
昔は国鉄から銚子電鉄の直通列車が運転されていたり、貨物の受け渡しを行なっていましたが、現在は物理的につながっているだけの関係となっています。
ちなみに、ここにはJRのホームを通らないと入れないわけですが、銚子駅の改札で「銚子電鉄に乗ります」と言えば通してくれます。
現在銚子電鉄の主力となっているのが2000形。2009(平成21)年度に伊予鉄道800系の譲渡を受けたものです。

伊予鉄道800系の元を正せば、1959(昭和34)~1962(昭和37)年に製造された京王帝都電鉄2010系で、1984(昭和59)~1985(昭和60)年に伊予鉄道に譲渡しました。
京王線では緑一色の塗装で「グリーン車」と呼ばれていましたが、一部はアイボリーに赤いラインを巻いた時期があり、このデハ2002の前面はその時のイメージがあるようです。とはいうものの自分が調布に住んでいた頃はグリーン車でしたので、この色の印象はありませんが。
そして側面は銚子イオンモールカラーとなっています。
クハ2502は伊予鉄道時代に貫通構造の運転台設置改造を実施したため、京王の名車5000系に準じたデザインとなっています。

なお5000系の塗色はアイボリーに赤いラインでしたので、この車両は違和感があまりありません。
そしてもうひとつの主力が1000形。こちらは元営団の2000形を両運転台化改造し、パンタグラフを載せたものです。

営団2000形は1959(昭和34)~1963(昭和38)年まで銀座線用に製造されましたが、一部は丸ノ内線方南町支線で使用されていました。このデハ1002の車体は丸ノ内線方南町支線で使用されていたためか、2011(平成23)年11月に丸ノ内線カラーに塗装されました。ちなみにこの塗装となる前は漫画「鉄子の旅」の原作者が発案カラーに塗装されていました。

(仲ノ町車庫・2008年6月20日)
本当はこのまま銚子電鉄に乗車したかったのですが、アンパンマントロッコの運転時間と、帰りの電車の運転時間などいろいろなタイミングの関係で、乗車はできず。
結局このまま歩いてとなりの仲ノ町まで行きました。まぁ500mしか離れていないので苦にはなりません。ちなみに銚子電鉄は総延長6.4kmしかありません。
仲ノ町駅には2000形、デハ2001が留置されていました。

こちらの編成は京王時代のグリーン車を再現しています。なお冷房装置は伊予鉄道時代に搭載されましたが、銚子電鉄では使用に制限をかけているそうです。
増設運転台側のクハ2501は違和感ありありですが(笑

なお、仲ノ町駅は有人で、駅でもぬれ煎餅を販売しています。そして隣接する仲の町車庫は入場券を購入すると自由に見学することが可能です
こんな休憩スペースもあったりして。

ここまでは自由と言うことです(笑

車庫内には銚子電鉄のマスコット、デキ3が留置してありました。

1922(大正11)年にドイツのアルゲマイネ社で製造された電気機関車で、1941(昭和16)年に銚子電鉄に入線。1984(昭和59)年までヤマサ醤油の工場へ、塩などを輸送していました。2009(平成21)年9月22日に旧塗装に塗り替えられ、ポールに交換されました。
ちなみに前回訪れた時は、黒い塗装でビューゲル付でした。

(仲の町車庫・2008年6月20日)
そしてデハ1001はお色直し中。

こちらは元桃太郎電鉄カラーでした。

(銚子駅・2008年6月20日)
願わくば銀座線カラーにしてもらいたいものですね。
さて、今回見ることができませんでしたが、デハ801も営業運転を離脱したものの、保存前提でまだ保有しているとか。

(仲の町・2008年6月20日)
この車両も元伊予鉄道のモハ106なのですが、今はどうなっているのでしょう?
その他の古い電車も4年の間にいなくなった様です。ここにいた車両は結構歴史的だったりしたのですけどね。例えばデハ301。

(仲の町車庫・2008年6月20日)
元々鶴見臨港鉄道の車両で国鉄買収後モハ115となりました(115系じゃないですよ)。2009(平成21)年10月に解体されて、鶴見臨港鉄道の電車は消滅しました。
デハ701と702は近江鉄道デユワ101→モハ51、52を1978(昭和53)年に譲渡されたものです。


(仲の町車庫・2008年6月20日)
現在は千葉県いすみ市のポッポの丘に移設されたらしいので、そのうち見に行ってみようと思います。
仲ノ町には桃太郎電鉄のキャラクターキングボンビーが運行を見守っています。

それにしても4年の間に車両は様変わりしてしまい、気がつけば電車は2形式6両しかいなくなっていたのですね。