ようかいの村には年に一回だけ電車が通ります。


だけど、どこから来てどこに行くのか誰も知りません。


モモノちゃんは、今年は電車が来たら乗ってみようと思っていました。



ホームでキスしているカップルを見ながら、ずっと電車を待っていると

電車が来ました。


だけど人がぎゅうぎゅうで大変。


そのうちだんだん降りていって、海辺の駅で、モモノちゃん一人になりました。


ずっと乗っていたら、車掌さんが回ってきて

「キップを拝見」というので

キップってなんだろう、きっとキッスの仲間だ

と、おもったモモノちゃんは、車掌さんのほっぺにちゅっとキスをしました。


車掌さんはびっくりして、小指くらいの大きさになってしまいました。


モモノちゃんは、

ちょっと大胆すぎたかな?手の甲にキッスとか、投げキッスくらいでよかったのかもしれない

と思いました。


そのままずーっと乗っていると、

夜になってしまいました。


周りはどんどん田舎になって

外は真っ暗。

はたして電車が走っているのか、ただゆれているだけなのかも

わからなくなってきました。


モモノちゃんは、いつのまにかウトウト寝てしまいました。




目を覚ますと、ようかいの村駅に戻っていました。


びっくりしたモモノちゃんは、小さくなった車掌さんに

「何で戻ってきちゃったの?」

と聞きました


「終点まで行って折り返しました」

「終点てどこ?」

「夢の国です」

「ああ、なっとく」




おわり


モモノちゃんは、急にオープンキャンパスに行きたいと言い出しました。


モモノ「行きたい行きたい!この気持ちをどうしよう。どう表現したらいいのか」


クダン「モモノちゃん、オープンキャンパスに行くには試練があるんだよ。オープンキャンパスへの道の途中で息絶えた者がたくさんいるとか」


と、顔は人間体は牛の妖怪の子供クダンは

適当な事をいいました。



モモノ「のぞむところだ!」


そういうので、クダンはしょうがなく後をついていき、二人は旅立ちました。


モモノ「どこに行けばいいのさ」


クダン「わからないよ」


モモノ「うーん、どうしようどうしよう、そうだ!

物知りの人に聞けばいいんだ、どうせなら、世界で一番ものを知ってる人に聞こう」


クダン「世界一物知りって誰だろう?」


モモノ「うーん、長生きしてる人に聞けばいいんじゃないか? 世界で一番長生きしてる人に聞くんだよ」


クダン「じゃあ、おぼろ山に生えてる、億万年杉さんは?」


モモノ「ダメ!もっと、もーーーっと、地球誕生以来生きてるような人がいい!」


クダン「じゃあ、地球さんは?」


モモノ「そうか、地球さんに聞けばいいんだ!」



モモノちゃん地面に向かって叫ぶ



モモノ「おおーーい!地球さん地球さん」


地球「なんだーい?」


モモノ「地球さんが世界で一番長生きだよね?」


地球「とんでもない、もっと長く生きている方はたくさんいるよ」


モモノ「そうなの?!」


地球「たとえば、太陽さんとか」


モモノ「太陽さん!  

わかったー、ありがとー地球さん ハーピー!」



ハーピーは顔は人間体は鳥のようかいです。いつもふらふら漂っています。

モモノちゃんとクダンは、ハーピーに乗っけてもらって太陽さんの所に来ました。


モモノ「あっちーなー、たいようさーん、たいようさーん」


太陽「はっはっは、久しぶりのお客さんだ、溶岩のお茶でもどうだい?」


モモノ「お構いなく! ところで太陽さん、世界で一番長生きは、太陽さんなの?」


太陽「そうだな、銀河系ですら宇宙全体からみたらチリのような大きさだからねー。分からないな」


モモノ「太陽さんほど長生きでもわからないのかー」


太陽「宇宙は無限にひろいからね」


ハーピー「そんなに遠くへは行けないなー」


モモノ「そうか、オープンキャンパスへの道がこんなに大変だったとは・・・」


モモノちゃんは、あきらめておうちに帰ってご飯にしました。




おわり


 





「ははははははは」

モモノちゃんは、漫画が大好きです。

今日は好きな漫画家さんの家にサインをもらいに行くことにしました。

「ぼろい長屋だねー。 とーんとーん、ノックノック」

漫画家さんは、留守みたいでした。

「じゃあ、隣の人でいいや。 とーんとーん、ノックノック」

でてきません

「隣の人もいないのかな」

戸を開けてみたら、海が広がっていました。

「わーい うみだー」

海には色んな妖怪がいます。

「海鬼さんこんにちはー、 たこ坊主さんこんにちはー、 濡れ女さんこんにちはー」

「今日はどうしたのもものちゃん?」

「サインをもらいにきたの」

「じゃー、はい」

みんなのサインをもらいました。

「ありがとー」

家に帰ってきたモモノちゃん。みんなのサインをかざります。

「じゃー、ごはんごはん」