n 尿素サイクル異常症とは
人間の身体にそなわっている尿素サイクルは、アミノ酸の分解過程で発生するアンモニアを解毒して尿素を合成します。尿素サイクルでは複数の酵素が働いており、このひとつでも十分に働くことができないと、アンモニアの解毒がうまくできません。また、尿素サイクルに関係するアミノ酸の転送機構に異常がある場合も尿素サイクルはうまく働くことができません。アンモニアが体内に過剰に蓄積すると(高アンモニア血症)、中枢神経にとって猛毒となります。その結果、発達障害、行動異常、昏睡状態、重い脳障害などを引き起こし、生命の危機に陥る場合もあります。
<アンモニアを分解する尿素サイクルって何?>
人間はたんぱく質を摂取して、その中に含まれるアミノ酸を利用しています。腸内では食事から摂取したアミノ酸が細菌によって分解され、アンモニアが生成されます。また、身体をつくっているたんぱく質は常に分解と合成を繰り返していて、このアミノ酸分解の過程においてもアンモニアが生成されます。私たちの身体では常にアンモニアが生成されているのですが、これを尿素サイクルが無毒の尿素に合成しています。
n 尿素サイクル異常症の種類
問題がおきている酵素そして尿素サイクルに関係するアミノ酸の転送機構の種類によって、以下の種類があります。
² CPS1欠損症
² OTC欠損症
² シトルリン血症
² アルギニノコハク酸尿症
² アルギニン血症
² NAGS欠損症
² オルニチンアミノ基転移酵素欠損症
² 成人型シトルリン血症
² HHH症候群
² リジン尿性蛋白不耐症