「ひといちばい敏感な子のための子育てハッピーアドバイス~十人十色自分色~」
京都下京区のコワーキングスペース「オトナリラボ」さんでお話しさせていただきました。

企画、告知、準備、受付、と全て代表のひさこさんがすすめてくださり安心してお任せしていましたので、私は自分が話すことのみに集中することができました。
告知後すぐに満席となりキャンセル待ちとのお知らせに、嬉しい気持ちと、やはり今とても関心の高いテーマなのだと改めて感じました。

この一週間はあれこれとスケジュールを詰めこんでいたので、自分でも少し混乱していて、同時進行でたくさんのことをこなせない私は、ひとつひとつ片付けていきました。

人前で話すことも、大人数になると緊張で頭が真っ白になるし、おひとりおひとりのお話をゆっくり聴くことができないので、定員も10名様とさせていただきました。
こんな私が決められた時間で皆さんに大切なことをきちんとお伝えするためには他にはどんな方法があるかな?と色々と考えてみました。

私が動揺せず落ち着いてお話できる方法。
皆さんにも落ち着いた環境で分かりやすく聴いてもらえる方法。
それはやっぱり分かりやすいテキストを作り、お話する内容を原稿として書き、ひたすら練習することかな、と思いました。
そうすることで自分に「大丈夫。できるよ」と言ってあげられるし、落ち着いて当日を迎えることができる、と。

こんな風に考えられるようになったのは、私自身がHSPだと知ったこと、ひといちばい敏感な自分を受け入れて、その気質と仲良く付き合っていくことができるようになったからだと思います。
「こんな自分はダメだ」じゃなく「この気質を生かして周りの人のしあわせに繋いでいける、こんな私だからできる」と思えるようになったのです。

私はひといちばい敏感な私自身をさらけ出して、私自身をもテキストにしようと考えるようになりました。
なので、この裏話…「どうすれば緊張しないで大切なことを伝えられるか?を考えて原稿を作り、それを読む」ということも、始めにお話させていただきました。

カリスマ性のある講師の方なら、原稿など読まないで、おひとりおひとりの顔をしっかり見ながら皆さんを惹きつけるお話をされるのかもしれませんが、これは「ひといちばい敏感な子のための子育てハッピーアドバイス」だから、私みたいなひといちばい敏感な講師でいいんだ!むしろ、私じゃないとできないんだ!と自分に言い聞かせました。
リフレーミングは得意です(笑)
そうやって暗示をかけながら当日を迎えました。

テキストはパッと見て「可愛い♪」と和んでもらえるような表紙を、と、認定子育てハッピーアドバイザーチーム関西仲間でもあるハンドメイド作家このみちゃんに描いてもらいました。
表紙を含め、初めの3ページはこのみちゃんの可愛いイラストで「HSC・HSPの素敵なところ」を表現してもらいました。
私はHSC・HSPを「生きづらいもの」とは捉えてほしくない、HSC・HSPは持って生まれた素敵な気質、それに気づいて自分を好きになって持っているものをキラキラ輝かせてほしい、そう思っています。

生きづらさの原因は「HSC・HSPだから」ではなく、HSC・HSPが少数派であり同調圧力の強い社会で自分をダメだ、弱い、みんなと同じようにしなければ、とありのままの自分に×を付けているからだと思うのです。
自分自身を無理やり変えようとするのではなく、自分自身が生まれつき持っている素敵なところに気づき、今見えているものを捉え直すことで自己肯定感が育まれていくのだと思います。

そんな思いを胸に一時間程、お話させていただきました。
みなさん真剣に聴いてくださり、テキストは100%活用できたかな、と感じました。
でも、私はいつも200%にしたい…あとの100%は、皆さんとのシェアタイムで得られるものです。
マンツーマンではなく、何人かで講座をやることで得られるものはとても大きく、この日も皆さんから貴重なお話をたくさん聴かせていただくことができました。

おひとりおひとりのお話を順番に聴きながら、あー、あんなこともこんなことも話したい、と思い浮かべていましたが、次々といっぱい溢れてきて最後には何を話したかったのかわからなくなりました。
でもその後も皆さんが話しているのを聴いて「あ、私がさっき言いたかったことは、それだ」と…結局皆さんが私の言いたかったことを全部話してくれました。

お母さんが自分を大切に思えないと、子どもの気持ちに寄り添うことは難しい。
お母さんが誰かに優しく包まれていないと、子どもに優しくなんかできない。
お母さんだって誰かに甘えたい。
弱音を吐き出して誰かに受け止めてほしい。
そしてそんなお母さんの気持ちをHSCの子どもは気づいている。
お母さんが我慢をしていると子どもは甘えられなくなる。
それだけじゃなく、自分がお母さんを支えようとする。

お母さんを孤独にしてはいけない。
「毎日、がんばっているね」
「うまくできなくていいんだよ」
「みんな同じだよ」 
私にその人の環境は変えられないし、抱えている問題を解決はできないけれど。
弱音を吐き出しても大丈夫って思える、優しい場所を作りたい。

そして、お話を聴いているとやっぱりHSCの子どもは保育園、幼稚園、学校などがつらいと感じることがあり、親御さんは子どもがずっと学校に行けなくなってしまったらどうしよう、という不安を抱えている方が多いです。

でも、世界は広い。
学校に行くことだけが全てのように見せかけられているけれど、実はそれはほんの一部の小さな世界。
学校に行かなくても学べる環境はいくらでもある。
学校は体調を崩してまで、命をすり減らしてまでいくところではない。
子どもが学校に行かなくなり「学校」という世界を飛び出して、他の場所を見つけたら、今まで居たところが広い世界のほんの一部だと気づいた。
子どもが学校に行かなくなってから初めて世界が大きいと気づいた。

「だから全然大丈夫なんですよー」って笑顔でお話してくださった方がいて、一気に空気が和みました。

学校に「行けない」のではなく「行かない」んだ。
世界は広いと知っていて、それを選んでいるんだ。

本当は学校(社会)の環境を変えていければいいけれど…
HSC・HSPが過ごしやすい学校(社会)は、全ての人にとって過ごしやすい学校(社会)であるのだから。

でもすぐには変わらないから
私にできることは私の周りの小さな社会に伝えていくことなのかなーと思います。

ありのままの自分を無理に変えなくても
知ることで見える世界が変わる。
知ることで捉え方が変わる。
×が◎に変わる。
そしたらみんな自分を好きになって
人にも優しくなって
みんなが生きやすくなって…
だから私はこれからも伝えていこう、私の動ける範囲で種をまいていこうと思いました。

私の動ける範囲は狭くても、それはやがて根をはり、芽を出し、どこかで花を咲かせている。
そしてその人がまたその場所で種をまいてまた新しい花が咲いて…
そうやってあちこちに花が咲いている。
それを知っているからです。
この日まいた種も、いつかそれぞれ自分色の花が咲くと嬉しいなぁ…。