こんにちは。
上半期回顧記事の途中ですが、こんなネット記事が目に入りましたので臨時で挟みます。
「yahooニュース」のトップ記事になっておりましたので、私も気づきました。HKT48を先日卒業した宮脇咲良さんの成長ぶりを語る記事なのですが、指原Pの名前も出ています。この竹中夏海さんは振付師として、イコラブもデビュー・ステージでカバーしたHKT48「メロンジュース」の振付を担当されている他、数多くのアイドル、アーティストの振付をなされています。イコラブでも「いらないツインテール」の振付を担当されており、それに関連したこんな発言も過去にありました(まとめ記事より)。
さて、冒頭記事です。ここで私が注目したのは、以下のご発言です。ちょっと長いですが、端折ると伝わらない部分もあるので全文引用します。
日本のアイドル、と括るにはあまりに乱暴かもしれないが、少なくとも48グループは出演するライブや音楽番組で立ち位置やメンバー編成が流動的に変わることが往々にして起きる。
これはメンバーからすれば大きな労力がいる。一見同じ振り付けに見えても、立ち位置次第では、フォーメーションが変わるときの動線や振り付けのカウントなど、何もかもが変わってしまうことがあるからだ。
本来ダンスとは身体に染みついて初めて自分の個性を加えたりプラスアルファの工夫を乗せられたりするものだが、上記のようなやり方だとそこに辿り着く前にその日のパフォーマンスで精一杯になってしまう可能性が高い。身体に染みつく前に、頭で考えながらこなさなくてはならないことが増えるからだ。
一方、K-POPグループの多くは固定メンバーで活動するため、立ち位置やメンバー編成がコロコロ変わるようなことはめったに起きない。
パフォーマンスにかける練習量がそもそも違う可能性は大きいが、そのため細かく複雑な振り付けも“自分だけの立ち位置”を覚えて鍛錬できるのだ。
先ず最初にお断りしたいのは、この手のネット記事にありがちな、「プロフェッショナルなK-popに対して幼稚な日本のアイドル界」的な論調には私は与しないと言うことです。確かにダンスや歌唱スキルだけを絶対視すれば、その主張は成り立つかも知れません。でも、そもそも求めているものが違いますよね。忌憚なく言えば、イコノイのパフォーマンスレベルの向上は願っていますが、いわゆるアイドル性を犠牲にしてまでその路線を追求すべしとまでは思っていません。「24/7」や「CAMEO」的な楽曲も好きですが、「ダイリリ」や「青サブ」的世界感を根幹に持つグループでいて欲しいというのが私の趣向です。
「ファンがそんな甘い事を言っているから、日本のアイドルはいつまでも成長しないんだよ」と言う方もいらっしゃるかも知れません。それは私に言わせると「余計なお世話」です。高校野球のひたむきさが好きで応援しているのに、「そんな低レベルな野球じゃなくて、大リーグに注目しろよ」と言われているようなものですから。
その意味で、口パクであろうが、パフォーマンス軽視であろうが、他の面(メディア露出等)を優先するというグループであっても私は否定しません。逆にK-popなどを「やり過ぎ」などと否定するつもりも毛頭ございません。本当にこの点については、個人が求めるものが千差万別なのだから、他人に迷惑を掛けていない限り、その趣向に口出しするべからずと私は思うのです。私にとって、アイドル性とパフォーマンスの質の塩梅が一番良いなと思えるのがイコノイだと言う事に過ぎません。
前置きが長くなりました。その上で竹中さんのご発言です。やはり魅せる事を重視する上ではポジション固定が正解なのだと感じました。考えてみれば当たり前ですよね。自分の立ち位置、そして周りのメンバーが固定されているからこそ、技術が高まっていくのは我々一般人でも容易に想像出来ることです。ただでさえ難しそうな振付、体調不良等でメンバーが急に欠けた際など、よく短時間で変更に対応出来るものだと常々感じています。やはりパフォーマンス向上には、決まった立ち位置が重要となりそうです。歌割りも同様ですね。同じパートを歌い込むことで、自分なりの工夫に繋がることもある事でしょう。
これを「動線や振り付けのカウント」「本来ダンスとは身体に染みついて」「自分だけの立ち位置」といったプロならではのワードで補い、説得力を獲得しております。何か論調がコロコロ変わるようで恐縮ですが、私は「(いわゆる)アイドルらしさ」の範疇においてパフォーマンスの質を向上することを期待しており、その路線上にあるイコノイの現状に満足しております。
この事はファイナルを残すのみとなった今次ツアーに思いを致せば、よりリアリティを持って我々を納得させてくれます。ツアーセトリの1つ1つは、ソロカバーや初披露曲を除けば、それぞれ演じ慣れている楽曲です。しかしながら、これを2時間余の一連のショーとした時、感情の持っていき方や表現の強弱、更にはペース配分や他メンバーとの補完体制などテクニカルな部分まで気を遣うことが多く、それだけに回数を重ねる度に公演内容が充実してくるのでしょう。決まったポジションで、決まった楽曲を繰り返す。一見、刺激に乏しいとも感じますが、完成度を高めるには(アイドル性のアピールを含めて)この方法が一番の近道である事を我々は今まさに実感しているのです。
メンバー固定の全員選抜ですと、先ずは過度な競争が排除され箱推し気運が高まることで、メンバー・ファンとも穏やかな気持ちで応援出来る利点が挙げられます。そしてパフォーマンス面では技術向上の近道となることも今回改めて確認出来ました。もちろんデメリットはあります。その反面として変化に対応しづらい事(特にメンバー卒業時)、ボリュームが必要となるマスセールスには向かない事などです。
結局はどんなグループの形にあっても存するメリット、デメリットを十分認識し、それを許容すること(+他の形も否定しないこと)だと思います。アイドル性と高いパフォーマンスの両方を求めるなど中途半端に終わるんじゃないのと、それぞれに振り切ったグループファンからは言われてしまうかも知れません。
それは正しい部分もあります。それでも、私はそのバランスを極めたグループとなり得ることを、現在のイコノイであっても確信しております。仕事等でも専門性が求められ、「オールラウンダー」が軽視されがちな昨今、両極やニッチに向かうのではなく、あくまでど真ん中を突いて行こうとする試みこそがイコノイプロジェクトではないかと再認識させるネット記事でした。(終)
※要はバランスかと・・・