2024.12.9 脇園彩&小堀勇介 ニューイヤー・デュオリサイタル Belcanto! | たっぴーのムジカしくない日記 "Incominciate!!"

たっぴーのムジカしくない日記 "Incominciate!!"

主にオペラの感想等を亡備録として書き連ねていこうかなと思ってます。
その時感じたことをそのまま書くようにしてますので、文筆がおかしいことは多々ありますが、良ければご覧下さい。

昨日は待ちに待ったこちらの日でございました。
ドドーン!!


はいみんな拍手ー。
あーた、脇園さんと小堀さんが歌ってさ、園田さんが伴奏してさ、そして曲目がまさにBelcanto!な内容だってんだから、おいらの心は弾んじゃうわけよ。弾みすぎて連動したお腹周りがちょっと痩せたという話もあるくらい(お前のハートはアブトロニックか)

Belcantoのリサイタルで、ロッシーニは『セヴィリアの理髪師』も『チェネレントラ』もないし、ドニゼッティは『愛の妙薬』も『連隊の娘』もないんですよ。すごないこれ。やばないまじで。それらのオペラも大好きなので全く否定するわけじゃないけど、それらをあえて入れてない所に、3人の本気を感じるというかね。感じずにはいられぬこの思いどうもフェドーラですというかね(というかねじゃないんすよ)。口を開けば『Traviata』な日本で、かなりコアな曲目にチャレンジしてくれた3人とそれを受け入れて実現してくれた運営に感謝しながら聴かせていただきました。ちなみにTraviataは素晴らしいオペラです。誤解の無いように。

ではプログラムについて感想を。
1曲目はロッシーニ作曲『アルミーダ』より「優美な鎖よ」(脇園・小堀)ということで、この曲久々に聴きましたが実に美しいですね。2人の声がとても甘美に優しく共鳴していく。『ラクメ』の「花の2重唱」のような趣き。最初に声を出すのにはもってこいな感じ。

2曲目は同じくロッシーニの『湖上の美人』より「おお、胸を熱くする優しい炎よ」(小堀)でした。やっぱさ、小堀さんはさ、ウベルトよ。うむ。ロドリーゴじゃなくてウベルトよ。ってなったよね。今はワンチャンロドリーゴもいいかもしれんけど、ウベルトだと確信したよね。歌はSoaveから始まるんだけど、言葉の通り甘い美声がなんとも合っている。こういう部分の表現は小堀さんの薬籠中物。眉毛が思わず上がっちゃう。あまーーーい!!そんな気分、あ、これは今やめた方が良いのか(タイムリーやねん)。ちなみに私はお腹いっぱいでウッベルトがキツイということがよくあるので、そういう意味では私もやはりウベルトなのかもしれない(今すぐ黙れよ?)

3曲目はドニゼッティの『マリア・ストゥアルダ』より「空を軽やかに流れる雲よ」(脇園)でした。ある種完璧に歌ってくれて拍手で悪くはないけど、個人的には技巧的過ぎるきらいがあって、もう少し感情的な表現が乗るといいなぁという感じ。
4曲目も同じオペラからで2重唱の「全てから見放され翻弄されて」(脇園・小堀)でした。こちらは前半かなり余裕のあるテンポ感でたっぷりめに聴かせてくれた後に、後半結構グイグイ攻めてたので気持ちがのれて良かった。さすがは園田さん。歌唱も申し分ないけれど、若干様子見感もあった気はするのでもっと精度を上げた状態で再度聴いてみたいなという気もしました。

さあ、1部のラスト5曲目は、ロッシーニの『ランスへの旅』より 「私にいったい何の罪が?~卑怯な疑いを持ったこと」(脇園・脇園)です。これはもう何度も歌ってるから安定感があったね。うむうむ。どちらかと言うと、リーベンスコフより強めなメリベーアがグイグイ出てくる感じでした
。この曲はヴァリエーションを嫌でも楽しみにしてしまうんだけど、バッチリ楽しませてくれました。これぞ声の歌合戦という感じで盛り上がっちゃったよね。ただ、すこーーしばかし小堀さんお疲れだったかもね。僕は喉がお疲れどころかほぼ死んでます。聴きながら声帯が歌っちゃってるからだと思うんだけど、咳を堪えるのが大変でした。あ、私今若干の副鼻腔炎なんですよ。興味ないでしょうけど(笑)

ここで休憩20分となりましたが、園田さんのピアノがまたいいんだわ。園田さんのピアノだからテンション的に上がって聴けてる部分も結構あると思う。バーンスタインが眉毛で指揮してる動画を見たことがあるんだけど、園田さんは、ニコニコしながらその表情で音を出してるような感じ。手が動いてないのではないかという(んなわけあるかい)。見てて和むし安らぐ。Pace e gioia…そんな感じ。めちゃめちゃ美味しいものを食べた時の顔で終始ピアノを弾かれてるので、幸せな気持ちになりますね。それが音として出てるのも凄いし、ピアノでオーケストラの音を出してるのも凄い。

さ、休憩を終えて2部の1曲目は、ロッシーニの
『湖上の美人』より「たくさんの想いが今この胸に溢れ」(脇園)つまりは、Tanti afettiでした。何となくこれって原語のほうが有名な気がしてて。まぁ難しい曲ですよね。ロッシーニのある種の集大成のようなそんな北極ではなく難曲。そんなこの曲を脇園さんは、きらびやかにコロラトゥーラを駆使しながら実に堂々と歌われていて、すんばらしかったです。言葉のつなぎ方とか切り方もやはり長くイタリアで活躍されてるだけあって上手いです。園田さんのピアノとのやり取りも気持ちいいくらい合ってましたし、ちょうどいいテンポ感でめちゃめちゃ良かった!!おいらがFelicitaやでって思ったもんなぁ。日本でエレナやる機会…ないよなぁ。やってくれよおおおおお。

2曲目は、『オテッロ』より「ああ、なぜ私の苦しみを憐れんでくれないのですか?」(小堀)でした。前半少し安定感を欠きましたが、中盤からはそれらを、全て払拭して、過去1良いのではないかというロドリーゴが聴けました。マジで震えるやつ。園田さんのピアノと小堀さんの歌の全てが完全に1つになってた。小堀さんはロドリーゴが憑依したかのよう。彼の燃え上がっていく気持ちがオーラとなって会場を満たしていました。ヴァリエーション行く前の園田さんのピアノがまた憎い。もうね、無敵だわ。無敵。マリオならスター。スターなら錦野。錦野なら(マジカルバナナやってんじゃないんだよ)。とにかくあれはやばかった。あの時間マジで至福だったわぁ。そして燃えたわぁ。マジの顔してたもん小堀さん。そらわしも抑えて抑えて言わないように頑張ってたBravo2回も言うわ。てかあんな素晴らしい演奏してくれて、言わないことが失礼やわ。それくらい良かった。光り輝いてたよ。会場から溢れんばかりの拍手きてたもんね。

3曲目は、ドニゼッティの《ロベルト・デヴリュー》より 「苦しむ者にとって涙は甘美なもの」(脇園)でしたが、その前の小堀さんで燃えまくったからなのか、喉がイガイガしまくっちゃって、正直しっかり聴けてなかった(笑)しっとりと歌っていたなというくらいなもので。ごめんなさい。咳を我慢しすぎて涙がボロボロでてしまい、涙は甘美どころの話じゃなくて、終わった瞬間にカンロの飴を口に入れましたよ。お口の中でコロコロコロラトゥーラ(いい加減にしとけ)

4曲目は《ラ・ファヴォリート》より 「王の妾だと?~夢の中の清らかな天使」(小堀)でしたが、こういう曲は本当に小堀さん向け。高音を鳴らすのも良いけど、こういうゆったりと丁寧に歌う系こそ良さが出ると思う。しかも、フランス語版を選んだのは正解な気がする。小堀さんのフランス語美しいんだよね。うっとりしちゃうわよね。

そしてプログラム最後は、ロッシーニの『エルミオーネ』より2重唱「何をしてしまったの? 私はどこに?~復讐は果たされました」(脇園・小堀)でした。プログラムの最後が『エルミオーネ』て。しかもさ、これが今リサイタルの白眉でした。もう得も言えぬ感動。脇園さんかなり勉強してますね。声と表現が限りなく1つになってる。そしてその表現がド直球で胸を打つ。隙間がない。私はあまりに凄くて身震いしてしまいました。そしたら隣のオジサマが驚いてました(笑)そらそうだよ。右肩から腰辺りまでがいきなりブルルルルって震えだしてんだもん。小堀さんもオレステに合ってるんだなということに気付かされたんだけど、2人が舞台に出てきて少し経ってからふと気づいた。オペラを観てるぞ俺はと。つまり、声の表現だけでオペラの世界に没入させられていたのよ。聴きながらどんどんのめり込んでいった。すんごいわ。この作品自体は当然知ってますけど、生では全曲観たことはないですし、映像だとROFのガナッシ、ピッツォラート、クンデ、シラグーザのものしか知らないであまり詳しくなかったので、もう1度観てみようと思いました。こんなに凄い音楽だったのか。こういうことがあるから生のリサイタルは良い。素晴らしい演者は新しい探究心を生ませてくれる。なんか頭を音楽でバチコーン殴られた感じよ。何でエルミオーネをもっと聴かないんだお前はって。あの2人くらいのソリストが揃えば日本でも人入ると思うんで、やるべきだ。うむ。そのだ!じゃなくて、そうだ!園田マエストロに頼もう。
次の次の藤沢お願いします!!
エルミオーネで!!!!!!!!!!!!!!

アンコールはこちら。
実は予想してたのが当たりました(笑)
日本ロッシーニ協会2019年の新春コンサートで2人がこの会場で歌ったので、もしかしてなんて思ってたらそうでした。しかも、全部やりました。しっかりと。サービス精神!!さすがにお疲れの様でしたが、やりきってくれました!!ありがとおおおおおおお!!!!

そんなわけで、年明け1発目最高の音楽体験となりました。終演後はサイン会やってましたが遠慮させていただき帰ることに。小堀さんのに俺並んでたら結構キモいよね(笑)会場では色々な方とも会えて新年のご挨拶も出来て良かったし、プロや業界人、よく見る好事家、多くの方が会場にいたので、それだけ注目度高かったんだなぁと。注目度高い証拠としてはこれがね。
朗報ですな!!!!!
多分抜粋だけど残ってくれて良かったー!!
多分朝の5時から放送だぜ!!
絶対起きれないやーつ!!!(笑)
録画や録画!!!!
あとは、FMでもやってくれると全曲聴ける可能性はありますね。楽しみだ。ありがとうNHK。
NHKにも拍手。もっと拍手。更に拍手。北原(白秋、もうええわ)