●牛頭天王 (ごずてんのう)

(※画像は「栗田こだわり仏像専門店」さん取扱品

      「仏像 牛頭天王 総高20cm 桧木彩色」)

元は疫病神・荒神だった尊。神とするのは概ね日本のみ。

疫神・荒神である一方、天竺の守護神であるともされ、

京都祇園社(八坂神社)に祀られたとされる。その祭神と

されたため、「祇園天神」とも称される。

祀ったのは唐より帰国して程無い吉備真備ともされ、

後に天王社、八王子社として日本各地に広まった。

 

『備後風土記』などでは中国の武塔神(むとうじん)

同一視され、また同じ疫神の蘇民将来とも習合された。

他にもインドラ(帝釈天)と同一視したり、中東の嵐と

慈雨の神「バアル」とも同一視する向きがある。

 

更に、スサノヲノミコトとも習合された。

これは、『日本書記』に於いて、スサノヲが天を追放

された際に、神羅(朝鮮半島にあった国)の曾尸茂梨

(ソシモリ)という地に一端降りていることからである。

ソシモリとは韓国語で牛頭を意味するとされ、「ソシモリ

からの神を八坂の地に鎮座させた」という話から習合

されるに至ったようである。

 

また、安倍晴明の撰とされる陰陽道の天文暦数の書である

簠簋内伝(ほきないでん)』では、同じ疫病神たる天刑星

吉祥天に住まう王舎城天王商貴帝などが天より下った姿

とされる。

 

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~とされる」が多い文になりました。真顔

 

それもその筈、これだけ話がありながら、そのどれも

発祥や根拠が明確ではありません。ニヤニヤ

 

無駄に習合相手も多く、だのに蘇民将来以外はまともな

共通項さえないという杜撰さ。ニヒヒ

しかも『日本書紀』では、スサノヲは曾尸茂梨にて蘇民

将来の世話になった立場であり、牛頭天王をスサノヲと

習合したなら蘇民と習合するのはおかしな話です。ニヤリ

 

更に『備後風土記』など後の書では、スサノヲが蘇民将来に

出逢った際の最初の名乗りを武塔神とし、更にスサノヲの

部分を牛頭天王に書き換えていたりして、無理やりにでも

習合させようとする気が見え隠れします。えー

 

・・・・・どうにも、牛頭天王を祀り上げようとする何者かの

陰謀クサイですな。ニヤリ

 

 

――と、思って調べていたら、牛頭天王の伝承が多く

書されている簠簋内伝(ほきないでん)・・・安部晴明が

編纂したとされていたコレが、実はどうやら八坂神社に

関連する者の偽作なのだそうですわ。ニヒヒ

 

 

 

今でこそ宗教家は聖人のようなイメージですが、歴史を辿れば

どの宗派も神仏を盾に結構な不埒をやっていますグラサン

 

まぁ、大きな寺社の住職は往々にして公家や武家の次男・三男

とかでしたから(妻帯できて後継が生まれる浄土真宗は除く)、

その家の力を背景として傲慢不遜だったりする寺社もあったこと

でしょう。

すぐ強訴に及んでは朝廷に要求を吞ませようとするなんてことは、

しょっちゅうあったみたいですしね。ニヤリ

 

 

また、ごく一部を除き、

殆どが厳しい修行を修めたからではなく、俗世間で高い位に

居たと言う理由で住職になってますし(寺社的にもそうした方が

領主や豪族から寺社領を貰えたりして旨味がある)、

また、それに仕える者も元々の御付きの者がそのまま一緒に

仏門入りして、仕え続けてたりしてますので、そういった俗欲に

塗れた破戒僧もいて当然だった訳です。てへぺろ

 

鎌倉時代以降は、宮司職の家が地方豪族化、果ては戦国大名化

していってる九州では阿蘇氏や宗像氏、執行氏とか)のを見ても、俗世に

塗れてるのがわかります。

豪族化しなくとも、権力者に摺り寄って影響力を増していった話は、

世間一般に流布こそしないまでも、地方史を研究していれば、案外

目にする機会もあるものですし。口笛

 

 

で、今回の牛頭天王の件は おそらく、

他の寺社の祭神と被らないだろう牛頭天王を祭神とし、その

神格を情報操作(習合した出自のハッキリしない無名の渡来神

「武塔神」を、噂だけで神格の高いものにデッチ上げ、今度は

それを利用して逆に有名で神格の高いスサノヲノミコトとも習合

することで世間からの評価(神格)を盤石とする)を用いて上げる

ことにより、八坂神社そのものの社格を上げようと目論んだ――

のではないかと。グラサン

 

なんならいっそ、ミノタウロスとも習合しちゃえば良かったのに、

とすら思いますわ。ニヤリ

 

以上は私の考えでしかありませんし、もし正しいとしても、

今更とやかく言ったところで詮無いことです。

ただ、

疫病神とスサノヲミコトを習合するのはあまりに失礼だと

思います(スサノヲノミコトを尊崇する自分としては)プンプンむかっ

 

まぁ、明治の神仏分離に伴い、牛頭天王を祀ってる寺社の

殆どがスサノヲノミコトのみを祀るようになったみたいなので

最早いいちゃあいいんですがね。ニヤリ音譜

 

 

 

それに、

さすがに開山当初こそ色々やらかしていたとしても、

以降はまっとうに人々の尊崇を受けてきたでしょうし、

であれば、

現代に於ける霊格や尊格に関しては本物でしょうから。にやり

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに御利益ですが、

 

元が疫病神で荒神ですので、ちゃんと祀れば逆に厄や病から

守られるだろうとして、

病気平癒』・『厄除け

の御利益があるのだとか。

 

他にも、

家内安全』・『五穀豊穣』・『縁結び』などもありますが、

これはスサノヲノミコトの御利益です・・・・。えー

習合された際にパクられた、という訳ですわ・・・・。ニヤリ

 

 

ただ。長い年月 信仰されてますので、その分だけ神格は

上がってるはずですから、この御利益もちゃんと頂けるかも。

 

 

真言は

オン・牛頭(ごず)・デイバ・誓願(せいがん)

 ・随喜(ずいき)・延命(えんめい)・ソワカ

 

・・・すっごい異質な感じです。真顔

 

 

 

印は、 蔵王権現の印と同じです。

・・・印までパクったかどうかは不明。ニヤリ