【国鉄形電車の思い出】Part27 115系(その1)113系よりも馴染み深かった115系 | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

山岳路線向けの直流近郊形電車として開発されたのが115系で、平坦線区用の113系と同じ1963(昭和38)年から製造が始まりました。
113系と車体の基本構造、台車、モーターは共通していますが、寒冷地対策として半自動ドアと押し込み式ベンチレーターを装備していました。また主制御器は165系と同形のノッチ戻し制御、抑速ブレーキ付のCS15を搭載している点がことなります。
また111、113系では偶数向き制御車に空気圧縮機(CP)を搭載していましたが、115系ではモハ114に搭載し、クハ115は奇数向き偶数向きの区別がないなどの違いがあります。
なおクハ115が111、113系電動車の制御することは可能で、抑速ブレーキを使わない条件ならばクハ111が115系電動車を制御することができます。

そんな115系ですが、初めて乗車したのは1973(昭和48)年ごろに赤羽から古河の曾祖父母宅に行った時だと思いますが、ハッキリ覚えているのは1979(昭和54)年8月のこと。宇都宮の従兄弟宅まで115系の宇都宮行きで向かったのが最初です。115系は7連+4連+4連の15両編成で運転され、小金井で付属編成を切り離している間に485系「ひばり」が通過していくなど、今からは想像もできない光景が展開していました。

そして、115系の写真を初めて撮ったのもこの夏。ポケットカメラで日光線を走る115系300番代を撮影しました。
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(クハ115-300・宇都宮~鶴田・1979年8月)
115系300番代は1974(昭和49)年に登場した新製冷房車です。113系と異なり番代区分された理由はよくわかりませんが、冷房電源用KE9ジャンパ連結器が設置されたため、クハ111-300の方向転換が不可能となったことも関係しているのかもしれません。

1980(昭和55)年に新潟県小出町に引っ越ししましたが、ここは最新鋭の115系1000番代天国となっていました。
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(クモハ115-1000・八色~小出・1980年8月)
115系1000番代は1977(昭和52)年から製造されたアコモデーション改善車ですが、寒冷地性能を強化して電動車の車端部に雪切り室を設置しました。これはモーターへの冷却風を取り込む際に雪を落とすための部屋で、北海道向けの711系で採用されていたものです。
この115系1000番代の登場で新潟色の70系は消滅しました。

この車両、当時の最新鋭ではあるのですが、長岡運転所に配属された車両は冷房準備工事で落成しています。これも今では考えられない話ですね。
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(クハ115-1047・八色~小出・1981年1月)
クハ115-1047は1978(昭和53)年6月30日に新製されました。その後1999(平成11)年12月4日に上沼垂運転区(新カヌ)に転属。上沼垂運転区は旧新潟運転所でしたが、2004(平成16)年に新潟車両センターに再び改称しています。現在はリニューアルされ、N5編成で活躍しています。

長岡に新製配置された115系1000番代はMcM’TMM’T’cの6両編成が基本でした。
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(クモハ115-1000・八色~小出・1981年3月)

また当時はこのまま清水峠を越えて高崎まで走っていました。
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(クモハ115-1000・土樽・1981年5月)
湘南色の115系も追い越していく183系1000番代「とき」も過去の姿、さらに土樽駅の待避線は廃止されて島式ホーム化されて雰囲気は大きく変わっています。

8月に身延線の旧型国電を撮影しに行った際、旧富士電車区には旧国を置き換えるべく新製された最新鋭の115系2000番代も待機していました。
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(クハ115-2022・旧富士電車区・1981年8月)
塗色は115系で初めての地域色としてワインレッド(赤2号)にクリーム10号の帯を巻いて登場。
115系300番代以降、中央線の狭小トンネル通過車にはPS23パンタグラフを搭載していましたが、身延線のトンネルはさらに小さかったため、低屋根のモハ114-2600を用意。また冷房は準備工事でした。

東北・上越新幹線開業で揺れた1982(昭和57)年の上野口。当然ながら主力の115系はひっきりなしに走って来ました。地平ホームを発車して「あけぼの」とすれ違う115系0番代。1963(昭和38)年から製造されたオリジナルの115系です。
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(クハ115・鶯谷・1982年8月)
当時は東北本線の普通列車は地平ホームから発車することが多かったので、おそらく小山電車区所属の編成だと思います。
大目玉、非冷房車が普通に上野に来ていた古き良き時代ですね。

こちらは高架ホームへ向かう高崎発上野行き普通列車。
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(クハ115-214・日暮里・1982年8月)
高崎線の列車ですが、小山電車区の7連、Y11・98編成を先頭にしてやって来ました。小山の編成はモハ114の車号で編成番号を決めていて、7連を組む場合、編成番号はふたつ標記されます。クハ115-214はずっと小山に在籍して1995(平成7)年5月23日に廃車となりました。

東北線の地平ホームへ向かう小山Y386・393編成。
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(クハ115-393・日暮里・1982年8月)
こちらは7連が最後尾。4連の組み合わせはいろいろあったようですね。クハ115-393も生涯を小山で過ごし、2002(平成14)年4月3日に廃車となったようです。

6月23日の東北新幹線開業で上野~大宮に運転を開始した「新幹線リレー号」でしたが、下り1本だけ115系が使用されていました。
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(快速「新幹線リレー号」・クハ115-102・尾久・1982年8月)
最後尾は新前橋電車区のT154・39編成。クハ115-78を中間に組み込んだ7連でした。新前橋電車区もモハ114の車号を基準として編成番号を振っていました。
クハ115-102は1989(平成元)年9月7日に豊田電車区に転属。1995(平成7)年4月5日に廃車となりました。

8月には3年ぶりに宇都宮の従兄弟宅に行くことになり、上野駅地平ホームから115系に乗車しました。
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(クハ115-204・上野・1982年8月)
クハ115-204は1967(昭和42)年6月29日に小山電車区に新製配置され、2001(平成13)年12月4日に廃車されるまで小山で過ごしました。

宇都宮では、日光線115系を撮影。実は455系「なすの」を狙ったのですが、競争してきて被られました(笑
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(クハ111-300・宇都宮~鶴田・1982年8月0
このころの日光線は7両編成が普通に走っていました。

長岡の115系1000番代が主力の上越線でしたが、新前橋の115系も夜行を含めて何本か長岡まで入線していました。
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(クハ115-344・八色~小出・1983年8月)
この時の高崎側はT327編成で、長岡側はT326編成。サハ115-305を挟んだ7連です。
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(クハ115-343・八色~小出・1983年8月)
当時、新前橋所属のサハ入り7連は5編成しかなかったようです。長岡までやってくる新前橋車は300番代の確率が高かった気がしました。またクモユ141を併結した列車も見られました。
クハ115—343、344とも1986(昭和62)年2月19日に小山に転属。2001(平成13)年2月9日に廃車となるまで活躍しました。

神奈川に引っ越してから、秩父鉄道の撮影をしに行きました。目的は小田急1800形の譲渡車である800形だったと思うのですが、このころの秩父鉄道には熊谷から国鉄の臨時列車が乗り入れることがありました。
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(クハ111-1201・秩父鉄道 野上~長瀞・1983年)
この時は新前橋所属の115系1000番代4連のT1146編成。1000番代のクハ115は、偶数向きを1000番代、奇数向きを1100番代としていましたが、偶数向き先頭車の車号が1099まで到達したので1201~に飛び越えました。

長岡車と違って、新前橋の115系1000番代は新製時から冷房を搭載。
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(クハ111-1137・秩父鉄道 野上~長瀞・1983年)
クハ111-1137、1201は一旦小山に転属した後、新前橋(後に高崎車両センターに改称)に復帰しましたが、2005(平成17)年12月10日に廃車されました。

1984(昭和59)年の九州旅行では、短編成高頻度運転の嚆矢となった「広島シティ電車」の快速用に製造された115系3000番代を見ることができました。
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(クハ115-3000・横川・1984年8月)
115系でありながら2扉転換クロスシート(車端部はロングシート)で、妙にかっこいい印象がありましたが、短編成化のため先頭車が多く製造され、写真の様にセミクロスシートの中間車を挟んだ編成も多かったです。
ちなみにこの広島シティ電車カラーがのちの瀬戸内色と呼ばれることになりました。
この旅行では115系にかなり乗車しましたが、3000番代にはあたりませんでした。
(続く)