して「こうのとり」などに使用されることになっています。
吹田にはトラバーサーが3カ所設置されていて、真ん中のトラバーサーにはモハ381-55が載せられていました。

振り子車の381系は車両限界の関係で上下が絞り込まれた車体断面が特徴的ですが、車端ダンパを連結器下に通しているのも特徴です。
その結果ジャンパ連結器は妻面の凹みに設置されています。
ジャンパ連結器は左からKE5F(三相1500V、3心)、KE6F(高圧1500V、1心)、KE91(定格100V、90心)です。
密着連結器の形状もちょっと独特ですね。
一番京都寄りには電車撮影会エリアが設けられていました。
まずは牽引車クモヤ145-1004。このほかにクモヤ145-1003も展示されていました。

クモヤ145は101系の台車、主電動機、電動発電機を流用して製造された牽引車。クモヤ145-1004はクモハ101-14を種車として1980(昭和55)年12月に改造されましたが、JR西日本に承継後、主電動機をMT54Aに換装して1000番代となりました。
287系クモハ286-7は「くろしお」用3両編成の先頭車で、ブルーのラインが入っています。ちなみに福知山車はダークレッドのラインです。

321系のシステムをベースとした0.5M電車で、形式上は全電動車編成ですが実質的にはMT比率1:1となっています。システムや形状を揃えることでコストダウンを図っているため、非貫通型でも貫通扉の準備工事がなされています。
衝突安全対策で前面が強化されているのも特徴です。
そして安心の583系クハネ581-33。

「きたぐに」の臨時化で見るチャンスが減ってしまいましたが、まだ頑張ってもらいたいところ。できれば国鉄色に復元して欲しいですな。
201系も健在。関西線で活躍するクハ201-122です。

体質改善30N工事で外観は残念な姿になってしまいましたが。
223系0番代クモハ222-3

関空快速用として製造された223系0番代は、1両の電動車ですべてを完結させる1M電車の嚆矢でしたが、スタイルがモデルチェンジした1000番代に対して地味な印象を受けますね。
381系パノラマグリーン車クロ380-2もいました。

287系の登場で、この車両はどうなるんでしたっけ?
片隅にはおそらく保存前提で留置されている車両がいます。
1両はクロ481-2001。

「スーパー雷鳥」用パノラマグリーン車としてサロ481を改造した同車でしたが、683系に追われて「しらさぎ」、「雷鳥」と渡り歩きました。
そしてこれはクハ103-1。

貴重な103系トップナンバーはここで保管されていたのですね。
車両上げ下ろし作業実演コーナーにはクハ111-757がありました。

113系750番代は湖西線用耐寒仕様車。高速化改造で5700番代になっていましたが、高速化解除で原番に復帰したようです。でも書体がJR西日本のままなので違和感があります。
元新快速用車両の221系、サハ221-44も置いてありました。

気になったのは仮台車。どう見ても国鉄新性能電車の付随台車を流用してますよね、これ。
ユニバーサルカラーのクハ103-820もありました。

相変わらずサイケデリックです。
そして最後はモハ52001。あの流電を復元したもので準鉄道記念物になっています。

京阪神の急行電車として活躍した、いわば新快速のご先祖様にあたります。
かなりクラシカルな電車ですが子供にも人気がありました。
個人的にはもう少しいろいろな機器類が見れると良かったのですが、ともあれ、現役の国鉄形がまだたくさん見られるのは楽しいものです