実はパスタパーティーには続きがあって、わたしがこっそりペペロンチーノを作ってキッチンで食べているのを、りん君に目撃されてしまい、興味からか一口ねだってくる。
しかし、これは唐辛子を入れすぎた激辛仕様。
その事を説明しても諦めないとは、さては疑っているのか??
──キッチンでコソコソゴニョゴニョしているのを、わたしがとてつもなく美味しいモノを独り占めしようとしている風に思ったのだろうか。
まぁ確かに最初はそのつもりだった…。
だがそれは、りん君もアリサもお腹がいっぱいだという事を確認した上での事で、大好きなペペロンチーノを好みの固さ、好みの味加減で堪能するはずだった。
はずだったのだが、100均で購入した袋入りの輪切り唐辛子が予想以上にドバッと入ってしまったのだ。
一瞬青ざめた。
通常分量の3倍…いや5倍は入った。
オイルに浸かってしまった唐辛子を、もう戻す事など出来ない。
わたしは動揺しつつも、それでも調理しきった!!
ニンニクとオリーブオイルの香りが食欲をそそらずにはいられない。
もう唐辛子を入れ過ぎた事などどうでもよくなっていたが、口に入れた直後、その考えが間違っていた事に嫌でも気づかされる。
ジワジワと押し寄せてくる辛さがハンパない。
でも美味い。
いや、辛い。
いや、美味い。
辛いのか、美味いのか、自問自答が繰り返される。
辛さのあまり身体中から溢れ出た汗が止まらない。
──まさに、その時である。
りん君に目撃されてしまったのは。
仕方ないので、
「とてつもなく辛いよ」
と何度も釘をさした上で一口食べさせてみた。
すると…、
りん君は、ダッシュでどこかに消え、ダッシュでまた戻ってきた。
辛さのあまり悶絶しているのだろうか?
いや、手にロボットを持って戻ってきたようだ。
そして、りん君がそのロボットの頭のスイッチを押すと…。
「ヒーーハーー!!!!」
なんとロボットから音声が流れ始めたではないか!!
しかも「ヒーハー」ってwww
この状況で、ロボットを使った高度なギャグを思いつくとは…。
しかも、このわたしが一瞬とはいえ「プッ」と吹いてしまった…。
今回はわたしの負けのようだ。
腕を上げたな(* ̄ー ̄)
↑「ヒーハー!!」と喋るロボット。
『キング シュリケンジン』