般若寺(コスモス寺) | (又)おだわらぐらし はじめました

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 背広を脱いだ夫と 結婚以来ずっと専業主婦の私との
「新しい日常」を綴って参ります

お天気がよかった日曜日、 
ブロ友さんから コスモスが見頃だそうです、と教えて頂いてた 般若寺(ハンニャジ)へ行ってみました。

↓近鉄奈良駅の向かいの 2番バス乗り場から「青山住宅行」に乗りまーす。

↓「般若寺」 で下車。


少し北へ歩くと 左手にお寺の駐車場がありました。


駐車場の奥が目指すお寺、でした。

寺伝によれば_ここ般若寺は 推古天皇の時代(625年)に来日した高句麗の僧:慧灌(エカン)が 舒明天皇の時代(629年)に開いたお寺、との事。 (異説あり)
又、寺名の「般若」は 聖武天皇の時代(735年)に 平城京の鬼門を守るため「大般若経」を基壇に納めた卒塔婆(=塔)が建てられた事に由来、だそうです。
かつては学僧千人をかかえる程栄えていたそうですが 治承四年(1180年)の平家による南都焼き討ちで (南都の他の名だたる寺院同様)))伽藍を消失したといいます。

500円収めて境内へ入るとー
そこは一面に色とりどりのコスモスが咲く 不思議な空間でした。

↑お寺のシンボル 石の十三重の塔。 1253年頃 荒廃した南都の再建の際に呼ばれた宋人の石工/伊行末(イ ギョウマツ)・行吉(ギョウキチ)親子によって造られた物 といいます。(南宋がモンゴルの脅威に脅かされていた時代の事で 中国から渡ってきた工人達の多くはそのまま日本に帰化したようですね。伊一族もそうらしく 「井」「井野」「猪」などと日本風の(?)姓となってその後も奈良で活躍しています。)

境内東に「笠塔婆(カサトウバ)」

これは 宋から来た石工の二代目:伊 行吉が 父母の冥福を祈って墓所入口に置いた物 といいます。(境内地に墓所があった訳ではなく 明治の廃仏毀釈で墓所が破壊されたため境内に移されたそうです)

↓塔の北には 本堂。

本堂の御本尊は1324年に作られた「八字文殊菩薩騎獅像」という 美しいお像でした。朝鮮(←モンゴルの侵略を受けていた時代ですね)は慶州出身の仏師:康俊と康成の作だそうです。 元は経蔵の秘仏本尊。 1490年に消失した金堂の本尊の代わりに 本堂に祀られる事になったといいます。

1490年に焼失したという 元々の御本尊は、1267年に作られた「丈六仏(←ジョウロクブツ=1丈6尺≒約4.85mの仏像。座像の場合は半分の8尺にするが、その場合も呼び方は丈六仏)」だったと言います。今も獅子の脚が載っていた「踏み蓮華」という石の台座が残っており(って私 見損ねてしまったのですがー) 「見上げるばかり」の大きな仏像だった事がわかる、そうです。(←伝聞系^^;)

本堂周辺には小さな石仏が沢山並んでいました。




元禄時代に 山城の国の人が病気平癒の御礼に奉納した「西国三十三所観音石仏」だそう。/ コスモスに半ば埋もれながら佇む仏達は ここがお寺の境内 という事を忘れさせる 素朴なほっこり力 をもっていましたよー。

本堂北の宝蔵堂で秘仏が公開されているというので 伺ってみます。

↓潜り戸上部に文字を記した板が掛かっていましたが 篆書体で読めません^^;)

真ん中は「妙」、最後は「院」かなー?うーんうーん

↓門の脇に鎌倉時代の伽藍図がありました。

↑楼門や 塔の位置など 大きく異なっていますね?
↓公開されている仏様は 昭和39年の大修理で 十三重の石塔の「五重目」から発見されたもの、だそうです。


入口前の鐘を打つと 中から扉をあけてくれる~ というシステムになってました。

間近に見た白鳳時代の阿弥陀様(聖武天皇が奉納~と伝わるところの)は、小ぶりながら存在感がありましたよ。

堂内では お賽銭を上げて散華(サンゲ)を頂き、コスモスのお守りも求めました。

(妹に送りまーす^^)

又少し境内を散策。

↓三界万霊碑

↓鐘


鐘の先に楼門が現れました。

鎌倉時代の再興期に建てられた回廊の西門で、国宝ですって。他の門は戦国時代に焼けてしまいましたが この門だけは焼失を免れ 保存されてきたのですね。



↑境内からはこの角度で見上げる~ のが精一杯でした。

↓これは 後で境内を出てから撮ったもの。


楼門としては日本最古のもの、ですってー。



コスモスを見に行った~ のですが、
花に癒されただけでなく
思いもかけず お寺の古い歴史 そして日本と外国との繋がりも知る事ができましたー。(開山者や工人達が日本に来た時代は 大陸が戦争で混乱疲弊していた時代なんですね。 渡来人にとって日本は安心して暮らせる場所だったのかしら、そうだったら 嬉しいなあー なんて思った事です。)

この後は楼門の西でソフトクリームを食べました~♪/つづく