講演会「三淵嘉子(ミブチヨシコ)と甘柑荘(カンカンソウ)の記憶」於-三の丸小ホール | (又)おだわらぐらし はじめました

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18日(日曜)の午後は「三淵嘉子と甘柑荘(カンカンソウ)の記憶」と題された講演会を聞きに行きました。(もうご存じの方も多いと思いますが 三淵嘉子さんは4月から始まるNHKの朝ドラ『虎に翼』のヒロイン猪爪寅子(トモコ)のモデルになった 法曹界で活躍した女性です。)

↓場所は三の丸ホール。

↓入口の催事案内。

↓会場の小ホール内。

(↑これは開場間もなくの絵なので 人の入りはまだ半分程ですがー)
チケットは「完売」との事で 市民の関心の高さが伺えました。

(当日は資料等の配布はありませんでした。チケット購入時に受け取ったチラシの裏の文、が 一応テキスト だったのかな?↓)


定刻になり 会が始まりました_
司会は「三淵邸・甘柑荘保存会」の上谷(カミヤ)さん。

まずはNHK解説委員の清永聡(サトシ)さんの講演 「三淵嘉子の歩んだ人生と家裁の黎明期に託した夢」 を聞きました。

清永さんは戦中・戦後の司法がご専門だそうで、2018年には『家庭裁判所物語』で守屋賞を受賞なさっています。更にこの度は『三淵嘉子と家庭裁判所』という本もお出しに。朝ドラの資料にも「取材・清永聡」とお名前が載ってます。

清永さんが話されたのは~ シンガポール生まれの利発な女の子が、お茶の水卒業後 明大に入って司法試験を目指し 日本で最初の弁護士の一人となり 戦後は家庭裁判所の設立に関わり 原爆裁判では裁判官として関わり(←判決文を書いた三人の裁判官の一人)~ という「三淵嘉子」という人物が歩んだ道をたどる物語だったのですが_

それはそのまま、日本という国が 男女平等をうたう民主国家になっていく過程でもあり とても興味深かったです。

(嘉子さんを二人目の妻として迎えた 三淵乾太郎(ケンタトウ)という人については これまであまり紹介されていませんでしたが、 なんと「総力戦研究所(←猪瀬直樹の『昭和16年夏の敗戦』に詳しい)への出向_を経験した方だったんですね。/ へ~っ)

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後半は
「地域の誇り、未来への挑戦~
 歴史ある建築が導く持続可能なコミニティ」という題でのパネルディスカッション。

 四人の方がそれぞれの立場からお話をされました。
・椎原晶子さん(フィシリテイター/國學院大學 教授  観光まちづくり学部観光まちづくり学科)
・渡辺剛治さん(パネリスト/特定非営利活動法人小田原まちづくり応援団(まちえん) 理事)
・戸田啓太さん(パネリスト/かながわヘリテージマネージャー協会副会長)
・浅石文敏さん(パネリスト/皆春荘・旧松本剛吉邸 施設長)

(個人的には、佐藤秀三が設計した三淵邸-甘柑荘の 建築物の特徴 そこから浮かび上がる依頼主-三淵忠彦という人~ なんてところが 特に面白かったです。)
 
あらいまとめ としては_
NHKの朝ドラの主人公のモデルに三淵嘉子さん~ というのは本当に幸運な事ではあるけれど、ドラマは半年しか放送されない。ドラマが終了した後も 三淵邸-甘柑荘について関心をもって 訪ねてもらうために~
・「街歩きMAP」を活用して 観光客の「回遊性」を高めたい。(皆春荘 老欅荘を訪ねる人に 甘柑荘 へも足を運んでもらいたい。)
・板橋エリアは 見どころは多いが 地形的に坂が多く 高齢者から敬遠されがち・・・。ここをなんとかできないだろうか?
~みたいな 感じだった かな。


甘柑荘を管理されている三淵家のご遺族のみなさん(「三淵邸・甘柑荘保存会」)も 色々 動かれているんですよね。 
最新版のリーフレットには NHKの『虎に翼』の名や 嘉子さんの名前 写真が印刷されてましたしー↓

(↓参考までに以前のもの)


↓FBに公式サイト も作られてます。
https://www.facebook.com/kankan.odw/
↑又(ここにも載っていますが) 甘柑荘の茶室の「大炉(ダイロ)」を修理なさってるんですね。/ もしかして三月の呈茶ではこの炉が使われるのでしょうか? これは・・・ 伺ってみたいー。


<+>
講演会の後_
清永さんがお書きになった『三淵嘉子と家庭裁判所』を購入しました。


↑サインもして頂きました。
これから ゆるゆる 読んで参ります。


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<余談>
(パネルディスカッションでの)甘柑荘への回遊性を高める~ という話、 市民の一人として私も「ほぅほぅ」と聞いておりましたが_
そのためにまず~板橋エリア自体の魅力をもっと上げてもらいたいですね。/ これまでも公開されてきた「松永記念館」「皆春荘」等に加え 新たに「如春園」や「旧-内野家住宅」「旧朝倉家住宅(現・喫茶KURA)」など、魅力的なスポットが増えてきてはいますが もうイッチョ、 例えば「山月(旧-大倉男爵別邸)跡」の修復、「古希庵」の公開日を増やす、など 検討して頂きたいな。更に できたら「山縣水道水源池」が見学できるようにして頂きたいー。
又、「皆春荘への坂が急なのが 訪問者に不評~」なんて話が出ていましたがー、 路線バス「小田原駅←→いこいのもり」ルートの 「城山四丁目」や「城南中学前」バス停からなら「下り坂」です。 「下り坂なら行けるかも?」と思う方もあるかもしれませんよね? 散策MAPに 板橋エリアの北(高台)を走る路線バスのバス停、描き入れるとか どうでしょうね? 

何にしても_
(司会の上谷さんもおっしゃってましたが)朝ドラで高まった三淵邸-甘柑荘への関心が 一時のブーム で終わらないようにと 私も願っております。


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<+>
この講演会に合わせて 三の丸ホールのギャラリーでは 「写真展」が行われていました。(2/12~18)















これらのパネルは、4月からは甘柑荘の方に展示される、との事でした。/ 4月始まりの朝ドラで三淵嘉子という人に関心をもった方には ゆかりある建物-甘柑荘も訪ねて頂きたいですね? / おしまい。