VIVA ROSSINI ‼
思わず会場で叫んでしまったよあたしゃ。
何なら、VIVA SONODA‼ VIVA FUJISAWA‼
とも叫びたかったけど悪目立ちしたいだけにも見えそうで堪えた(笑)
いや~こんなに、こんなにさ、こんんんんんんなに素晴らしい『ランスへの旅』が聴けて最高よ。
ずっと良かったもんね。ほんとずっと。で、全員良かったんよ。テンション爆上がり。
その興奮状態で頭の中で一緒に歌いながら最初から最後まで聴き続けたら、つっかれ果てました。最後立てなくなるのではないかと思うくらい燃え尽きちゃった。あしたのジョーみたいに真っ白になってないか心配になりましたよ。
そんなアホなことを言ってますけども、ほんっとに、このオペラに関わったすべての方に言いたい。感動しました、ありがとうございましたと。
今回楽屋口で40分くらいは待ったけど、皆様なかなかお出になられず。時間も迫ってきてたので会場を去った結果、直接感謝の言葉は言えませんでした。本当なら直接言いたかったね。もうこうなったら何とか調べ上げて、明日になったら一人一人のご自宅に伺って、ピーンポーンって鳴らして、「あ、あの、藤沢のランスありがとうございました」って言って回りたいですよね(お前もうたぶん速攻警察な)。
今回、オペラの始まる前にまずは市長からの挨拶があり、その後に園田隆一郎マエストロからのお話がありました。とても共感したので記憶してる限り書いておきます。
「このオペラは内容がないとかくだらないとか言われるけどだからなんですか?自分とは違う他人、自分とは違う個性を持った人。つまり多様性をお互い認め合うということをひとつのテーマとして、それを表現しようとこのオペラをやる場合いつも思っている。そうすることで世界が平和になる」という様なことを仰っていました。その例として、第2番のファッション狂のフォルヴィル伯爵夫人のアリアで大事なファッションのアイテムである帽子が届かなくて一喜一憂している、後半で帽子が届き安堵して歌い始めると、トロムボノク男爵がそれを見てあの人はほんとに変わった人だと思わず笑ってしまうんだけど、でも待てよ。人は誰しも自分と違ったところ、ちょっと変わった所があるではないか。この世の誰もが狂気の一枝を持っているのではないか、それを考え、それに続く第3番の6重唱の序盤で「こうじゃなきゃだめだという四角い考えで物事を考えてもだめ。地球は丸いんだから、丸くて柔らかい考えを持っていかなきゃだめだ」ということをに言う所が大好きで、オケも合唱も会場のお客さんもみんな狂気の一枝を持っているはず。それを認め合うことで平和に生きていける。今日のソリストだと、ファッションのフォルヴィルや音楽マニアのトロムボノク男爵、骨董大好きなドン・プロフォンド、人よりも怒りっぽいリーベンスコフ伯爵、好きなことを打ち明けられずいじいじしてるシドニー卿などみんな変わったひとばかりで、それが全員国が違う人たちであって、その人たちがお互いを認め合うということがオペラで表現されていて素晴らしいというようなことを仰っておられました。(口述筆記じゃないので園田さんの言ったこと100%ではないです)。
で、うん、確かにそうだと思いました。色々ないざこざや紛争って自分と違うことを認められないことから生じるケースが良くあります。逆言えばそれを認められれば平和に生きていけるんです。それをロッシーニはさらっと1825年に音楽という形で残していたのかと思うと感動して泣きそうになりました。また、うちの祖母が生前、「世の中四角四面に生きていてもだめだ。丸く角を落とさにゃ」と言っていたことも思い出しました。うむうむ、よーし、丸く生きていくぞ!今日は牛丼メガ盛りだ(ダメだ、園田さんこいつ全然わかってないっすわ)
藤沢市民オペラで毎回驚くのは合唱です。市民オペラのレベルじゃないんですよ。聴こえてくる音楽に違和感がなくて、欲しい感じでずっと聴こえてくる。この違和感ってのはあくまで感覚なので表現しにくいのですが、やっぱりガチのプロでないと「ん?」と思う場合も演奏会によってはあります。私も専門家じゃないのでそれは違和感としか表現できないのですが、藤沢にはそれが一切ない。むしろグッドボタンを押しまくりたい。YouTubeなら高評価チャンネル登録って感じ。かなり練習されてるのではないかな。さらに、みなさんすごく楽しそうに歌ってらっしゃって、見ていてこちらも楽しくなります。音楽って素晴らしいみたいな感じが溢れてます。また、合唱としてのまとまりはあるけど、個々人の表情や動き方はみなさん個性的で、ただの合唱で立っている瞬間がありません。オペラの合唱ですので、そういうところはウェルカムというか最高ですよね。
また、オーケストラの藤沢市民交響楽団さんもコンサートマスターの塩貝みつるさんを筆頭に、ここはこういう感じできてほしいなという僕の感覚とはとても合っていました。楽しかったり、燃える部分だったり、ロッシーニクレシェンドで盛り上がっていく所も実に良くて、これぞロッシーニだぜっ!!って思いながら聴きました。シドニー卿のアリアではフルートも素晴らしかった。また園田マエストロとの息もぴったりだった2幕のバレエ音楽も素晴らしかった。毎回思うのですが、園田マエストロのロッシーニを聴くと、丸みを帯びた優しい音色で溢れている印象なんですね、今回もそれをすごく感じたし、オケにもその感覚がスッと入っているような気がしています。ロッシーニから感じる園田節とでも言うのでしょうか。
さぁでは今回の配役を見ていきましょう。こんな感じでした。
【コリンナ】光岡暁恵
【メリベーア侯爵夫人】杉山沙織
【フォルヴィル伯爵夫人】小川栞奈
【コルテーゼ夫人】砂田愛梨
【騎士ベルフィオーレ】山本康寛
【リーベンスコフ伯爵】小堀勇介
【シドニー卿】伊藤貴之
【ドン・プロフォンド】小野寺光
【トロンボノク男爵】大沼徹
【ドン・アルヴァーロ】大西宇宙
【ドン・プルデンツィオ】デニス・ビシュニャ
【ドン・ルイジーノ&ゼッフィリーノ】加護翔大
【マッダレーナ&デーリア】小林由佳
【モデスティーナ】石田滉
【アントーニオ】小林由樹
指揮:園田隆一郎
合唱指揮:浅野深雪
合 唱:藤沢市合唱連盟
管弦楽:藤沢市民交響楽団
フォルテピアノ:星和代
副指揮:柴田慎平/松川智哉
稽古ピアノ:黒澤美雪/小南雅世
日本語字幕:本谷麻子
豪華過ぎて思わず文字のフォントも大きくなっちゃったよね。
やばない?マジで。豪華過ぎるやろ。
これまでの園田さんの振った藤沢市民オペラの集大成かつ新しいこれからの新進気鋭の混合のような激アツな面々。
今回は曲ごとに思い出して書いていこうと思います。
〇第1曲:導入曲とコルテーゼ夫人のアリア「麗しい光に飾られて」
オケが鳴り始めて「金の百合亭」が朝を迎えてバッとカーテンを開けて従業員たちが動き出して朝の準備を始めていく感じの導入部は昔から大好きなんですけど、オケが良かったのでニンマリ。マッダレーナの小林由佳さんが出てきて後ろの合唱に指示して立たせてから歌い始めて、もうこの段階で楽しくってしょうがかなかった。小林さんの歌いまわしも良かったし、何より合唱が楽しそうったらありゃしない。あまりにも言葉に表現を入れすぎると崩れちゃいそうなんだけどそれもなく"La pazienza! ah! ah! ah!…Oh! niente, niente."の所はただ楽しそうでしっかり枠内に収まってて素晴らしかった。オケも煽ってきて良かったし、この冒頭って僕が『ランスへの旅』を聴くときにすごく大事で、ここによってテンションが上がらないと嫌なんですよね。今回めちゃめちゃアガりましたわ!自分がこのオペラを生で聴いた中で過去1かも。で、ここが盛り上がるから、デニス・ビシュニャさん演じるドン・プルデンツィオにバトンタッチするとこが活きるんですよね。ここもドン・プルデンツィオ筆頭に合唱とロッシーニクレシェンド的に盛り上がっていくのですが、実に音楽が楽しいです。ちなみに脇役ですが、ここで出てくる小林由樹さん演じるアントーニオ、声も所作も良かったです。アントーニオの"Ah! si esamini, s'informi,
tutto in regola vedrà."からのドン・プルデンツィオの"Si dispongono a partire;
ma non cal, quest'oggi ancora,”に繋がり合唱も入って盛り上がっていく部分も大成功。
そのあと続いて、砂田愛梨さん演じるコルテーゼ夫人の登場。2025年の日本音楽コンクール1位を受賞した彼女の歌唱はラジオで聴きましたが明らかに格が違いました。コルテーゼ夫人もそれはそれは圧巻の歌唱でした。素晴らしすぎた!!この役が砂田さんによって覚醒しました。レベルアップ。コルテーゼ Level 2ndです。セルで言うと18号を吐き出して自爆する第2形態みたいなものです(全然違うわ)。アリアになると急に音楽が変わって優しく光の差し込んだようなのんびりとした雰囲気の曲調になるわけで宿屋の女主人にしては旋律美というのか技巧的な美しさのみが前面に出てくる印象がありますが、今日はどちらかと言うともっと実存的な血のほとばしる人間的な魅力そして力強さを感じるように歌いあげてくれました。。音の厚みがありつつもしっかりとベルカントな歌唱。最後はアクートをしっかりと決めていました。で、そのあとがまたすごかった。早口でまくし立てていくところの言葉が粒だって揃っていて爽快。イタリア在住なだけあり、言葉の処理がひっじょーに上手かった。ここでも最後の方はかなりヴァリエーション豊富に超高音を出していて度肝を抜かれました。この曲こんなに超絶技巧みたいな感じだっけ?みたいな。砂田さんの歌唱はこの役に風穴を開けた感じがしました。もうずっと気持ち良かった。ニッコニッコしながら聴いてましたよ。ロッテのトッポだわ。やっぱこれだねって(いつのCM出してきてんだよ)。早くまた聴きたいな砂田愛梨さん、Brava‼
〇第2曲:レチタティーヴォとフォルヴィル伯爵夫人のアリア
フォルヴィル伯爵夫人は過去に生で聴いて凄かったのは光岡暁恵さんでしたが、今回その光岡さんにフォルヴィル伯爵夫人の歌い方を伝授されたという小川 栞奈さんがキャスティング。ここでちょっと嬉しかったのは、モデスティーナが石田滉さんで、藝大の同期で仲良しの2人が藤沢の舞台上に乗ったということです。いつもSNSで仲良さそうな様子を見るので良かったなと。そういやここの同期ということで言うと私の高校の後輩とかそこ経由で一緒にオペラやった子とかなんやかんやでリンクするなぁ。まぁそれは良いとして、小川 栞奈さんは白のドレスに赤の丈の長い手袋姿(あとで青の帽子、3色合わせてフランス色)、石田 滉さんは黄色のドレス。色のコントラストが良くて目にも鮮やか。肝心のアリアですが、めっちゃ良かったです!!前半の馬車の転覆で衣装が来ないと知って失望しながら歌う所も、後半の帽子が届いてハイテンションで喜んで転がりまくる所もとても良く歌われていました。長いし難しい曲だと思いますが、あんなに歌えて、しかもヴァリエーションもそうだけど、曲でしっかりと遊んでるのがまたすごいなと思う。あたくし的にはこの曲はルチアーナ・セッラの呪いがかかってるのもあって、欲を言えば言葉の粒がそれぞれ立ってくると尚良いなと思いましたが、ないものねだりでしょう。前半も後半もヴァリエーションを豊かに、これでもかと装飾を入れて煌びやかに調節技巧を駆使。しかも途中でルチアの狂乱の場を放り込んできたのは面白かった。誰のアイディアなんだろう。最初違和感なくてスッと入ったのでルチアを知っている人でも分からないんじゃないかと思うほど自然でした。で、ここの部分だけはめちゃくちゃグルベローヴァでした。フォルヴィル伯爵夫人は小川 栞奈さんの歌唱でしたが、ルチアはまっじでグルベローヴァの歌いまわしと声色になっていました。唯一無二のグルベローヴァを再現できるなんて。以前ラジオでグルベローヴァのツェルビネッタを学生の頃に聴きまくったと言っていたので、これも影響受けてるのかんな(唐突にやめろよ)。ということで、サプライズもありつつ非常に高度なテクニックで大満足させていただけました。Brava‼
〇第3曲:6重唱
例の園田さんが好きだと言っていた場面"Ma ognuno al mondo ha un ramo di pazzia.Sì, di matti una gran gabbia ben si può chiamar il mondo;forse appunto, perché tondo,testa quadra non vi sta.”が冒頭に出てくる6重唱ですが、こちらも大興奮で聴かせてもらいました。曲が進むにつれて人がどんどん増えていく重唱ですが、まずはトロムボノク男爵役の大沼 徹さんが明るい響きで喋るように歌い始め、ドン・プロフォンド役の小野寺 光さんが登場。こちらも同様で聞き取りやすい。この段階でなかなか適材適所だぞと。お二人のように喋って歌えるみたいな感じはとてもいいですよね。声は大きいけど響きのみで何言ってるのかわからないみたいな感じより。続いてドン・アルヴァーロ役の大西 宇宙さんが登場。拍手。その存在感たるや(笑)ドン・ジョヴァンニでもやってらっしゃいますか?というオーラというか。声も肉厚でマッチョな感じ。でもしっかり細かい音符も余裕という素晴らしさ。ああなんて豪華な。蘇演の時のヌッチの様な実にパワフルな歌唱。そしてそしてメリベーア侯爵夫人役の杉山 沙織さんが登場。沙織さん、いや、いつも呼んでるさおりんと呼びましょう。さおりんはこれが本格的なオペラの日本デビューでした。学生の頃から知ってるだけにそれは嬉しくて嬉しくて。ただ、第一声目ちょっと色彩を欠く感じで始まったので、心臓止まるかと思いました。私は胸を押さえながら「頑張れ!!!」と祈ってました。そのあと持ち直してくれたので良かったですが、恐らく本調子ではなかったのだと思います。彼女の歌唱は何度も聴いてるのでもっとすごいです。とは言え今回の面々の中で堂々たる舞台姿はアッパレでしたし、さおりんと言えば豊かな響きだけどアジリタが超絶という印象ですが、今回もそれを感じつつ、並の歌い手では届かないくらいの歌を届けてくれたので全然OK。現在はミラノ・スカラ座のアカデミアで勉強中なので、それを終えた時はどんなに進化するんだろうと楽しみ。デビューおめでとうさおりん。そしてそして、リーベンスコフ伯爵役の小堀 勇介さんが出てくるわけですが、私の大好きな2人が同じ舞台に乗っていて、しかも対になっているという最高の瞬間。小堀さんはなんだかんだで久々に聴いたような。いつぶりだろう。静岡のオペラコンクールの関連事業ぶりな気がする。相変わらずのカルメンの作曲家って感じで、あ、ビセイです(くだらねぇよ)。聴いていて惹き込まれますな。"per lei fido avvampa il core e il mio ardor sprezzando va.”の所の高音もしっかり決まってました。そしてコルテーゼ夫人役の砂田 愛梨さんが出てくるというわけでですが、いや待てよ、舞台上どんだけ豪華やねんと(笑)そしてやり取りの応酬が続いて行きますが、さおりんの"Troppo ingiusto è un tal furore.”がめちゃいい感じに下も鳴ってバッチーンとハマってよっしゃとガッツポーズ。そこからの小堀さんの"Non pavento alcun periglio…D'ira avvampa in seno il core;e il tremendo mio furore no, non posso più frenar.”と続く部分全部良かったよね(笑)小堀さんは高音...はもちろんそうだし強みだと思うけど、こういうとこが良いんよ。自分の中に入れ込んだ感情の部分というか。そういうことがほんとめちゃくちゃ好き。お客さんの空気感ももってっちゃうんですよね。聴いてて眉毛上がっちゃう感じ。そこに他の皆さんの声がどんどん乗っていって、さあお待ちかね。コリンナが出てくるわけですね。コリンナ役は日本が誇るベルカント界の女王光岡暁恵さん。いやぁもう聴き惚れました。素晴らしい「優しい竪琴よ」のアリアでした。この曲は陶酔感でどっぷり曲に浸かるという印象ですが、今回光岡さんはかなりヴァリエーションにもこだわりを持たれていて、これでもかというくらいバリエーションを豊富に入れていて、この曲の新しい楽しみを教えてくれたという印象で、いつもとは違う楽しみ方が出来ました。凄かったね。綺麗に歌ったよ~だけじゃない光岡さんにしか出来ないコリンナを堪能出来ました。ハープの宮原 真弓さんも実に美しく、流れるように寄り添うように光岡さんと共鳴していました。ちなみに、コリンナのアリアの合間にその他の人たちが歌う部分で絶対にリーベンスコフ伯爵のSiが他よりしっかり目に聴こえてほしいなと思ってたところ、小堀さんがまさにその様に聴かせてくれたのでそこも良かったです。コリンナのアリアが終わると稲妻でも落ちたんかという勢いで"Simbol di pace e gloria
la Croce splenderà.”と歌われ、最後のクレシェンドでぐわあああああっともってくとこマジで最高でした。燃えましたよ。なんかもう宇宙的だった。いや、大西的ということじゃなくて、銀河系とかそういう宇宙ね。トライアングルとも相まって"felice ognun sarà.”のとこ全ての毛穴が開いた感じ。素晴らしかった!!Bravi‼
〇第4曲:シェーナとシドニー卿のアリア
何度も聴いている伊藤 貴之さんのシドニー卿。今回これまで以上に素晴らしかった!!歌い始めの"Ah! perché la conobbi?”を聴いた瞬間に、おいおい伊藤の兄さん、あなた...調子いいですね~!!!とニンマリしましたよ(笑)そして優しくてなんていい声なんだと。聴き進めるに連れて嬉しくなってきました。このアリアめちゃ大変だと思うんですけど全然そういうことを感じさせず、最後まで疲れも知らない子供のように、時が2人を追い越してゆく...いや待て。何故か布施明になってしまった。そうではなくて、全く喉の疲れを見せずに最後までいってしかも最後"palpiterà.”もしっかり上に上げて余裕で伸ばしていたのでもうラブです。兄さん一生ついていきますです。なんなら今回のシドニー卿は伊藤さんの過去一ヴァリエーションも入れまくっていてほんとに楽しくてしょうがなかった。どっちかと言うと音楽的には合唱入った後が好きなんだけど前半も楽しくて最高でした。ほんと色眼鏡とか無しにめっちゃ良かった!!あのー、そのー、良かった!!もともと無い語彙力が無くなる(笑)
あと、間に入る女性合唱がまた素晴らしかったのもめっちゃくちゃ言いたい。そこはオケも入りから素晴らしくて日本の市民オペラのレベルを優に超えていました。それは後半も同様に素晴らしくて伊藤さんも歌いやすかったんじゃないかなと思います。‟per lei d'amore - palpiterà.”の2回目のヴァリエーションがオシャレで英国紳士な感じでしたね。また園田さんも結構煽っていてオケがかなり速めなテンポで流れるように進んで行きましたが余裕で全く音楽の破綻がなかった。はっきり言って世界に輸出したくなりましたよ。いろんなものがメイドインジャパンが良いと言われていたころの復活ですわ(何の話や)。伊藤さんのリサイタルないかなぁ。マジでありがとうございました。シドニー卿と言えば、サミュエル・レイミーと伊藤貴之と。Bravo‼
〇第5曲:レチタティーヴォ、コリンナと騎士ベルフィオーレの二重唱
ここでようやくベルフィオーレが登場です。配役は山本康寛さん。山本さんのベルフィオーレも藤原で聴いたことがありましたが、あれが2015年だそうで、もう10年以上も経っているんだなぁ。時の流れの早さってのものは残酷よね。私もあの頃はまだギリギリ20代だったか30代入ったかみたいな。と、まぁそんなことはいいんですけども、山本さんの好きなところの1つは愛する気持ちを表現する時の力強い声の爆発力が魅力だと思います。攻めは最大の防御みたいな。"Regger non posso oh Dio!Voi siete l'idol mio…Per voi smanio e sospiro,e se pietà negate,io qui voglio morir.”の所だったり"Dunque non v'è speranza?”から"Martire di costanza,io l'alma esalerò.”のところだったり。こういうところはうまいですねぇ。あとは声のしなやかさも素敵な所。
あとは、光岡さんと"Un tal eccesso è pegno del più vivace amor./Un tal eccesso è indegno d'un cavalier d'onor.”と歌う所のヴァリエーションと二人の息の合ったやり取りも良かったです。最後の方独り言のようにコリンナが自分の手に落ちることはわかってるんだとまぁある種ニヤニヤしながら歌う部分はかわいらしさがあって良かったね。何となくこの騎士ベルフィオーレってどこかかわいらしさが欲しいんですよね。そいう意味ではとても合ってますね。光岡さんはこの2重唱だけではないけど、高音を決して叫ばないのがお見事です。ずっと若々しいベルカントな声が聴こえてきて安心して聴いてられます。
今回はやはりバリエーションをみなさんすごくこだわって入れていましたね。それこそ10年前だったら少しヴァリエーションを取り入れるという感じだったようなものが、これでもかとヴァリエーション込みが普通の時代に突入したんだなとそれを強く感じました。しかも結構こだわっていましたね。10年前は小堀さんが結構率先して1歩前に出てヴァリエーションでの楽しみ方みたいなものを打ち出していた印象。それから10年、日本のロッシーニは進化してます。それもこれも園田マエストロが貢献してきたことで可能になったことかと思います。
〇第6曲:ドン・プロフォンドのアリア
めちゃ楽しかった!!!!小野寺さんのドン・プロフォンドは骨董マニアみたいな部分でのオタクみたいな感じをとても出していいたんですよね。そういえばこの役ってドン・プロフォンド自体のキャラクターをしっかりと確立して歌ってる人あまりいないなと気づきました。要は「類のないメダル」で色々やるんだけどそれ以外はそこまでキャラクターとしての濃さがないというか。一貫したキャラクター作り素晴らしかったです。一枝をしっかりと感じました(笑)また、常に喋るように歌っていて、アリアでは言葉を立ててマシンガンのようにダダダダダダと並べ立て歌ってくれると楽しいので、まさにという具合でとても合っていました。とにかく言葉がしっかりと立ってないと面白くないんですよね。見事でした。また、それぞれの国の言葉っぽくイタリア語で歌うのもうまかったし、一緒に行った英語を普通に話す後輩は英国人で結構ウケてました。但し、この曲は声の消耗も凄いと思うのでとても難しい歌だなぁと改めて思いました。
〇第7曲:十四声の大コンチェルタート
なんやこの隅から隅までずずずい~っと好きしか並んでいない光景は!!!興奮しましたねぇ。あの人もあの人もあの人も…みんな好き!!というよくわからない状況。いやあ、まぁじですごすぎっしょ。紅白歌合戦みたいなもんですよね。しかも全員美空ひばりみたいな。まさに歌芸の人生一路。なんというかオールスターですわ。海老・いか・とり天・まいたけ・れんこん・なす、ですわ(てんやのオールスター天丼なそれは)。最強な面々ですわ。14人いるけどなんというか四天王的な。クリカン、清水アキラ、コロッケ、ビジーフォーですわ(80年代後半に活躍したモノマネ四天王!)。要は、激やば激アツな光景が広がってたわけよ!!!
もう言うことないです。というか「わ~すご~い」って見入ってしまって細かいこと覚えてないです。花火観てるみたいな感じだった。覚えてるのは繰り返しする前の所で女性陣が夜の女王の旋律をみんなで歌いつないでいて、最後メリベーア侯爵夫人のさおりんで落とすんだと思ってウケたところね。あと、伊藤さんを中心にただ単に楽しそうだったそっち側の男たちね。笑っちゃってたし(笑)大西さんの入ってくるとことかも最高でした。みなさん当然ですけど一流です。演奏会形式だったので余計に良かったかも。音楽が一切ずれることもなく速めなテンポでぐわあああああああああああああああああああああああっと最後まで走り抜けてくれて感動以外の何物でもないとう状態でした。終わってからちょっと立てなかったもん。凄すぎて。
〇第8曲:シェーナ、メリベーア侯爵夫人とリーベンスコフ伯爵の二重唱
やってきましたこのオペラの中でも最も好きな二重唱。小堀さんの歌うこの二重唱は色々な機会で聴いていますが、今回は特に良かった。"Qual sublime parlar! confuso io sono…Eccomi ai vostri piè… Pietà! perdono.”のレチタティーヴォ終わりから曲が葉人るわけですが、歴史的な背景を私が知ったからなのか特にそういう思いを持たれて表現されたからなのか、ただの色恋ごとに聴こえなかったんですね。これまではもっと男女間の話のみに聴こえてたのですが、何となくもう少し深みが出ていたというか。もうちろんストーリー的には関係ない部分ですけど。さおりんは前半とは明らかに変わって声がかなり出てました。いやぁ良かった。ここに焦点合わせてたのかもですけど、声は鳴るし終始アジリタが凄くて一気に喜びで満たされました。高揚感です。声に品があって伸びやかで耳福。"Qual barbaro rigore!Dubbioso e incerto io resto…Di speme e di timore palpita in seno il cor.”からの2人の声の重なり合いは白眉でした。もうそれは美しくて「あ~!!いいっ!!!これだよな!!すげ~」って心の中で叫んでました。もう最高でしたよ。お互いの呼応がもう愛を呼んでいました。さおりんが"Ah! regger non poss'io,ecco la desta e il cor.”と言い、小堀さんが喜びに高揚して"O gioia incomparabile!O fortunato ardor!”と感嘆する。これぞオペラというか。オケもそれに合わせて盛り上げっていくみたいな。これぞオペラですわ。こういう心の躍動感を求めているんです。ほんっとに良きです。それで曲の後半ですよ。ずっちゃずっちゃずっちゃAh! no, giammai quest'anima,più cari e dolci palpiti non ha provato ancor.といくわけですけど、園田さんのオケの速さも音楽も良かったし、小堀さんも良かったし、さおりんも良かったし。生で聴いたこの曲では過去一番良かった。繰り返しの前小堀さんめちゃくちゃ高いアクート出してた(笑)あれ何の音だったんだろう。で、そこだけが特筆してどうこうというか、曲としてヴァリエーションも含めてもうそれは調整が取れていて、もともとそういう曲なのかなと思うくらいの完成度だったので、アクートすげーとかそういうレベルじゃなくて、この音楽をやめないでください、ずっと聴かせてくださいという感じでした。二人とも凄すぎてね。凄すぎて。ほんとこれよ。小堀さんもさおりんもオケもみんな過ごすぎて。俺2回言ったもんBraviって。燃えまくりでした。これぞオペラ。これぞロッシーニ。ありがとうみんなです。
〇第9曲:フィナーレ
11,000字を超えてきたので簡単に。大沼さんのドイツ賛歌はプラティコかと思うくらいの明るい声で聴きやすかった。さおりんのポラッカはここでもヴァリエーション豊かにアジリタを詰め込んでいて素晴らしかった。小堀さんのロシア賛歌はアクートもばっちりで印象深く歌いきってくれました。大西さんのスペイン民謡は、こんなにこの曲で目立つのかと思う感じ。マジで声色はちがうにしてもヌッチみたいでした。すごく良かった。歌合戦では一番良かったと思う。最後もアクート金管のように鳴り響いてましたもんね。凄かったわ。伊藤さんの英国国家はやはりお決まりの最後のえええええええええの繰り返しが楽しかったし、歌う前のちょっと恥ずかしそうな感じも良かった(笑)。山本さんと栞奈さんのフランス民謡は二人の声が合っていてまとまりのある感じで聴けました。チロルの歌は砂田さんと小野寺さんで歌われてこれまたお決まりのヨーデルとのやり取りが楽しかった。
コリンナのアリア「金の百合の陰で」は前半のアリアよりも更に声の美しさを感じるもので、光岡さんの輝きのある声が優しく会場中に降り注いでいるかのようでした。こちらもヴァリエーションをたっぷりに歌っていて光岡さんにしかできないコリンナだなと改めて感じました。真に技術的な部分がないとこんなに美しくも明瞭に歌うことはできないだろうなと思いました。コリンナのこのアリアが最後にあるのでオペラとしても締まるし、格調高いものになるように思います。光岡さんの声はまさにそれを叶えるものでした。最後はフランスの伝統化歌「アンリ4世万歳」で終わりましたが、14声の大コンチェルタートと同様に、好きな人たちが一斉に歌っていて、こんなに幸せなことはないなと思って感動しまくりで胸いっぱいになって終わることが出来ました。
もうね、ありがとうです。それだけ。
最高でした。
藤沢市民オペラよ永遠なれと心の底から思います。
関係した全ての方に感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。
そしてこのオペラを成功に導いてくれた、マエストロ園田さん、お疲れさまでした。
ありがとうございました。
園田さんの指揮姿からは愛しか感じられなくて、もう大好きなんだなって思います。
それを見ながら僕もロッシーニ大好きって思ってました。
おかげでVIVA ROSSINIと叫んでしました。
今後もいろいろ企画があるということで、また伺わせていただければと思っています。
もっと書きたいこともあるけど、このへんで。
Ci vediamo presto‼

































