
ボルスタレス台車全盛の現在は、台車枠上に載る空気バネが車体の重さを支え、衝撃を緩和すると共に、前後方向に空気バネが撓むことで台車の首振りを許容しています。
この空気バネは、上部のゴムベローズと下部の空気バネ積層ゴムで構成されているようです。

これはサロE230用の軽量ボルスタレス台車TR246の台車枠です。

台車枠は側はりの中央を横はりで連結するというシンプルな構造になっています。
横はりにはブレーキなどの台座があるほか、車体の中心ピンと連結して牽引力を伝達するリンクの台座も設けられています。
側はり前後には軸バネが収まる台座、下部には軸はり式軸箱支持装置をマウントする台座が付いています。また中央上部には空気バネが載りますが、空気バネ積層ゴム部分に空気を送るための配管があり、車体下部の空気ダメとつながっているようです。
なおE231系2階建てグリーン車は台車の蛇行動を抑制するために、台車枠と車体をアンチヨーダンパで連結していますが、その台座が側はり中央にあります。
軸はり式軸箱支持装置は、軸はりというリンクによって車輪の軸受けの位置を保持し、台車枠と車輪間の牽引力を伝達するもので、これが209系用TR249台車の軸はりです。

右が台車枠側はりと連結される部分で、左の穴の中に車輪の軸受けが収まります。その上に軸バネと台車枠側はりが載ります。軸はりは連結部分を中心に軸箱が上下して衝撃を緩和する構造になっています。
車輪の車軸先端には軸受け、軸箱を納めた軸はりが取り付けられた状態になっていました。

これはE233系用付随台車TR255です。

TR249と同じ軸はり式の軽量ボルスタレス台車ですが、側はりの形状がかなり異なりますね。そして軸バネにオイルダンパが併用されています。
TR255では側はりの外に空気タンクが装備されていて、空気バネ積層ゴムに直接空気を送り込むそうです。

この構造は205系や211系のTR235と同様らしいのですが、TR249では車体搭載として台車を簡略化していたのでそうですが、TR255で復活したそうです。
TR255ではディスクブレーキも1軸2枚に戻されました。

TR249では1軸1枚でしたから、台車の性能は相当強化されましたね。

ユニットブレーキのカットモデルも展示されていました。

ブレーキシューを使用した踏面ブレーキですが、作動部分をユニット化して整備性を向上させています。
そして空気バネのカットモデル。

このようにゴムベローズと空気バネ積層ゴムの2段構造になっていて、ゴムベローズは車体から上部吸気口を通じて空気を供給し、空気バネ積層ゴムは下部吸気口から空気を供給します。
JR東日本新性能電車用ボルスタレス台車はこのようにかなり簡略化されましたが、整備性もいいみたいです。

これは209系用TR246。
そしておそらく信頼性向上を重視したのがE233系用の台車なのでしょう。これは電動台車のDT71。

電動台車といえば主電動機が搭載されますが、そのお話しは次回ということで。
(続く)