
(↑二丁目のカルティエビル)
(↓ブシュロンも まだ二丁目。)

↓HULIC(ヒュ-リック)銀座ビル、ただいま建て替え中。/ ここから北が 一丁目になります。


(↑これまで「みずほ銀行」があったビルですが、新しい建屋にはなんと旅館「ふふ」さんが入る~ という話!)
↓さてその隣のPOLAビル。

↓入口。


(↑翌日から3Fのミュージアムで「京洛の四季」と題した元首相-細川護熙さんの個展が開かれる~ との事。)
今回はこのPOLAビル9Fの厲家菜でお昼を食べました。


こちらは、 西太后が好んだ翡翠豆腐を発案したという清朝末期の内務府大臣;厲子嘉(レイズーチャー)を創始者とするレストラン。 ラストエンペラーが紫禁城を去ると 厲氏も宮廷を離れますが、この時彼は 城の料理人と献立書を保護。こうして宮廷料理のレシピは守られた、んですって。/ 厲家が北京の胡同(フートン)で「中国料理店」を始めたのは1985年。現在は厲子嘉から数えて四代目になる女性;厲愛茵さんが調理指導にあたっている~ そうな。

(↑一番下が初代。
↓下から二番目が四代目。)

ここ銀座店でも 古いレシピを再現したあれこれが頂ける、との事。どんな味に出会えるのか 楽しみです。

(↑壁に飾られていた龍袍(ロンパオ)。/ 西太后が着ていた衣装を復元した物のようです。⇒*)
席はこんな感じ。椅子の高い背とカーテンが ついたての仕事をし、



↑テーブルの上のライトには 天幕を思わせる大きな傘がついていて、
_半個室の雰囲気。
料理は予約時に軽いコース(WEB予約限定-Bランチ)をお願いしているので
↓ドリンクメニューを見せてもらいます。


亭主は「女児紅(10年)」をロックで、私は杏露酒をソーダ割でをお願いしました。

↓まず 前菜10品が出てくる~ というのでリーフレットを見ながら「予習」(?)しております。

↓きましたー。

↑全て二人前、です。
↓龍に見立てた 一本の胡瓜を螺旋状にカットした和え物 は一度並べられた後で 下げられー

一名分ずつ小皿に分けられてから 再度登場、 しました。

↑右が このお店の名物 「翡翠豆腐」。(宝石の翡翠が好きだった西太后を喜ばせるため 厲子嘉が考案した~ という逸話のある一品。)実際は枝豆とホタテ貝柱が使われた ほろりと柔らかく 素朴で優しい味の練り物でした。/ 左は皮つきの豚の三枚肉の燻製。香りも味もすごく良く、感動。/ 奥は「鱈の胡椒風味揚げ」 と 「麻豆腐」(←緑豆をペースト状にして発酵させた物と挽肉を合わせて炒めたもの。)。

↑手前は「人参の炒め物」。(人参の他 香菜、中国大根、筍が使われています)
↓「海老の黄金巻揚げ 京劇太鼓仕立て」。

↑薄く焼いた卵の上に豚の網脂を重ね、当時高価だった「海の海老」を巻き 衣をつけて揚げた一品、との事。(北京は海から遠いから 海産物は高かった、んでしょうかね?)
↓「茄子と大根の和え物」。/右奥は「雛鳥と厲家の 葱・山椒ソース」。

↓そしてこれは「初代厲子嘉考案 牛肉のスパイス焼き」なる一品。見た目地味ですが「絶品!」でした。

(↑リーフレットによると 「130年前の中国は、まだ、牛を食べる文化が浸透しておりませんでした。海外の方への「接待料理」です。牛肉のロースの中心部分の赤身だけを使用したこの一品。牛肉を茹で乾燥し、薄切りにし、粉をつけ、薄焼き上げし秘伝のソースでお召し上がりください。」 だそうです。「手間暇かけてこそ」という中国の料理人さんの心意気が伝わってきます。)

「これは 酒がすすむー」と 亭主はいつものイイワケをし_
↓紹興酒をお代わり。


↑頂いたのは石庫門の12年物。(洋種の瓶、みたいな容器 オシャレー)/ このお酒は(浙江省の紹興ではなく)上海の酒蔵所が作っているので 正確には紹興酒ではなく「老酒」だそうなー。中国のお酒も難しいですね。

前菜ですでに満足~ してましたが、この後 メインの大海老の炒め物が出てきました。

↑殻付きの海老_ パっと見 とくにどうという事のない料理に見えてこれが 又 素晴らしく美味 でした。
↓可食分も少なそうに見えるのに・・・


↑実は頭も(殻を外した部分)、食べられるんですよー。(殻も外しやすく細工(?)をしてくれているので、手を汚すことなく ナイフとフォークで楽に食べられました。)
いやー すごいな 中華料理。
ここで ヨシキリザメの背びれ、登場。

(次に登場するのが 「フカヒレごはん」なので サービスマンさん(女性ですが) が食材の説明をするためテーブルに持ってきてくれたのです。) 現在フカヒレはそのまま使う「姿煮」が定番となっていますが、昔は 繊維はほぐしてから使うべきもの、 とされていたそうです。(当時は繊維と繊維の間のゼラチンが不純物と考えられていた、とかで。/あらまあ) こちらは清朝末期のレシピの復元 が売りという事もあり 「昔ながらの製法で お作りして お出しします」との事。 それは 楽しみー。
程なく運ばれてきた「フカヒレごはん」_。

↓蓋を取ったところ。(下には火が入っていて皿の底を「あたため続け」ています。)

↑でこれが・・・ 優しく、上質で、それでいて(初めて食べるのに)懐かしい、 しみじみとおいしい雑炊(汁掛けご飯?)だったんですよー。/ 時に 小皿に載っていたのは 何だろうー?(漬物かしらと思ったのですが、スープに入れると 「もどした」状態になりました。/サービスマンさんに尋ねてみればよかったなあー)
最後にデザート。
サービスマンさんが「お飲み物は?」と聞いてくれー、
お茶のメニューを改めて見せてもらいます。


リストには知らないお茶の名前がずらり~^^;) 何を選ぶべきか迷い 「おすすめは?」と尋ねると、「紅茶はいかがですか?」。_ というわけで、二種類ある中国紅茶の内、上の段の・・・ 金駿眉(キンシュンビ)を1ポット貰う事にしました。

(↑甘い香り、なのに飲み口爽やかすっきり という不思議なお茶でしたよー。)
コースについていたデザートは_

↑手前の「厲家のヨーグルト」と「豌豆黄の羊羹」の二品でしたが、我々 欲張ってー
↓この 大きな卵の黄身? のようなお菓子も追加で注文いたしました。

これは 「三不粘(サンプーチャン / 皿、箸、歯 の三つにくっつかない の意味)」という このお店の名物の一つで~



ぷにぷにの 求肥 のようなお菓子でした。(卵黄、砂糖、とうもろこしの粉、水を 油を馴染ませた中華鍋で 混ぜながら加熱する~ という 文字にすると至ってシンプルな作り方のお菓子ですが 火加減 攪拌技術 がとてもむつかしい~ そうです。)
さてこの三不粘は 切り分け方も 独特、でした。

交差させた手に一本ずつ持った 二本の箸で生地を左右から挟み、 それぞれの箸を同時に逆方向にスライドさせて (左の箸は右側へ、右の箸は左側へ) シャ っと生地を切るんです。

(あー 動画で撮ればよかったな)

↑お姉さんに 一人4ピースずつにとりわけてもらってから 改めて 「頂きます」となりました。
尚、食べる順番は 砂糖を使っていない、豆だけの甘さ~ のお菓子「豌豆黄の羊羹」からがオススメ、と言われましたので その通りに。(+豌豆黄の羊羹は スイーツの「基準」で、これより甘い物を「菓子」と呼ぶのだそう)
で頂いてみた羊羹は_
「なるほど、 豆 の味だ。でも 砂糖を使ってないのにこの甘さは 結構すごい」、でした。
続いては「厲家のヨーグルト」。/ ヨーグルトといいながら これは発酵乳ではなく、牛乳にお砂糖とお酢を加えたものだそう。へ~っ。/優しい甘さのデザートでした。
最後に三不粘。

カスタード風味の柚餅子のような 不思議なお菓子ですが 素朴さと上品さを合わせ持っていて「へぇ~」+「まぁ~」でした。/ 何でも頂いてみるものです。
今まで思っていた「中華」の カテゴリーの外 的なお料理の数々に 感動しっぱなしでしたよー。(こんな世界があったなんてー。)
伺ってみて 良かったです。/ 御馳走様でした。