●那羅延天(ならえんてん)
(※画像はwikipediaより)
サンスクリット名は「ナーラーヤナ(Narayana)」といい
当て字して「那羅延那」とも。
また、ヴィシュヌ神の別名であるため、当て字して
「毘紐(びにゅ)」、「毘瑟紐(びしにゅ)」とも。
また、観音二十八部衆の一尊。
帝釈天の眷属にして六欲天(他化自在天、化楽天、兜率天、
夜摩天、忉利天、四大王衆天)に住まい、名は「堅固」とも
訳されるほど大勇猛の大力無双にして、迦楼羅天(ガルダ)に
乗って生死界を自由に行き来し、勧善懲悪を衆生救済の
誓願とする。
また、人にとっての生きた見本であるとされ、故に衆生の
祖父ともされる。
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今回、那羅延天です・・・・。
メジャーとは言わないまでもマイナーな方ではない天部
なのですが、何故か本の記載順の巡り合わせが悪かった
ようで、今の今まで真言を上げていませんでした・・・。
さておき――
那羅延天は、そもそもヒンドゥー教の三大神の一柱である
ヴィシュヌ神を仏教に取り入れた天部であり、世界に生じた
悪を様々な化身となって正義へ転じていくとされ、妻は
美と富の神「ラクシュミー(仏教では吉祥天)」とされます。
まぁ、仏教では吉祥天の夫は毘沙門天とされてますけども・・・。
で、御利益は、
「守護」に尽きるかと。
「怨敵調伏」の要素もありそうですが、『人にとっての生きた
見本』というくらい勧善懲悪の天部ですので、こちらが正義では
無い場合、お力を貸しては下さらないように思います。
それどころか、逆に戒められかねませんね。
真言は
「オン・ビシュネイ・ベイ・ソワカ」
です。
wikipediaには
「オン・バラバザラ・ソワカ」
および
「ノウマク・サマンダボダナン・ビシッダベイ・ソワカ」
とありました。
印は、形からして施無畏印と同じっぽいです。