11月3日(金・祝)は 箱根板橋エリアで 四年ぶりに「夢見遊山 いたばし見聞楽(ケンブンラク)」という催しが開催されー

中心となる松永記念館会場では三席のお茶会が開かれました。
↓市のHPの案内_
「第20回 松永記念館茶会」
茶湯に親しむ団体等による和みのあるお茶会です。
【時間】午前10時00分~午後3時00分
【場所】松永記念館(老欅荘、藤棚前ほか)
【茶券】一席:500円 ※茶券は当日販売します
【席数】3席(故知会、撫子会、無持菴茶友会)



(↑お茶券売場 「準備中」)
(↓その先の 池の周り)


(↑この辺りも 何も写ってはいませんが 色々「準備中」)
実はこの日私達、老欅荘のお席の受付係として(ほんのちょっとだけ)お手伝いをさせて頂いておりましてー

役得的に日頃立ち入れない場所を見る事ができました。
↓これは_老欅荘の山側の (お掃除道具置き場のある) 竹垣の内。

↑崖下に二つ 小さな穴が掘られています。これは戦時中の 防空壕跡で、職員さんによると 二つの穴は 中でつながっているそう です。(へー/ もっとも、老欅荘を建てた松永耳庵さんは 戦後小田原にいらっしゃった方ですから ここを防空壕としては使っておられなかったハズ だそう。)
こちらは今回 無持菴さんのお茶席に使われた 現在「寄付(ヨリツキ)」と呼ばれている三畳の茶室を

本玄関から見たところ_。

↑日頃 本玄関は 入口の竹の柵が締め切りになっているので この角度で寄付が見られる事は珍しいんですよー。/ 尚、奥に掛けられたお軸は松永記念館所蔵の 耳庵直筆の 「松下亭即事」↓。

(↑このお写真は 無持菴の先生から「貸して頂いたもの」です。)
_これはこの日の朝、 (お客様がいらっしゃる前の時間に) 無持菴の先生に点てて頂いたお茶を頂きながら伺った事なのですが、
このお茶室は 老欅荘がまだ「松下亭(ショウカテイ)」(現在の老欅荘内の茶室「松下亭」ではなく、耳庵さんが小田原に来られて最初に建てられた居宅 の名称。現在の老欅荘の 本玄関 寄付 あたりの20畳程が かつての「松下亭」だそう_) と呼ばれていた時代のお茶室 なのですって。/ 更に お軸の「松下亭即事」には 正にこの寄付においての事 が書かれているとの事で_
そうと知ってこちらで頂く一服には 大変重みがございました。

↑尚 お菓子は「山田饅頭」↓。

実はこの日の無持菴さんのお席の水指は 色形がどこか山田饅頭風で おもしろかったのですが 撮り忘れて・・・・(残念。)

(↑これも お貸し頂いた写真/お蝋燭の左が 水指 です。)
他にも 「残念ながら撮り忘れた」のが お玄関。この日は本玄関からお客様に入って頂いたので いつもは閉まっている竹の柵が「開いて」いたのです。苔の緑も綺麗だったのに・・・・(折角与えられたチャンスだったにもかかわらず かえすがえすも)

(↑これもお貸し頂いた写真。 そう、この角度からの絵が撮りたかったのです!)
という訳で 絵 は少ないのですが_
老欅荘-寄付のお席にいらしたお客さん方から 沢山の感想、感謝やお褒めの言葉を聞く事ができましたので それを記しましょう。
・小田原における耳庵さんの「原点」的なお茶室で一服が頂け感動した~
・小さな茶室だからこそ味わえる濃密さがある~
・建屋 お茶 お菓子 お軸 お花 全てが素晴らしかった~
・このお席に伺ってよかった~
などなど。
お手伝いさせて頂いた者としても お客様からそのように伺えた事 とても嬉しく思いました。

(↑これも お貸し頂いた写真。)
又その他_
老欅荘前におりました事で 職員さんやお客様から色々メズラなお話が伺えました。 例えば (最初に打った防空壕の事もそうですが)
・以前の松永記念館茶会には 沢山のお席が掛けられて 大層賑わい お席によっては1~2時間待ちだった、とか (数年前のこの会の 「ちらし」 も見せて頂けました。)
・今 無住庵が建つ場所では (元々あった黄梅庵が堺市に移された後_)、時々掛野点の席が掛けられていたが 紅葉と苔に縁どられたお席は とても綺麗だった、とか
・無住庵は 今ある場所に移される前は大窪小学校の下あたりにあったが、傷みが激しかった。復元された無住庵を見て こんなに素晴らしい建屋だったのか と驚いた、とか
・無住庵をここに建て直した大工さんは、小田原城の天守閣の摩利支天像を祀る部屋の復元を手掛けた芹澤さんだ、とか
_ とても勉強になりました。
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お茶席は_
無持菴さんがお釜を掛けられた老欅荘の寄付のお席の他~
↓池の端の葉雨庵には撫子会さんのお席が、

(↑写真は受付の置かれた「烏薬亭」。葉雨庵はこの左手奥になります。)
↓又 藤棚前には故知会さんの野点席が設けられていました。

私達は 野点の立礼席にお邪魔をさせて頂いたのですが 面白うございましたよ。

(↑野点傘。これが開くと 周囲が ぱ っと華やかに。)
(↓毛氈の掛けられた床几。)

(↓亭主席。)

(↓さらさらと点てられるお茶。)

(↑茶杓の下の柿色の茶器は 先生が 小物入れとしてお求めになった物、とか。又机の上に覗いている この茶器とテイストの似た建水は 椰子の実に漆を塗った物、だそうです。(へぇ~))

↑お菓子はりんごのお饅頭。
↓池を眺めながら 一服。

(↓これは「拝見」の折の絵ですが_
机の隅に飾られた香合で、なんと「桐の実」だそうです。中には金が張られていました。)

(↑桐の花は知っているけれど 実 って見た事ありませんでしたので 思わず「まー」と近寄り 見入りました。)
「ありがとうございました。」
「今日は お天気が良くて 本当にようございました。」
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さて_3時、お茶会が終了すると、それぞれのお席で 「片付け」が始まりました。
この日 初めて知りましたが お茶会って「片付け」も又 大変な仕事なんですね。使ったお道具を洗い、会場で借りた物は返し、私物は 梱包していく...。
(私達は邪魔にならないようにしていた だけで、、、 申し訳なく感じた事でしたよ。)
_ という訳で あまりお役には立てなかったのですが、(この反省も含めて) 本当にこの日は私達にとって 大変「多くの経験が出来た一日」でございました。/ お手伝いのチャンスを頂けました事に 感謝。
<追記>
無持菴の先生から お写真をお借りする事ができましたので 絵を貼り足させて頂きます。/ なんとか体裁が整った、でしょうか?(お貸し下さった先生に感謝)/ 当日の様子が 少しでも ブログをお読み下さる方に伝わりますように。