●天鼓雷音如来(てんくらいおんにょらい)
(※画像は「仏教珍籍刊行会」発刊 『新纂仏像図鑑. 地之巻』より)
サンスクリットでは「天上の鼓が響かす雷鳴の如き音」を
意味する「ディブヤ・ドンドビ・メーガ・ニルゴーシャ」。
無量寿如来、天鼓雷音如来)の一尊。
胎蔵界曼荼羅の北に位置し、天鼓の雷鳴のような響きを
人心に共鳴させ、菩提心へと導くとされる。
曼荼羅では左の掌を上に向けて臍の前へ置き、右手は
伏せて膝に置き、その人差し指は蓮台へと至る触地印
(そくちいん)をなして降魔の意を表する。
金剛界曼荼羅にて同じく北に位置する不空成就如来とは
同体とされる。
(※画像は文化遺産オンラインより 奈良国立博物館所蔵「胎蔵界曼荼羅」)
(※開敷華王如来は中央の大日如来の左側)
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前々回、前回に引き続き、マイナーな如来です。
鼓を響かせるという個性的な尊なのですが、エピソードの
類いは探せませんでした・・・。しかも、鼓は手に持って
いるわけではないようです・・・・。
手じゃ無ければ、ボイパとか?
御利益が書かれてあるものも探せませんでしたが、
恐らくは「悟りを開かせる」と「厄払い」・「怨敵退散」と
いったところでしょう。
真言は
「ナウマク・サマンダ・ボダナン・カン・カク・ソワカ」
「カン・カク」のところを「バン・バク」に変えるだけで
開敷華王如来の真言になります。
一つ覚えれば、複数覚えやすいというのは有り難いですね。
印は触地印。別名を降魔印とも言います。
如来に倣って、座った状態で人差し指を地面に付けた方が
いい気もしますが、まぁそこまでせずともよいでしょう。
コロナウイルスによる不安が魔を呼びやすい世情になっている
とも言われています。全ては心の持ちようではありましょうが、
それでも人としてしょうがない部分もあります。
もし魔を感じたならば、唱えてみては如何でしょう。
御利益を得るには仏尊との御縁を深めた方が断然よいですが、
唱える回数を重ねただけ御縁は深まりますので、御心次第でも
あります。
家にいる時間が増えた方は、今がその好機かと。天鼓雷音如来
との御縁に限らず。