popmomono



夕日が沈んで、空が青と灰色の結婚した色になると、妖怪たちが起きだします。



今夜は山で、もみじ祭りがあります。

火を使える妖怪が集まって森をライトアップするのです。

モモノちゃんの髪飾りに付いてるちょうちんおばけのセッタとマッタも、毎年ちょうちんの火を全開にして山のもみじを照らします。

でも大変、今日一番の主役、地獄車のおやっさんが、まだ到着してないのです。

人面鳥のハーピーが地獄車のおっちゃんを探しに行くことになりました。

モモノちゃんも一緒に連れて行ってもらいます。

少しいくと、地獄車のおっちゃんを発見!

でも地獄車のおっちゃんは川に溺れて火が消えていました。

これじゃ役に立たないと言って、引き返したモモノちゃん。

「そうだ!」

ハーピーに頼んで霊界に行ってもらい、エジソンの霊を連れてきて

電気で明るくして、と言って、電球を作らせました。

でも、山の周りを電球で囲って明かりを灯したら、妖怪たちは

「これじゃ風情がだいなしだ。あの炎の揺れで紅葉の色が変わって見えたり、色んな炎の形を楽しんだり、そこらじゅう暑くて汗をかくのがいいのに、

ただ明るいだけじゃ楽しくないや」

と言って帰ってしまいました。

モモノちゃんは、

「どーしよーどーしよー、うーん・・・ そうだ!」

モモノちゃんは山の周りの家を全部焼いていきました。

山は明るくなって世にも美しい光景がうかびあがりました。

みんな大喜び。

次の日、

家を焼かれた妖怪は、

「身が軽くなってよかった。ちょうどいいから、世界を旅してくる」

と言って、いろんな国に旅立っていきました。

よかったねモモノちゃん。

予定メディア 実写短編映画
形態 プロット


走る女の子
ぼーっと歩いている僕
正面から猛烈な勢いで走ってくる女の子

すごい風圧て顔が歪む
その時僕は恋をした

僕は追いかけようか迷って アアアァ言いながら少し右往左往してから追いかけはじめた

さらにその後ろからおじさんとおばさんと男の子が追いかけてきた

おじさんとおばさんがチアキー と叫んでいる どうやら千晶という名前らしい

男の子がお姉ちゃんーと叫んでいる

どうやら千晶さんのご家族らしい

走る走るダッシュで走る
なのに追いつかない
千晶さんは速すぎる

ご家族の方々もけっこう後ろだ

このまままっすぐ行くと行き止まりだ
冊があって その下は電車が走っている

千晶さんが冊を乗り越えようとしている

その間に僕は追いつく

「待って!」僕は力の限り叫んだ

千晶さんが振り返る

さあどうしよう
何か言わないと

よし 好きだとか叫んでしまおう そういうストレートな言葉がうまく行くんだよ

よし

「ワン!」

ワン? あれ?

「ワン!」

ワンしか言えない
なんだこれ

「ボンゴ!」
千晶さんがそう叫んでこっちに走ってくる

僕もしっぽを振って千晶さんに駆け寄る
しっぽ?
あれ?
僕は犬になっていた
それとももともと犬だったっけ

僕は千晶さんの胸に飛び込む

家族の方々が追いついてくる

「お母さん ボンゴだよ やっぱりボンゴ死んでなかったんだ」
千晶さんが泣きながらしゃべっている

なんだか今までたまっていたものを吐き出すように一気にまくし立てている

「よかったよボンゴ生きてたんだね あの時刺しちゃったのは別の犬だったんだよ よかった よかった ボンゴが居なくなってから悪い事ばっかりだったんだよ 頭の中がぐちゃぐちゃで叫んでないとおかしくなりそうで

ごめんねボンゴ 刺しちゃってごめんね
でもよかった生きてたんだもんね」

犬になった僕は千晶さんの胸に抱かれながら
なんとなく思い出そうとしていた

僕は確かに犬だった記憶がある でも千晶さんとは初めて会った気がする

それにさっきまで人間だった事も確かだ 水泳部でバタフライの選手で17歳で 確かさっきもプールで泳いでて あれ? さっきなんで街を歩いてたんだろ? なにしてたんだっけ?
ヴー 頭が痛い
いい加減強く抱きしめすぎだよ

僕は衝動的に千晶さんの腕を噛んだ

千晶「きゃ!」

僕を恐ろしい物を見るような目でみる千晶さん


不意に僕は頭を地面に押さえつけられる

千晶「お父さん やめて!」

父「千晶 これはボンゴじゃあないよ」

僕は押さえつける指の隙間から 千晶さんの父親をみた

その瞬間いきなりフラッシュバックで過去の映像が次々と脳内を飛び交う


この父親が千晶さんを犯そうとしているシーン

吠え続ける犬


この父親にめった刺しにされる犬


プールで泳ぐ千晶さん


暗い水の底で沈みながら上を泳ぐ千晶さんを見ている僕


気付くと僕はびしょ濡れで千昌さんの前にたっていた
「ち ちあきさん…」

僕は千昌さんに近いていったが 千晶さんは恐怖におののいた顔で 僕を透過して 僕よりも もっと後ろを見ている


僕は後ろを振り返った


千晶さんの父親が押さえつけていた犬が黒く変色して溶けて 地面に染み込んだ影になってしまった

気がつくと僕の体は真っ黒になっていた


そうか 僕は影だった


飛び込みの事故で死んでから プールの底についた影として生きているんだ

たまに気に入った人がいるとその人の影に意識を分散させてついていくんだっけ

意識を分散させすぎたせいで記憶が あやふやになっていたようだ


そうだ僕はこの子を助けたかったんだ

それでボンゴになったり男のになったりしたんだ


でも所詮は影か
もうなにか黒い揺らめきとしか認識してもらえない


最後の力でこの父親をなんとかしなければ

ボンゴだった影が本体の黒い揺らめきに移動してきて吸い込まれる


父親に向かって行こうとしたその時 黒い揺らめきになった僕を千晶さんが後ろから抱きしめた


僕を捕まえた 千晶さんはそのまま線路の金網に突っ込む

ほとんどサビていた金網は崩れ 僕と 千晶さんは線路に落ちていく


千晶「さっきボンゴヲ抱いた時、全部わかったよ 私もあなたと影になりたいの」


僕らは ちょうど走ってきた電車に轢かれた




今は二人は一体化して
中央線の先頭車両についた影として、時々なかまを増やしながら幸せに生きている


ちなみに
千晶さんの家はJRへの賠償金で破産したらしい



END




「ようかい モモノちゃん」
予定メディア 人形アニメーション
一話5分くらい



〇切り立った崖ので上にある大きな村
俯瞰からゆっくりズーム
ナレーション(以外N) ここは妖怪たちが住む村 生きている人たちが死んで、あの世に行く途中にある世界。 これはそんな村に住む妖怪の女の子のお話

〇女の子、長屋の座敷でくつろいでいる

外から男の子の声 [モモノちゃーん いるー?]

モモノ [あい!いるよ]

男の子 [今日の火のお祭り一緒に行こー]

ガラッと戸を開けると、子牛の体にかわいい人間の男の子の顔の妖怪が四本の足で立っていた

モモノ うん、行こー

〇駆けていく二人

〇出店が沢山でて、お祭りムードの村
通りの真ん中に人ゴミができている
深刻そうな雰囲気
モモノちゃん一人の妖怪に声をかける

モモノ [どーしたの?]
おじさんの妖怪 [おお モモノちゃん!また大きくなったんじゃないか?]
モモノ [昨日も言われた!]


おじさん妖怪モモノちゃんを肩に乗せる

モモノちゃん肩の上から人ゴミの中心をみる。

人ゴミの中心には直径5メートルほどのブラックホールがあいている

モモノ 「うわぁ すごいね~ どうしたの?」
おじさん 「なんだかなー 今日の主役の火車と狐火が大喧嘩して、空間が歪んでブラックホールの中に二人とも飲み込まれちまったらしいんだよ」

モモノ 「じゃー 今日のお祭りどうすんの?」

そうこうしているうちにブラックホールが閉じる

みんな「どよどよ」

モモノ「ありゃ~」

N「今日のお祭りは火の妖怪達が山の回りを火で照らして紅葉を楽しむお祭りなのです ケンカしていなくなった二人は、毎年一番強い火でもみじを照らす、なくてはならない妖怪だったのです」

モモノちゃんおじさんの肩から降りて 騒ぎの中心に行く

みんな「おおーモモノちゃんだ 今日もなんとかしてくれー」

モモノ「うん わかった うーんどうしようどうしよう」

N「この村の大人達は自分から何かしようとはしないので、モモノちゃん見たいな小さな子が、よく頼られます」

モモノ「うーん そうだ!」
モモノ「ハーピー!」


バサーバサーと大きな人面鳥が飛んでくる


ハーピー「どうしたんだい?」


モモノ「ちょっとあの世までつれってって」


夕方皆道に座ってボーっとしている

クダン「モモノちゃん帰って来ないなー」

モモノ「おーい」

見上げるクダン

クダン「あ!」


バサーバサーとハーピーに乗ったモモノちゃんが降りてくる

着地

モモノちゃんと一緒に外人のおじさんの幽霊が降りてくる

エジソン「ドーモ コンニーチハ エジソンデース」

エジソン「オハナシハウカガイマーシター ワタシノーハツメイシター デンキデー オヤマヲ テラシテサシアゲマショー」


〇夜 山の周りを取り囲む裸電球

オレンジ色に照らされて なかなか美しい

ハーピーの背中に乗って飛んでいってしまうモモノちゃん

大人の妖怪達がぞろぞろ見に来る

妖怪A「なんだこの灯りは! 全然迫力も風情もないじゃねーか あの炎の揺れで紅葉の色が変わって見えたり、色んな炎の形を楽しんだり、そこらじゅう暑くて汗をかくのがいいのに、ただ明るいだけじゃ楽しくねいや」



N「妖怪の村の大人たちは自分じゃ何もしませんが、文句はたくさんいいます。」

エジソン悲しそうな顔で体が薄くなる


エジソン「オー オヤクニタテナカッタヨウデ スイマセーン」


モモノ「ノープロブレム!お礼にこれをもって帰ってくれ」


モモノちゃん 袖のなかをごそごそ探ってなにかとりだす

エジソンに渡す

エジソンが手を広げると
小さい人形の首が

モモノ「ばあちゃん直伝の生首コレクションだ 本物だぞ」


エジソン困った表情

エジソン「オー アリガトーゴザイマース」

と、言って天界に消えてしまう
振り返るとみんなもう家に帰っていた

モモノ「うーん 困ったなー どうしようどうしよう

そうだ!」

N「モモノちゃんは髪飾りに付いている提灯おばけのセッタとマッタにお願いしてひを吹いてもらいました」

モモノちゃん山の回りの家に火をつけて周る


モモノ「みんな出てこーい」


みんな家から飛び出てくる

皆「うわぁー なんだなんだ 火事だー」


みんな後ろを振り返る

皆「うわぁ(感嘆の声)」


家が焼けた火で 山がこの世のものとも思えないくらいに美しく照らされている

妖怪A「今年のもみじ祭りは 今までで最高のきれいさだなー」



〇朝 家の焼け跡の前

モモノちゃんと妖怪達が集まっている

妖怪A「昨日の祭りは楽しかったなぁ。
家も焼けて、すっきりしたから 世界一周の旅をしてくるよ」


妖怪B「いやぁ 自分の持ち物が少なくなるって気持ちがいいね 僕は当分下界で遊んで暮らすよ」


N「みんなそれぞれ好き勝手に旅立っていきました」

モモノ「さー ごはんごはん」


おわり