VVVFインバータは、直流を三相交流に変換して三相交流誘導電動機を制御するシステム。抵抗制御やサイリスタチョッパ、界磁チョッパ制御の直流電動機の様なブラシなどの接触部品がなくてランニングコストが安いのが大きなメリットです。そのほか小型軽量化が可能だったり、高回転にも絶えるなどのメリットがあります。
京王電鉄最後の界磁チョッパ車だった7000系のVVVFインバータ化が進行していて、最後の編成が9月6日にVVVF化改造入場することによるVVVF100%化達成ですが、これによって1980(昭和55)年当時よりも電力消費量を45%削減することになるのだそうです。

まぁなぜ1980(昭和55)年から比較しているのかよくわかりませんが、まぁそういうことらしいです。
さて、そんな大手民鉄、まぁ関東大手民鉄でVVVFインバータではない形式ってどれぐらいあるのかなって思い、調べてみました。大手民鉄って自分の意識では京浜急行、東急、小田急、京王、西武、東武、京成だったのですが、最近は相模鉄道、新京成、北総も大手扱いみたいなのでこれらの現有車で見てみます。
京浜急行
800形

2000形

どちらも界磁チョッパ車です。界磁チョッパ制御は半導体を使用して回生ブレーキの使用を可能とし、弱め界磁運転を行ないます。全界磁運転時は抵抗制御車と同様で、モーターも直流複巻モーターを使用。安価に回生ブレーキが使えるという点がメリットなのですが、直流複巻モーターは保守性に難があるようです。
相模鉄道
7000系

新7000系(初期の2編成)

相鉄はアルミ車体を積極的に導入したり、自動窓などを採用する一方、抵抗制御、電磁直通空気ブレーキ、直角カルダン駆動などを頑なに採用していた不思議な会社です。
7000系も抵抗制御車となっています。
東急電鉄
8500系

8090系

オールステンレス全盛時代の8500系と軽量ステンレス車のパイオニアたる8090系はいずれも界磁チョッパ車。8500系は東急田園都市線~東京メトロ半蔵門線~東武伊勢崎・日光線をまたいで活躍していますね。
小田急電鉄
7000系LSE車

小田急最後の抵抗制御車はLSEとなりました。
8000形

界磁チョッパの8000形はVVVFインバータ化を含めた更新改造を実施中ですが、6両編成の8251編成、8255編成は界磁チョッパのまま更新されたので、この2編成は最後までVVVF化されないかもしれません。
西武鉄道
新101系

西武の標準形だった抵抗制御車ですね。活躍の場は支線に移りつつありますが、まだ健在って感じでしょうか?
4000系

101系の抵抗制御を流用したクロスシート車。普段は秩父線でしか見られないレア車ですね。
10000系NRE

西武の2代目レッドアロー号ですが、電装品は101系、新501系、初代レッドアロー5000系から流用しているので、抵抗制御車です。
2000系

西武初の界磁チョッパ車。製造時期は大きくふたつに分かれるので外観も2種類あります。これは新2000系の方ですね。
3000系

101系ルックの界磁チョッパ車。最近はラッピング車が多いみたい。
東武鉄道
200系

特急「りょうもう」用として投入されましたが、電装品はDRC1720系のものを流用しています。
1800系

急行「りょうもう」用として投入された抵抗制御車です。
8000系

東武の標準車だった抵抗制御車。現在も更新車が活躍中。
800系、850系

8000系をワンマン運転対応に改造した車両です。
6050系

快速用6000系の車体更新車。抵抗制御の電装品は流用しています。
9000系

20000系

地下鉄乗り入れ用のサイリスタチョッパ制御車。サイリスタチョッパ制御は地下鉄ではメジャーですが民鉄では珍しいです。
10000系

地上線向けに投入された界磁チョッパ車。
京成
3200形

京成で一番クラシカルな電車です
3500形

ステンレス車体となりましたが抵抗制御車です。
3600形

京成初の界磁チョッパ車。VVVFインバータ化された編成もあるようです。
3400形

初代スカイライナーAE形の電装品を流用しています。
千葉ニュータウン鉄道
9000形

元々は住宅・都市整備公団2000形で界磁チョッパ車。
新京成電鉄
8000形

新京成初の界磁チョッパ車。
まだまだVVVFインバータ制御ではない車両も多いですね。今後は確実に減っていくのでしょうから撮影しておかないとですね。