アドルフ・・・
ヨーロッパの男性名。
主に、ドイツ、北ヨーロッパで使用される。
第二次正解大戦以前はよく使用される名であったが、アドルフ・ヒトラー(1889~1945)の名前であるため大戦後は避けられるようになる。
なお、インドの政治家にアドルフ・ル・ヒトラー・マラク(1958~)、ナミビアの政治家にアドルフ・ヒトラー・ウノナ(1965/1966?~)がいるが、思想的にはヒトラーとは関係ない。
(アドルフ・フレドリク:スウェーデン王)
久々に手塚治虫先生の『アドルフに告ぐ』を読みました。
この作品は、作品の冒頭にもあるように三人のアドルフの物語・・・
三人のアドルフとは・・・
神戸生まれのドイツ人日本人とハーフのアドルフ・カウフマン・・・
神戸生まれ神戸育ちのユダヤ人 アドルフ・カミル・・・
そして、ナチスの総統アドルフ・ヒトラー・・・
アドルフ・ヒトラーの出生の秘密を巡って、いろいろと展開される物語で・・・
実際には、ヒトラーは主人公ではないものの、他の二人のアドルフはそれぞれ主人公であり、日本人の峠草平という人物が主人公の一人として関わってきます。
作品の内容は、さて置き・・・
この作品は、歴史漫画であり・・・劇画であり・・・
そんなこともあって、他の手塚作品に出てくるようなキャラが、この作品に出てくることは少ないですが・・・
例外的とも言えるキャラらが、二人出てきます。
一人は、多くの手塚作品に出てくるアセチレンランプ。
悪役・・・と言っても、大悪党という訳ではありませんが・・・
基本的に悪役が多いランプ・・・
時々、後頭部にローソクが立つのがトレードマークです。
『アドルフに告ぐ』でも、アセチレン・ランプという名で登場・・・
ナチのゲシュタポ(秘密警察)の一幹部として、物語中にも重要な部分に関わっており、自殺直前のヒトラーを暗殺するような大役まで演じてます。
他の作品では小悪党的なランプですが、この作品ではかなりタフな人物になっています。
もう一人が、多くの手塚作品に出てくるハム・エッグです。
こちらも悪役なんですが、ランプより更に小者の悪役として描かれることが多いです。
『アドルフに告ぐ』では、特高(特別高等警察;日本の秘密警察)の赤羽として登場。
主人公の一人 峠草平につきまといますが、頭部を負傷し、狂人となってしまい・・・
狂人となりながらも、その後も峠に関わっていきます。
俳優のように とあるキャラを別々の作品に出演させるシステムを、手塚先生は「スター・システム」と呼んで多用してきました。
例えば、ヒゲおやじ と呼ばれるキャラは、正義側で登場することが多いですが・・・
『アドルフに告ぐ』では、正義系のキャラが劇画調に登場することはなく、悪役のランプやハム・エッグが作中に重要な役で出てくるところが面白いですね。