夕日が沈んで、空が青と灰色の結婚した色になると、妖怪たちが起きだします。
今夜は山で、もみじ祭りがあります。
火を使える妖怪が集まって森をライトアップするのです。
モモノちゃんの髪飾りに付いてるちょうちんおばけのセッタとマッタも、毎年ちょうちんの火を全開にして山のもみじを照らします。
でも大変、今日一番の主役、地獄車のおやっさんが、まだ到着してないのです。
人面鳥のハーピーが地獄車のおっちゃんを探しに行くことになりました。
モモノちゃんも一緒に連れて行ってもらいます。
少しいくと、地獄車のおっちゃんを発見!
でも地獄車のおっちゃんは川に溺れて火が消えていました。
これじゃ役に立たないと言って、引き返したモモノちゃん。
「そうだ!」
ハーピーに頼んで霊界に行ってもらい、エジソンの霊を連れてきて
電気で明るくして、と言って、電球を作らせました。
でも、山の周りを電球で囲って明かりを灯したら、妖怪たちは
「これじゃ風情がだいなしだ。あの炎の揺れで紅葉の色が変わって見えたり、色んな炎の形を楽しんだり、そこらじゅう暑くて汗をかくのがいいのに、
ただ明るいだけじゃ楽しくないや」
と言って帰ってしまいました。
モモノちゃんは、
「どーしよーどーしよー、うーん・・・ そうだ!」
モモノちゃんは山の周りの家を全部焼いていきました。
山は明るくなって世にも美しい光景がうかびあがりました。
みんな大喜び。
次の日、
家を焼かれた妖怪は、
「身が軽くなってよかった。ちょうどいいから、世界を旅してくる」
と言って、いろんな国に旅立っていきました。
よかったねモモノちゃん。
