そんな東京貨物ターミナルを9月1日にウォッチングしてみました。
東京貨物ターミナル上の跨線橋は、着発線と荷役線の間にあります。ちょうど、着発線からのコンテナ車を荷役線に押し込むHD300-901がやって来ました。

HD300はシリーズハイブリッド式の入れ換え用機関車で、2010(平成22)年に試作車の901が落成し、2012(平成24)年に量産車が登場。2両とも新鶴見機関区川崎派出所に所属し、東京貨物ターミナルの入れ換えに従事しています。
HD300のディーゼルエンジン270ps出力の発電専用で、手前の短いボンネットに収まっています。長いボンネットにはリチウムイオン電池とVVVFインバータ制御装置を搭載。モーターは125kW出力の永久磁石式同期モーターを4基搭載しているので、機関車としての出力は500kWとなります。置き換え対象となるDE10は1,350ps=993kWなのですが、液体変速機や補機類の駆動によるパワー損失で実質的には660kW相当となるため、コンテナ時代の現代ではHD300の出力は十分だと言えます。
荷役線にコンテナ車を押し込んだHD300はすぐに着発線へと戻っていきました。

東京貨物ターミナルの脇には下り機待線があります。ここは下り列車を牽引する機関車が待機する場所ですが、EF210-17が移動を開始しました。

EF210はEF65、EF66の置き換え用として1996(平成8)年から増備が進んでいる機関車で、通称「ECO POWER桃太郎」。1時間定格出力はEF65よりも30%増しの3,390kWですが、関ヶ原などでは30分定格出力3,540kWを発揮することができます。
0番代のVVVFインバータ制御はひとつのインバータで2個のモーターを制御する1C2M方式。パンタグラフも下枠交差形パンタグラフを搭載しています。
EF210-17は跨線橋を一旦くぐって引き上げ線まで走行すると、進行方向を変えて着発線へと向かっていきました。

入れ違いでHD300-901が貨車を着発線から荷役線へと押し込んできました。

東京貨物ターミナルの脇には東海道新幹線の大井車両基地があります。ドクターイエローも普段はここにいます。

荷役線を行ったり来たりしているHD300-901。

するとEF210-155が牽引する上り貨物列車が到着しました。

Ef210形100番代はマイナーチェンジ版で、外観上ではシングルアームパンタグラフに変更されていますが、インバータは1C1M制御へと大きく変わっています。
あとを追うようにHD300-901が荷役線から貨車を着発線へ引っ張っていきました。

入れ違いで着発線からやって来たのはEF210-155

自分が牽引してきた編成をそのまま荷役線に押し込んでいました。
直後にEF660-127が下り貨物列車を牽引して出発。

コンテナ特急用として製造されたEF66は1時間定格出力3,900kWを誇るマンモス機ですが、JR貨物が独自に製造したのが100番代。性能はともかく色々な部分がコストダウンされた感があるのが残念ですね。
編成を切り離したEF210-155が片パンの入れ換えモードで戻って来ました。

しかしすぐ別の荷役線に向かっていきました。

続いてHD300-901が着発線から貨車を荷役線に押し込み。

間髪入れずにEF210-125が牽引する下り貨物列車が発車です。

EF210-155は荷役線から貨車を引き出して着発線へ。

もの凄く高効率な運用をしているのですね。
HD300-901はこのあとしばらく機留線付近と着発線を行ったり来たりしていました。

そして序盤に着発線に向かったEF210-17が下り貨物列車を牽引して出発。

下り機待線からEH200-8が出て行きました。

EF64重連を1両で賄うために2001(平成13)年に製造されたH級機。1時間定格出力は4,520kW、30分定格出力では5,120kWを誇ります。さきほどEF210-155が引き出した編成に連結されていました。
下り機待線には上り列車を牽引してきたEF210が続々入ってきていました。

DE10も動いていたのですが、今回は入れ換え風景を見ることはできなかったです。
しかし思ったよりも頻繁に機関車が動き回っているのですね。