ウチのおばあちゃんが... 入れ歯が痛いと言っていて... | 隠れキリシタンの島で隠れてない歯学博士 高﨑智也のスローライフブログ

隠れキリシタンの島で隠れてない歯学博士 高﨑智也のスローライフブログ

歯学博士/長崎大学臨床教授/東北大学非常勤講師
手術用顕微鏡を全ての診療室に導入し、1本1本の歯を大切にします。
歯科衛生士と共に取り組む予防歯科。
裸眼では見えない噛み合わせの調整、痛みが少ない歯ぐき蘇り手術を行っています。

イラスト:歯科素材.comさんより

 

定期的に通院して下さっている方からのご相談。

 

ウチのおばあちゃんが、入れ歯が痛いと言っていて...

 

このようなご相談をよく頂く。

ほとんどの場合、当院の通院歴がない、かなり高齢の方だ。

認知症を合併している人も多い。

 

昔、歯医者は痛い時にしか用がないという考えの人が多かった。

そのため少々合わない入れ歯でも食事をされている人が、かなりの数おられる。

 

長年つかっていると、噛み合わせの部分がすり減り、噛み切れなくなるので、余計力をいれて噛む。

そして、身体が痩せると、口の中の歯茎も痩せてくる。

すると隙間ができて、パチンと割れてくる。

 

このような方達の治療は、ほぼ決まっている。

その日のうちに、なんとか旧義歯を修理して食べれるようにする。

 

割れている部分をよく観察し、補強棒を入れてユニファストピンクで周囲を修復する。

粘膜面は一層削合し、クラリベースで直接張り替えを行う。

最後に咬合がずれていないか確認して終了。

ご本人も付き添いの方も笑顔で帰られる。

 

寿命が伸びて、口の中の状況は複雑化してきている。

教科書に載っていないケースばかりで、本当に頭を悩ませながら対応している。

これから若い先生達は、より期待されることが増えると思う。

流行りの治療ばかりを追っかけずに、地味な治療を大切にしていると末長く歯科医療ができると僕は思う。

 

明日も皆様と共に、良い一日です。