●初江王(しょこうおう)
(※画像は文化遺産オンラインより) 奈良国立博物館所蔵 「初江王図」)
亡者の審判を司るとされる「十王」の中の一尊。
三途の川を渡って初めの場所に居する故に初江王という
(「江」は大きな川を意味する)。
本地仏は釈迦如来で、亡者のニ七日(死後14日)に於ける
審判を司る。
身に法衣法冠を着け、忿怒の相を表す。
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「十王」の2尊目です。
「十王」が何であるかは前回の「秦広王」を読んで頂きたく。
まぁ早い話が、亡者を審判する十名の王ということですが。
(※画像は文化遺産オンラインより) 奈良国立博物館所蔵 「十仏十王図」)
※ 色はこちらで補正してます
さて、自分が参照した本には上記ほどでしたが、
ネット上にはもっと情報がありました。それによりますと、
亡者の死から十四日目の裁きを司る尊で、「秦広王」より
審理された亡者が正しく三途の川を渡ったかを審理し、
かつ「盗みの罪」について裁くのだとか。
また、三途の川を渡ったここには賽の河原があり、
10歳に満たず亡くなった子供が、石を積み続ける業を
負うと、
というようなことが書かれてありました。
「賽の河原」の話は正直、理不尽極まりなくて自分は
大嫌いです。
ま、あれを好きだという正気の沙汰で無い方は概ね
いないとは思いますが。
子供だって好き好んで亡くなったわけではないのに、
親より先に死んだのが罪だとして石を積ませるなんて、
それこそ鬼畜の所業ではないかと。
十王は中国発祥であり、内容も他の宗教と共通では無い
認識の内容が多々あるので、絶対に創作者がいる筈です。
当時の倫理観の反映だとしても、これ考え出した輩は、
子を道具程度にしか考えてない権力者に ゴマ擦って考え
だしたんじゃないかと思えてなりません。
宗教関係者が権力者に擦り寄ることで権勢を得るなんてのは、
古今東西ありすぎるくらいある話ですからね。
それはそれとして、
ご利益は前回に書きました通り、十王信仰は閻魔大王の信仰と
同一視されていたとのことで、閻魔大王との結縁が十王との結縁に
代わるかも知れませんので、結縁される場合は真言ふくめてそちらを。